音楽好きの編集Kが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。今回は、妊娠と出産についての喜びと恐怖をコンセプトにしたという、ホールジー4枚目のオリジナルアルバム『イフ・アイ・キャント・ハヴ・ラヴ、アイ・ウォント・パワー』をピックアップ!
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編集K
先日初めて電気自動車に乗って大興奮した音楽好き編集。今度は車内でグライムスを聴きたい。
ブルーのロングヘアをなびかせ音楽界の“青の時代”到来を知らせたデビューから6年。母となり最愛の子の誕生と時を同じくして妊娠や出産の喜びと恐怖をテーマにした作品がリリースとなった。
“ジャンル・フルイド”の代表として常に垣根を越え、変幻自在な音楽を送り出してきた彼女。本作ではプロデューサーにナイン・インチ・ネイルズのメンバーを召喚。彼女のハスキーな歌声にもぴったりなロック性の高い音楽とのコンビネーションでまた新たな一面を見せてくれている。そして幸せな側面だけがフィーチャーされることの多い妊娠と出産。その裏に隠れがちなネガティブな気持ちを、3度の流産という過酷な経験を経た彼女が吐露することで救われる心がきっとたくさん、存在するであろう。
子どもの誕生を報告するインスタグラムの写真には最後、「愛に支えられて」とのひと言が。愛と力、強き母の奏でる音楽からはその両方が自然とにじみ出している。
『イフ・アイ・キャント・ハヴ・ラヴ、アイ・ウォント・パワー』
ホールジー
¥2750(国内盤)/ユニバーサル
妊娠と出産についての喜びと恐怖をコンセプトにしたという4枚目のオリジナルアルバム。キャリアと家庭、女性の苦悩など、ホールジーが今想うことを書きためた一枚は共感必至。
ホールジー
米出身のシンガーソングライター。デビューアルバム『バッドランズ』が全米2位、客演参加したザ・チェインスモーカーズ「クローサー」で大ブレイクを果たす。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年10月号掲載