昨冬、浜辺美波さん主演で映画化された少年ジャンプの人気作『約束のネバーランド』。
読んでいなくとも、タイトルだけは聞いたことある方が多いのではないでしょうか。こちら「人気あるみたいだし、観てみるか~」となんとなくアニメを観はじめた編集ぴら一家を突如寝不足におとしいれた名作です。アニメを一気見し、既刊コミックを次の日にはすべて購入。食用児農園からの脱獄を目指す子どもたちと農園管理者“ママ”の高度な頭脳戦の虜となり、夜な夜な一家で奪い合いながら読みました。ぜひこの秋マン!を機会に読んでいただきたい!
施設の子どもたちと“ママ”イザベラの生きるか食われるかの頭脳戦
フカフカのベッド、おいしいごはん、優しいママ、大好きな兄弟のみんな。
小さな孤児院で暮らす子どもたちは、院のシスターでママと慕われるイザベラのもとで愛情を注がれ、のびのびと暮らしていました。そんなある日、年長者でみんなをまとめるエマとノーマンは、実はここは孤児院ではなく、孤児院の外の世界の化け物の食用として自分たちを育てている農園だと知ってしまいます。しかし、打ちひしがれている暇はありません。エマたちは自分たちを奮い立たせ、次の“出荷”で兄弟が食べられてしまう前に全員で脱獄することを決意します。ここから、農園の子どもたちと管理者であるママ・イザベラの心理戦が幕を開けるのです。
一瞬のスキも許されない共同生活
GF農園の年長者エマ、ノーマン、レイは毎日おこなわれる試験でフルスコアを叩き出す頭脳明晰な3人。この3人で、脱獄のための計画を練り始めます。一方で、ママからの「孤児院の秘密を知ってしまった子ども」の炙り出しも始まります。じわり、じわりと迫る特定。お互いに、一瞬の表情まで逃さず分析し、頭をフル回転させて敵の策を読み、戦略を練る。こちらも、一瞬の見逃しも許されず、ハラハラドキドキしっぱなしです。
話し合い中にとび出す熱い思いに心動かされる
彼らは何かあるたびに話し合い、戦略を練ります。3人が異なる考えで意見を出し合うことで、計画の精度が高まっていくのが分かるのが面白いところです。彼らを見ていると、目的を共有し、話し合うことの大切さを再確認できます。
時に意見が食い違うこともありますが、その場面でそれぞれのキャラクターの熱いセリフが飛び出すんです!
例えば、全員で脱獄という難しい提案にレイが反対するシーン。希望を絶やさないエマは「変えようよ 世界」と言い切り、ノーマンはレイの「泥舟だ」という言葉を拾って「泥も焼けば器になるでしょー泥舟が必ずしも沈むとは限らないよ」と言葉遊びで応戦しつつ、自分たちを死なせたくはないというレイの気持ちをあおり、協力を引き出します。現実主義なレイに、常に希望を絶やさないエマ、冷静に分析をしつつも人の気持ちをよく考えているノーマン。この魅力的な3人を主軸に自由を手に入れるための戦いが繰り広げられるのです。
心理戦にハラハラし、イザベラ、エマやノーマン、レイに何度も裏をつかれるのがもはや気持ちよく、彼らの健気な姿に勇気づけられる名作です!このあとも、農園システムと世界の真相、ママ・イザベラの切ない過去と子どもたちへの想いなど、次々と明らかになる真実と迫り来る現実に目が離せません。
健気で聡明な子どもたちの戦いを、是非見届けてください!
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試し読みは2021年11月8日(月)~2021年11月21日(日)まで