30代は、歯のほかに舌や歯茎など口腔内のトラブルも起きがち。自分に当てはまるものがあったら対策をして、お口の老化を防いで。
【親知らず】痛みや虫歯など問題が起きたら抜歯を
前歯から8番目のいちばん奥の大臼歯が親知らず。永久歯は通常12歳頃にほぼ生えそろうが、親知らずは20歳前後の頃に生えてくる。あごが小さくスペースがないと斜め向きや横向きで生えてきたり、手前の歯を押したりすることで痛みが生じることも。いちばん奥なので虫歯にもなりやすい。痛みが出たり、ほかの歯を邪魔したり、歯並びを乱したり、虫歯になったりしたら抜くのがおすすめ。まっすぐに生えていて噛み合わせに問題がなければ抜く必要はありません。
【舌】舌の位置が落ちているのは筋力低下のサイン
本来、口を閉じたとき、舌先が上あごにちょんと軽く触れている程度がよい状態。でも下あごのほうに落ち込んでいる人が意外と多い。これは舌の筋力が落ちているサインで、口が開きやすくなって口呼吸を招く上、あごのたるみも引き起こす。舌の筋力が落ちると食べたものをうまくこねられなくなり、消化に負担がかかることにも。常に舌の位置を意識して。
【歯茎/歯肉】歯周病や強い歯磨きで、歯茎が下がる
歯茎の悩みで最も多いのが「歯茎の下がり」。その大きな原因は歯周病。健康な歯茎はピンク色で引き締まっているが、歯周病になると赤黒く腫れて歯茎が縮んで下がってしまう。まずは歯周病を治すことが大事。また、強い力での歯磨き、食いしばり癖、大きいサイズの歯間ブラシやジェットウォッシャーの使いすぎなども歯茎下がりを招く。一度下がると戻らないので、これらの習慣がある人は見直しを。
【噛む力】衰えると消化力低下や顔のゆがみを招く
あごを動かすと、その刺激で唾液の分泌も促進される。軟らかいものばかり食べていると噛む力が衰えて、食べたものが消化されにくくなるので、噛みごたえのある食品も適度に取り入れて。また、歯並びの悪さも噛む力を衰えさせ、噛みにくい部分が生じることで顔の筋肉のバランスがくずれ、顔のゆがみの原因にも。クリニックで相談し、歯並びを整える治療を検討してみるのもよいでしょう。
【唾液】唾液が減ると、虫歯や歯周病のリスクがアップ
唾液には口の中を潤す、細菌や汚れを洗い流す、口内の酸を中和する、歯や粘膜を修復する、殺菌・消化を助けるなど多くの作用がある。最近、長かったマスク生活の影響などで口呼吸になっている人が多数。“ぽかん口”は唾液が不足し虫歯や歯周病のリスクがアップ。唾液を増やすには口呼吸でなく鼻呼吸にし、口をよく動かすことが大事。また、耳の前側、あごの骨の内側、あご先の真下を指で押すと唾液腺が刺激されて分泌量が増える。
【口内フローラ】正しいオーラルケアで口内の悪玉菌を減らして
腸内に生息する細菌叢を「腸内フローラ」と呼ぶように、口内にも無数の細菌が生息し、それを「口内フローラ」と呼ぶ。口内細菌は、よい働きをする善玉菌、虫歯菌や歯周病菌などの悪玉菌、どちらにも変わる日和見菌に分かれる。口内の善玉菌を増やすサプリなどもあるが、オーラルケアをきちんとしていないと結局悪玉菌が増えるので、正しいケアで磨き残しをなくすことが口内環境を整える最善策。
Q.口臭ケアや口内フローラのケアをしていますか?
BAILA読者にアンケート(回答数123名 2024年2月26日~3月1日に実施)
口臭や口内フローラのケアをしている人は半数以上。特に口臭を気にして、マウスウォッシュや舌磨きなどでケアをしている人が多数。
イラスト/澤村花菜 取材・原文/和田美穂 ※BAILA2024年6月号掲載