間近に迫った東京五輪。3大会ぶりの出場となる男子バレーで、新たに注目を集めるのが髙橋藍選手。昨年最年少で代表入りを果たした、ゴールデンルーキーに独占インタビューを敢行!
髙橋 藍 (Ran Takahashi)
日本代表期待のホープ!
©長田洋平/アフロスポーツ
アウトサイドヒッター
髙橋 藍
日本体育大学2年
2001/09/02 188㎝ 72㎏
たかはし らん●京都府出身。小学2年生のときにバレーを始める。主将として出場した春高では、圧巻の存在感で大会を席巻。チームを初の全国制覇へと導き、最優秀選手賞にも輝いた。高校在学中に日本代表初選出。攻撃力、守備力ともに兼ね備えた新世代のオールラウンダー。
春高のヒーローが五輪の舞台で躍動!
今年19歳の春を迎えた髙橋藍選手は、キラキラ輝く瞳と、しっかりした受け答えが印象的な好青年。男性では比較的珍しい藍という名前は、「海外でも通用するように」という願いを込めてつけられたものだという。 そんな髙橋選手がバレーを始めたのは兄の影響だった。
「ある日録画したドラマにたまたま延長したバレーの試合が入っていて。それを見た兄が最初にバレーを始めたんです。ただ“兄がやっているから”という理由で始めたので、兄が小学校を卒業して一人になってしまったときには、何のためにやっているのかわからず、やめたいと思ったときもありました」
悩んだ末、自分の意志で続けることを決めてからは、バレーへの向き合い方が変わり、周りの環境に恵まれたこともあってどんどん力をつけていった。そして高校3年時には春高バレーで初優勝を達成。
「決勝戦で優勝を決めた最後のスパイクは、3年間の思いをのせた思い出深い一打になりました」
そのわずか1カ月後には日本代表に初選出。当初は不安もあったというが、代表ではすでに攻守ともに存在感を発揮している。
「選手としては小さいほうなので、その分レシーブや、レシーブからの流れるようなスパイクといった器用なプレーが持ち味です」
中学時にリベロで鍛えたレシーブ力は、監督や他の選手からも折り紙つき。攻撃への流れを封じるためにサーブはエースを狙うことが多いが、攻撃までのスピードが速い髙橋選手にとってはむしろレシーブをしてからのほうがリズムをとりやすいという。さらに「前に飛んでコートを見下ろせる感じが気持ちいいので、実は前で打つよりも好きかもしれない」と語るように、相手コートに突き刺さる鋭いバックアタックにも自信をもつ。夢の大舞台は目前。今の気持ちは?
「海外選手との対戦は高校時に一度経験した程度で、自分が通用するかわからない不安はあります。でも、代表に選ばれた以上、実力を出し切って頑張りたいです」
19歳という若さにして母国で迎えるオリンピック。日本のホープが世界にその名をとどろかせる日は、もうすぐそこまで近づいている。
©長田洋平/アフロスポーツ
もっと知りたい! Q&A
Q 座右の銘は?
A.「勇気と信念が世界を変える」。ドラマ「プリズン・ブレイク」の言葉で、自分の人生やバレーへの思いと重なる気がして
Q ファンから何て呼ばれたい?
A. 名字ではなく、下の名前で呼んでほしい!
Q 試合前に聴くBGMは?
A. Aviciiの「Wake Me Up」!(即答)
Q これがあるとご機嫌になるものは?
A. ミルクティー。カフェでもつい頼みがち
Q スキンケアのこだわりは?
A. 朝は軽めのハトムギ化粧水、夜はしっかりした化粧水と美容クリームで保湿
Q 試合の必需品は?
A. おばあちゃんにもらった京都の神社のお守り。いつも肌身離さずつけています
Q 自分だけが知ってる京都のお気に入りの場所は?
A. 家の近くの天皇陵がある山。トレーニングがてら登るんですが、景色がきれいで京都が一望できるおすすめスポット
Q 好きな京都グルメは?
A. 八つ橋が定番ですが、実はその切れ端部分って安く売ってるんです。地元の人しか知らない穴場グルメ。よく食べてました!
撮影/つぼいひろこ 取材・原文/轟木愛美 構成/斉藤壮一郎〈BAILA〉 日本代表写真:JVA2021-01-003 ※BAILA2021年6月号掲載