音楽好きの編集Kが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。今回は、聴けば目の前に広がる、オーガニックな自然を追体験できるFKJの『イラン・イラン』をピックアップ。旅や移動が難しい今、いつか訪れるその日に思いを馳せて聴いてみては?
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編集K
今年は音楽映画やドキュメンタリー、YouTubeを再生し家フェスを楽しんでいる音楽好き編集K
この男、とにかく器用。7歳のときに初めてサックスを手にしてから、ギター、ベース、ドラム、シンセ、ピアノとすべて独学でマスター。フランスとニュージーランドにルーツを持ち、フレンチ・キウイ・ジュース=FKJと名乗る彼は卓越したスキルとセンスで音楽ファンを魅了し続けている。
本作は彼が約半年間、電気もないフィリピンのジャングルで過ごし、発電機を使って製作された。タイトルの「イラン」というのも、その土地に由来するもので、コンセプチュアルな一枚となっている。未開の地で彼が見た最高に美しい景色、山、ビーチといった自然が凝縮された音楽は、聴く者の眼前にもその美しい光景を広げ追体験を誘う。旅や移動が難しい今こそ、いつか訪れるその日に思いを馳せたり、過去の記憶を反芻しながら聴くには絶好の作品と言える。オーガニックで心地よいメロディがきわだつ仕上がりの一枚は、いつどこで聴いても最高のひと言だ。
『イラン・イラン』
FKJ
¥1500(国内盤)/BEAT RECORDS
2019年にデジタル配信された作品がボーナストラックを追加しタワーレコード限定でCD化。海や緑の自然を感じる心地のよい一枚はコロナ禍の癒しを約束。アナログ盤も同時リリース。
FKJ
フランス人のプロデューサー、シンガーそしてマルチインストゥルメンタリストであるヴィンセント・フェントンによるソロプロジェクト。一人で7つの楽器を操るライブは圧巻!
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2020年10月号掲載
【BAILA 10月号はこちらから!】