30代になってから、さまざまな気づきがあり、心が変化した。年齢を重ねるたびに美しくあでやかに進化し続ける、中村アンの“輝き”の秘密を探ります。
必死だった20代。積み重ねたたくさんの経験が自分の土台になっている
「30代に突入して、毎日がすごく楽しくなりました。ひと言でいうと、余裕が生まれたのかもしれない」
「20代は自分を確立するためにとにかく必死で。できることはなんでも経験しました。それが今、自分の糧になっているのを実感することがとても多いんです。たとえば、今日の表紙撮影もそう。実はものすごく風が強くって、撮影の裏側はけっこう大変なことになっていたんですよ(笑)。昔の私ならきっと“うわ、どうしよう”とネガティブな気持ちになっていたと思う。でも、今の私はいろんな撮影を経験して“どんな環境でもベストを尽くす方法”を学んでいるので、多少のことでは慌てないというか。風を止めることはできない、じゃあ、どうやって風と戯れようって。すぐに気持ちを切り替えて、楽しむことができたりして」
ガムシャラな時期を経て、しなやかな強さと自信を手に入れた30代。経験を積み重ねるなか、自分とのつきあい方もわかってきた。
今も“できないこと”だらけ。だから人生は楽しい。
充実していて、余裕も感じさせるアンさんの32歳。毎日を楽しく過ごせているのは「まだまだ“できないこと”がたくさんある。それに気づけたのも大きいのかもしれない」と言葉を続ける。
「実は私、29歳くらいのころ、ガムシャラな日々のなか雑誌の表紙を飾ることができたり、いくつもの夢を実現できて……。勝手にすべてをやり尽くしたような気持ちになってしまったことがあるんです。でも、ふと足を止めて世の中を見渡したら、全然そんなことなかった。“やり尽くした”どころか“できないことだらけ”でした(笑)」
できないから楽しい。それは女優の仕事も同じ。「そこに気づけてから、さらに芝居が楽しくなりました」と笑う。そんな彼女が新たに挑むのが、ドラマ「グランメゾン東京」。木村拓哉さんをはじめ、そうそうたる豪華キャストのなかでフリージャーナリスト役を演じる。「経験は未来の自分の糧になる。それがわからなかったころは、新しいことに挑戦するのが怖かったけど、今はそれも楽しめている自分がいる。もちろん、今だって緊張するし怖いですよ。でも、せっかくの学べるチャンス。どんな刺激や経験が待っているのか、不安よりもそっちの好奇心に目を向けていたい。どんなに怖くても不安でも、やると決めたらもう、やるしかないんだから!(笑)
日曜劇場「グランメゾン東京」 10月20日(日)TBS系にて21時スタート。
パリで活躍していた天才シェフ・尾花夏樹(木村拓哉)。しかし、ある事件をきっかけにすべてを失いパリを追われることに。そんな彼が仲間とともに再起をかけた戦いに出る!鈴木京香、尾上菊之助ら豪華キャストに囲まれながら、アンさんは尾花シェフを追いかけるフリージャーナリスト久住栞奈を好演。
笑顔が美しい中村アンさんのインタビュー全文はBAILA11月号に掲載。書店やコンビニで見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
撮影/中村和孝〈まきうらオフィス〉 ヘア&メイク/KUBOKI〈ThreePEACE〉 スタイリスト/加藤かすみ〈TRON〉 取材・原文/石井美輪 構成/中川友紀〈BAILA〉 ※BAILA2019年11月号掲載