音楽好きの編集Kが、バイラ読者におすすめの音楽をご紹介。今回は、英国発の大型新人セレステの『ノット・ユア・ミューズ』をフィーチャー。セレステのつくり出すハイアベレージな音楽に注目して!
ナビゲーター
編集K
最近のおうち定番は聴くだけで楽しくなる、ジャズピアニスト、ファッツ・ウォーラーのアルバム。
アデルのようで、ビリー・アイリッシュのようで、でも誰とも違う。聴けばただひと言、真っ先に「うまい!」と思わずうなる。それがセレステのつくり出す音楽だ。
16歳のときに、亡き父に捧げた「サイレンズ」をYou Tubeに掲載。この楽曲をマネージャーが見つけ、彼女のキャリアがスタートする。過去にアデルやサム・スミスらそうそうたるアーティストが受賞してきたBBC主催のアワードでも1位に輝き、また受賞すると必ず売れるといわれているブリット・アワーズの“批評家賞”も獲得。すでにヒットが確約された、2021年の顔ともいえる存在である。
ハスキーでソウルフル。でもどこかに憂いを感じるボーカルは力強いのに繊細という真逆の印象を与え、楽曲はバラードからアップテンポなナンバーまでバリエーションに富む。聴けばじんわりと炎が燃えるような、温度を感じる本作は聴き飽きることのないエターナルな輝きを放つ傑作だ。
『ノット・ユア・ミューズ』
セレステ
¥2500(国内盤)/ユニバーサル
ビリー・アイリッシュが歌詞と楽曲の美しさを絶賛した「ストレンジ」をはじめ、新人とは思えない完成度の高い楽曲とソウルフルな歌声が堪能できる2021年ヒット確実の一枚。
セレステ
’94年生まれのイギリス人シンガーソングライター。ブリティッシュソウルとR&Bをミックスさせたジャズテイストな楽曲、憂いのあるハスキーでエレガントなボーカルが持ち味。
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年3月号掲載
【BAILA 3月号はこちらから!】