音楽好きの編集Kが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。今回は、ラナ・デル・レイの7作目となるアルバム『ケムトレイルズ・オーヴァー・ザ・カントリー・クラブ』をピックアップ!
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編集K
最近の自宅BGMはもっぱらアップルミュージックのプレイリスト「フィールズ」な音楽好き編集。
ぐっとはね上げたアイラインにグラマラスなヘアがトレードマークのラナ・デル・レイ。自身7作目のアルバムがこの3月に発売される。モノクロのジャケットに写るのは笑顔をたたえた女性たちと子どもたち。優雅な昼下がりのワンシーンを彷彿とさせる。
「ギャングスタイルのナンシー・シナトラ」と自身で語るように、古きよき時代のアメリカに憧憬を抱き、メランコリックな独自の世界観を築いてきたラナ。が、彼女もトランプ政権という混乱を身をもって体験し、アメリカを声高に掲げることをやめたと言う。そして前作から1年半、国のトップも代わり、リリースとなったのが本作だ。
注目したいのは彼女の中での“アメリカ”、そして今までか弱く、わきまえた女として描かれていた“女性像”の変化の有無だ。ジャケット写真が写す優雅なひととき、彼女たちが笑顔の裏で何を思い何を感じているのか。考えを巡らせながら聴いてみたい。
『ケムトレイルズ・オーヴァー・ザ・カントリークラブ』
ラナ・デル・レイ
¥2750(国内盤)/ユニバーサル
’50~’60年代のアメリカ音楽を取り入れた“孤高のシンガー”による最新アルバム。前作に引き続きジャック・アントノフも参加し、本人も大のお気に入りという期待作。3/19発売
ラナ・デル・レイ
ニューヨーク出身、35歳のシンガーソングライター。名門フォーダム大学にて哲学を専攻し、2011年にレコード会社と契約。カート・コバーンに多大なる影響を受けている。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年4月号掲載
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