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韓国で25万部のベストセラー小説『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』をレビュー【バイラ世代におすすめの本】

書評家・ライターの江南亜美子が、バイラ世代におすすめの最新本をピックアップ! 今回は、いま読みたい2作、ファン・ボルムの『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』と、小川哲の『君が手にするはずだった黄金について』をレビュー!

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江南亜美子

江南亜美子


文学の力を信じている書評家・大学教員。新人発掘にも積極的。共著に『世界の8大文学賞』など。

「幸福ではなく幸福感を求めて生きよう」心温まる書店の物語

『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』   ファン・ボルム著  牧野美加訳 集英社 2640円

仕事をやめたヨンジュはソウル市内でカフェ併設の小さな書店を営み始める。新米店主として青い顔で店にいる彼女を遠巻きに見ていた周囲の人も徐々に仲よしに。愚痴を言ったり聞いたり、助言したりと関係ができていく。

物語は普通の人々の時間を丹念に描く。競争社会から脱落し、世代間ギャップに悩み、金の工面に疲れても、心が安らぐ場所がひとつあれば……。ヨンジュは読書会を開き、地域のコミュニティにゆるやかなつながりをもたらすのだ。「なんとなく、ここに何かある気がしたんです。人々を引き寄せる何かが」

苦い過去を持つヨンジュが本を通じて回復していく姿が感動を呼ぶ小説だ。

『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』

ファン・ボルム著 
牧野美加訳 集英社 2640円


ヒュナム洞書店には訳ありの人々が集う。就活失敗組のミンジュン、夫に失望するジミ、ネットで炎上した作家のスンウ。苛烈な競争社会でほっとひと息つける場所はどこ? 韓国で25万部のベストセラー小説。

これも気になる!

『君が手にするはずだった黄金について』 小川哲著  新潮社 1760円

『君が手にするはずだった黄金について
小川哲著 
新潮社 1760円

認められたくて必死だったあいつを、お前は笑えるの?
情報商材で儲ける投資家や怪しい占い師など、自分を取り巻く人々に小説家の「僕」は頭脳戦を持ち込む……。承認欲求をめぐる、虚実が溶け合う連作短編集。

イラスト/chii yasui ※BAILA2024年1月号掲載

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