音楽好きの編集Kが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。今回は、平井 堅の約5年ぶりのアルバム『あなたになりたかった』をピックアップ! デビュー25周年イヤーの締めくりとして送り出された本作をぜひ聞いてみて。
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編集K
平井さんと同じく三重県出身のため、それだけで親近感を覚えてならない、アラサーの音楽好き編集。
歌がうまいのは周知の事実。だがそれよりもすごみを感じるのが痛いところを突く歌詞の数々。プライドや見え方を気にしてのみ込んでしまっている言葉を、平井堅という人物は包み隠さず素直に歌う。
ヒットに恵まれず背水の陣で挑んだシングル「楽園」で一躍ブレイク。その後は自身が大ファンであるサザンオールスターズのように、ジャンルの垣根を超え、幅広い音楽性でヒットを量産。そして25周年イヤーの締めくくりとして送り出されたのがこのアルバムだ。
ここ数年でリリースされた粒ぞろいの8曲を含み、さらに彩り豊かに新曲を加え絶世の名タイトル「あなたになりたかった」と名付けた平井氏。30代にもなるとそれなりに経験値を積む。その中で我慢した感情、消化しきれていない気持ちを代弁し、ひもといてくれるのが名詩人、平井堅というアーティストである。癒しであり、問いかけでもある本作はぜひ聞くだけでなくじっくりと読んでほしい。
『あなたになりたかった』
平井 堅
¥3300(国内盤)/ソニーミュージック
デビュー25周年を締めくくる、5年ぶりのアルバム。ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)やSeihoも本作に参加しバラードからアップテンポなナンバーまで、幅の広さを見せる。
平井 堅
三重県名張市出身。’95年にデビュー。自身8枚目のシングル「楽園」が話題を呼び、その後もR&B、ポップ、ロック、ハウス、とジャンルレスな音楽性で数々のヒット作を生み出す。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年6月号掲載