音楽好きのライターが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。世界を魅了したデビュー・アルバムから20年。貴重なデモや幻のセッションなど未発表音源を収録した「ノラ・ジョーンズ」スペシャル・エディションをレビュー。
ナビゲーター
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戸塚真琴
今夏の目標である、「K-POPアイドルの来日公演行くこと」を妄想して日々を過ごしている。
デビューアルバムとして2002年に発売された『ノラ・ジョーンズ(原題:Come Away with Me)』。伝説のアルバムと言っても過言ではない一枚は、リリース後20カ国でチャート1位を獲得したり、グラミーを軒並み受賞したり、約3000万枚ものセールスを誇ったりと逸話に事欠かない。今聴いても色あせることはなく、いつだってノスタルジックな気持ちにさせてくれる同アルバムが、リリース20周年を記念し『スーパー・デラックス・エディション』として発売される。
3枚組になっている作品はどれも必聴なのだが、特に聴いてほしいのがDisc2の11曲ものデモ音源。ノラがブルーノートへ送ったという音源は、当時通っていた高校の音楽室にて弾き語りで録音されたもの。スモーキーで優しい歌声は今と変わらず、でもどこか初々しく、そして当時から驚くほど高い歌唱力であることに圧倒される。あらためて聴いても洒落た気分になる一枚。ノラ・ジョーンズの原点を堪能してほしい。
『ノラ・ジョーンズ』
【スーパー・デラックス・エディション】
¥5500/ユニバーサルミュージック
世界を魅了したデビューアルバムが、最新リマスターや貴重なデモ、幻のセッションなどの未発表音源を収録して発売。ライナーノーツはノラ自身が担当している。
ノラ・ジョーンズ
ジャズ・シンガー・ソングライター。’99年にニューヨークで音楽活動を始め、’02年にアルバムデビュー。以来、多くの世界的ヒットを放っている。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2022年6月号掲載