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声優・斉藤壮馬さんが選ぶ、大人の好奇心をくすぐる3冊とは?【読書から広がる学び】

学び方にはいろんな種類があるものの、いちばん手軽にスタートできるのは読書。声優の斉藤壮馬さんは30歳となり、あらためて読書の楽しさを実感しているそう。子ども時代から読み返しているもの、最近ハマったものなど、斉藤さんのお気に入りを3冊ピックアップしてくれました。

勉強の読書とは違って学びの読書は能動的でもっと自由

斉藤壮馬さん
斉藤壮馬さん

声優

斉藤壮馬さん


さいとう そうま●近年の主な出演作はテレビアニメ「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」「憂国のモリアーティ」「さんかく窓の外側は夜」など。著書にエッセイ集『健康で文化的な最低限度の生活』。

30歳の今、あらためて読書が好きになっている

一冊の本との出会いが呼び水となり、ほかのジャンルも深く学びたくなるバラエティ豊かな3冊をセレクトしてくれたのは、声優として活躍する斉藤壮馬さん。

「世阿弥の『風姿花伝』は、舞台に上がる前にどのような準備をし、どのような心持ちで舞台に上がるべきかなど、芝居の概念や理論を説いている実践的な書で、役者として学びがありました。能は足利義教によって弾圧され、世阿弥も晩年に島流しにされるのですが、純粋な興味で読み始めた本が学校で勉強した日本史につながっていくのも面白かったです」

実家の本棚にあったことから、子どもの頃から何度も繰り返し読んでいるのが漫画の『MASTERキートン』

「『砂漠のカーリマン』というエピソードで、主人公の考古学者キートンが砂漠にスーツ姿で赴く場面が。彼はサバイバルの達人で、実はスーツは砂漠の気候に適した服装だったらしいのです。そういった印象的なエピソードがたくさん描かれていて、考古学やミステリー、世界史、日本史、オカルト、政治、宗教など、いろんな知識の扉を内包している作品だと思いました。物事を相対化して別の角度から見るという意味でもすごく参考になる漫画ですし、人としてどうあるべきかを学んだ作品です。もちろん、単純に漫画としてすごく面白いですしね」

2021年に読んだ本の中でトップ3に入るほど衝撃を受けたのが『謎ときサリンジャー「自殺」したのは誰なのか』。J・D・サリンジャーの短編『バナナフィッシュにうってつけの日』で、主人公が唐突に拳銃自殺する結末に対し、本当に自殺だったのかを問う話題の評論だ。

「サリンジャーを知らない方が読んでも絶対に面白いと思います。緻密に文献を当たってロジカルに論証を積み重ねていくのですが、弓道や禅の考案が始まるなど、アプローチはかなりアクロバティック。読書に対して自分の価値観が凝り固まっていたことに気づかされました。この本を読んでからあらためてサリンジャーを読み返すと、とにかくべらぼうに文章がうまいことに気づいたり、ダブルミーニングの多さに気づいたり。本を読む楽しみをもう一度教えてくれる作品でした」

知らないことを知ることが趣味で、月に20冊は本を読むという斉藤さん。勉強の読書と学びの読書は大きく違うそう。

「何かを強いられる勉強と違って、学びはもっと能動的だと思うんです。それこそ10代の頃は日本史にまったく興味がわかなかったのに、不思議なもので30歳の今は、趣味の読書を通してものすごく興味がわいて色々と調べているところ。肩ひじ張らずに好奇心を連鎖させられるのが、大人の学びの楽しみかもしれません」

斉藤壮馬さんの好奇心が連鎖する3冊

『風姿花伝』

『風姿花伝』
世阿弥著 水野聡訳 PHP研究所
世阿弥が約20年の歳月をかけて記した日本最古の能楽論。「虚構空間を舞台上に作り上げる世阿弥が大成した夢幻能は、アニメと親和性があると思います」(斉藤壮馬さん)

『MASTERキートン』

『MASTERキートン』
浦沢直樹著 勝鹿北星、長崎尚志脚本 小学館
考古学者のキートンが、保険調査員として世界中を飛び回る中で出くわす様々なドラマを描く。「大人になって読み返すと、また“読み味”が違って面白いです」

『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』

『謎ときサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか』
竹内康浩、朴舜起著 新潮選書
天才作家J・D・サリンジャーの謎多き文学を読み解く。「優れた文学批評は、それ自体が優れた芸術作品であると再確認させられた上質なミステリー。とても感動しました」

撮影/花村克彦 ヘア&メイク/紀本静香 スタイリスト/本田雄己 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2022年2月号掲載

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