海外ドラマに詳しいライター・今 祥枝とBAILA編集者・ミツコが、働く女性におすすめのドラマをピックアップ! 今回は、ステファニー・ランドによる同名のベストセラー自叙伝に基づくドラマ「メイドの手帖」をご紹介。胸が熱くなる人間ドラマは必見です!
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編集ミツコ(以下ミ) 「メイドの手帖」は、今年いちばん心に残った作品!
今 幼い娘マディを連れて、パートナーのDV、モラハラから逃げ出し、掃除をするメイドの仕事をしながら人生を立て直そうとする。若いアレックスの孤軍奮闘は、見ているこちらの心が折れそうになるほど……。それでも貧困や負の連鎖からなんとか抜け出そうと、前を向く姿に涙。
ミ とにかくアレックスのまわりには壁・壁・壁が立ちふさがっていて私も最初は見ていてつらくなる部分もあったの。でも根気強く人生に向き合って、自分を見つけ、確立していく姿に最後はとてもすがすがしい気分に! 彼女の支えになる可愛い娘の存在も大きかったですね。
今 母親としての強さと、大好きな文章を書くことで夢を追い、一人の人間として幸せを追求する等身大のアレックスが魅力的。演じるマーガレット・クアリーが素晴らしい!
ミ 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のカルト集団のメンバー役も印象深い彼女が、物静かだけどパワフルなアレックスを丁寧に演じていて、素敵な俳優さんだなと。彼女の困り笑いみたいな表情を何度も見るたびに、切ない気持ちに……。
今 アレックスを振り回す母ポーラもまた、精神疾患のせいでもあるんだけどインパクトがある。演じているのはマーガレットの実母で、往年の映画ファンにはおなじみのアンディ・マクダウェル! 年を重ねての母娘共演、感慨深かったな〜。
ミ DV被害者やシングルマザーに冷たく理不尽な社会や制度の問題を浮き彫りにしつつ、女性の生き方を考えさせられる。何より胸を熱くする人間ドラマが心に響く秀作です!
「メイドの手帖」
ステファニー・ランドによる同名のベストセラー自叙伝に基づくドラマ。幼い娘マディのためにも、パートナーの虐待から逃れて自立して生きようとするアレックス。だが社会の制度は助けにはならず、掃除婦としてわずかな収入で日々をしのごうと奮闘するが、結局は問題のある家族に頼らざるを得なくなり……。新星マーガレット・クアリーと『フォー・ウェディング』のベテラン俳優アンディ・マクダウェル、実の母娘がアレックスとその母ポーラを好演。
Netflixで全10話独占配信中
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2022年1月号掲載 ※配信情報は記事掲載時点のもので、変更になっている場合や、配信が終了している場合があります。