漫画を愛するライター・中川 薫がバイラ女子におすすめの漫画をピックアップ! 今回は、7月からのドラマ化が決定した『サレタガワのブルー』をご紹介します。斜め上すぎる展開に心えぐられるホラー系夫婦サスペンスは必見です!
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中川 薫
ライター。親戚からビールが送られてきた、やった!と思ったらなぜかグラスだけだった。がっかり。
©セモトちか/MIXER/集英社
主人公は新婚の夫・暢。在宅ワーカーで家事一切を担当し、毎日愛夫弁当を作る暢は、妻・藍子の深夜残業や休日出勤の不自然な多さから疑惑を持ち、それは確信に至る。離婚と慰謝料獲得に向けて弁護士と行動するうち、その不倫相手は妻子持ちの会社の上司で、相手側の妻もワンオペ育児中の専業主婦であり、横暴夫からの独立を試みている、ということもわかって……というストーリーだ。
“する側”のモラルフリーな数々の言動にがくぜんとさせられるが、それらは取材して得た実話をもとにしていると知って、二度びっくり。本作のキモは、“された側”が離婚を望んだときの証拠のそろえ方や慰謝料といった法律関係の部分が具体的に描かれていることだ。あなたが“された側”になる可能性があれば万が一の対策に、もし“する側”であればリスク対策に有用。さらに勤務先に不倫がバレた場合のリスクや、専業主婦にとっての離婚というハードルの高さも学べる、人生への投資としてはお得な作品になるかも。7月からドラマ化も決定。震えて(?)待とう!
『サレタガワのブルー』
セモトちか著
集英社 1巻~ 990円
在宅デザイナーの暢は、会社勤めの妻・藍子と幸せな日々を送っていた。ある日、妻の不貞を知ってしまい……。7月、犬飼貴丈・堀未央奈主演でMBS/TBSドラマイズムにて放送。
漫画好きならこれも必読!
『レッドリスト 絶滅進化論』
安生正作 村瀬克俊画
集英社 1巻~ 693円
現実世界とリンクする衝撃の“感染”サバイバル
謎の死亡事件が続出する東京。役人・降旗と都築博士は、無策・無責任な政府や上司に翻弄されつつも原因究明に奔走する。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年7月号掲載