プロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さんとの結婚を機にニューヨークで暮らし始めた久慈暁子さんが綴る新生活日記。
英語を話す機会を増やすためESLへ通い始めた久慈さん。様々な国の方たちの積極性や文化の違いに驚きの連続だとか!
英語を話す機会を増やすためESLへ!
ESLを皆さんはご存じでしょうか。
English as a Second Languageの略で、英語を母国語としていない人のための英語のクラスのことです。アメリカで生活していても、家族や友達が日本人だと最低限の英語だけでも生活することもできてしまうため、無理にでも英語を話す機会を作りたい!と思い、ESLのクラスを探しはじめました。
私が見つけたのは大学のESL、語学学校、ニューヨーク公共図書館のESLです。まずは短期で学べる気軽なニューヨーク公共図書館のESLに通ってみることにしました。
ニューヨーク公共図書館といえばブライアントパークに隣接していて、『スパイダーマン』『ゴシップガール』などのロケ地としても有名な本館を思い浮かべる方も多いかもしれません。
実はニューヨーク市内には、約90もの分館があるんです。
さすが移民の国! ニューヨーク公共図書館のESLはなんと無料
ニューヨーク公共図書館のESLは春・夏・秋・冬の4タームごとに分かれていて、私が参加したのは冬のターム。週2回2時間の授業が行われ、なんと費用は無料。さすが移民の国! 経済的自立のために英語習得が不可欠なので無料で積極的に学んでもらおうということなのですね。
授業を受けるためには説明会に参加し、テストを受ける必要があるため、公式HPに載っている日時を確認して図書館へ向かいました。ニューヨークの地下鉄を利用するとき路線を間違えることがよくあるため、早めに出発し30分前に到着しました。待機順番カードをもらい待っているとあっという間に60人ほど集まってきました。
説明後15分ほどのクラス分けテストを受けました。あとでわかったことですが、このテストでレベルに合わせてニューヨーク中の好きな図書館と時間を選べるようで、待機順番カードで早かった私は希望のロウアーマンハッタンの図書館と時間を選ぶことができました。
私のクラスは16人ほど。女性が多く、18歳から40歳代までと幅広い年齢層です。ロシア人・ウクライナ人・中国人が多く、先生はジャマイカ人。
テキストが配られ、文法の確認や文章を読み解く座学と
グループワークやディスカッションをします。
クラスメイトの積極的な授業態度に衝撃!
私のクラスは中級レベルのテキストを使い、授業はEnglish Only。先生の質問に答えたり、写真の描写をしたり基本的に会話形式です。
衝撃を受けたのは皆さんの授業に対する態度です。
同じクラスの人たちは、悩みながらも積極的に自分の意見を発表します。声を出すのが先で、考えながら話していきます。そして間違っていたらお互いに指摘し合います。日本人は間違いを恐れて、考えをまとめてから話そうとするのでなかなか積極的に発言できません。
会話上達の近道はDon’t be afraid of making mistakes.(間違いを恐れるな)と言いますが、本当にそのとおり! 回を重ねるうちに私も間違いながらも自分の意見を話すことができるようになってきました。
喉の痛みの予防法は…!? 文化の違いが興味深い
授業の中で特に興味深いのはディスカッションです。「喉の痛みを予防するために何をしますか?」というお題のとき、中国人は「ストロベリージャムを食べる」と言い、ウクライナ人は「マウンテンアッシュ(ナナカマド)を食べる」と言いました。文化の違いに驚きと同時に感心することばかりです。
The Melting Pot that is NYC.(ニューヨークは人種のるつぼ)と言われますが、ESLの授業を受けるたびに、様々なバックグラウンドを持つ人々の夢や希望、そしてエネルギーに触れることができます。
授業終了後の爽やかな疲労感に包まれて飲む甘いホットチョコレートの味は格別です!
1994年7月13日生まれ。岩手県出身。
ノンノモデル、フジテレビアナウンサーとして活躍後、フリーアナウンサーに。2022年プロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さんと結婚。現在は夫が所属するチームの本拠地ニューヨークで生活。趣味は映画・DVD鑑賞。特技は水泳。
写真提供/久慈暁子
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