前作『SEVENTEENTH HEAVEN』で初動販売量500万枚を超え、過去作も合わせ2023年、累計1600万枚の記録を打ち立てたSEVENTEEN。9年の集大成となるベストアルバム『17 IS RIGHT HERE』でカムバックした彼らの、ワールドカンファレンスの模様をお伝えします。
この日のスタイリングは黒のセットアップでクールな装い。写真右から、DK、JOSHUA、WOOZI、SEUNGKWAN、JEONGHAN、MINGYU、S.COUPS、VERNON、WONWOO、THE 8、DINO、JUN、HOSHI Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
壮大なサウンドと指揮棒を取り入れたダンスが印象的なタイトルチューン「MAESTRO」を引っ提げ、発売一週間でトリプルミリオン目前となったベストアルバム『17 IS RIGHT HERE』でカムバックしたSEVENTEEN。4/27、28にはソウルワールドカップ競技場でアンコールツアー「SEVENTEEN TOUR ‘FOLLOW’ AGAIN TO SEOUL」を開催。ケガで休養していたS.COUPS、JEONGHANもそろい、久々の13人完全体での公演となった。その熱気も冷めやらぬまま、翌日に行われたベストアルバムのワールドカンファレンスは、まさに今のSEVENTEENを表すような勢いと彼ららしい温かさが感じられる会見だった。
今の想いや覚悟、これからの新たな始まりを伝えるベストアルバム
一人ずつ登場しそれぞれのソロ撮影の後、13人での団体撮影から始まったカンファレンス。シグネチャーポーズを求められ、一瞬の“緊急会議”が開かれた後、息の合ったサムズアップをしたり、「アルバムを象徴するポーズを」のリクエストには、阿吽の呼吸でそろいのマエストロポーズを披露したりする場面も。
S.COUPS Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
JEONGHAN Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
6カ月ぶりとなるアルバムをローンチする気持ちについて、「いつもアルバムを発表する時はドキドキしてときめきます。待っていてくださったCARAT(SEVENTEENのファンダム名)の皆さんに、このアルバムを通して幸せを感じてほしいです」と、統括リーダーらしいS.COUPSのコメントを皮切りに、「デビューからのすべてを入れ込みました。これまでを振り返り、これからの新たな始まりを伝える意味もあります」(MINGYU)、「ベストなクオリティにすることはもちろん、今までをコレクションするだけではなく今の僕たちの想いや覚悟、CARATの皆さんと成し遂げたいビジョンや未来を込めました」(JEONGHAN)と、それぞれが想いを語った。
また、リードトラック「MAESTRO」には、「デビュー曲の『Adore U』や『Super』など、過去のアルバムのタイトル曲から7曲のソースを少しずつ入れて構築しています」(WOOZI)といったファンに嬉しいしかけがあることや、「HIP HOP TEAMの新曲『LALALAI』は軽快で楽しい仕上がりです」(VERNON)など、アルバムの見どころも添えられた。ユニット別の新曲はアンコールツアーで初披露され、「CARATの皆さんの熱い反応を直に感じられ、とても嬉しかったです」(JUN)と、メンバー、ファン共に期待の高い楽曲だ。
JOSHUA Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
MINGYU Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
仕事をしているのに親しい友達といるような関係。13人で歩んできた、SEVENTEENのチームワークの秘訣
チームワークの秘訣を聞かれると、それまでの質疑にはそれぞれが順番に答えていたのに対し、ツッコミが入ったり代わる代わる答えたりと、わちゃわちゃとした彼ららしいやり取りが。仲のよさがうかがえる、微笑ましい姿が浮かび上がった。
WONWOO Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
「チームワークを保つ、新しい秘訣あるよね?」と言うWONWOOの問いかけに、「1カ月に一回は定期会という食事会をしています。会話が重要だと思っていて。というのも、以前は会話が足りなかった時期があり、なかなかコミュニケーションが取れなくて大変だったこともあったんです。でも、きちんとコミュニケーションを取ることでチームワークもより強くなったし、話を聞くことで『こんなふうに成長したんだ』とメンバーを理解する力も増えました」と答えるS.COUPS。
また、お互いの仲については「運命的だと思います、このメンバーに出会えたことも。こんなに個性の違う13人だから仲が悪くなった可能性だってあるのに、こんなにも仲よくいられるなんて。一生の友達に出会ったと思います」(HOSHI)、「いい会話だけではなく、お互いの不満を話したり……そんな記憶もあります。今ではすべて笑い話ですが、それが僕たちの仲を深くつなげてくれ、誰にも破られることのできない関係になりました。最近でもケンカはするし、10年前のことで揉めている時もあるんですけどね(笑)」(SEUNGKWAN)、「小さい時から一緒に生活していたからか、27歳になったけど、一緒にいると今でも高校生の時のような気持ちになれます」(HOSHI)。
HOSHI Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
SEUNGKWAN Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
DINO Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
そして、「仕事をしているはずなのに親しい友達といる、みたいな関係。それがチームワークの秘訣だと思います」(S.COUPS)、「メンバーたちに“ありがとう”と思いますね」(HOSHI)と、その言葉を体現するようなやり取りが交わされ、温かいチームワークのよさが伝わってきた。
夏は日本でスタジアム公演、秋には欧米を含むワールドツアーの開催も
スタジアムアーティストとして進化と成長を遂げたSEVENTEEN。5月に控えた日本でのスタジアムツアーや、その先の活動についての言及も。
WOOZI Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
THE 8 Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
「仁川とソウルでもらったエネルギーを持って、5月には日本でスタジアムツアーをします。7万人規模の大型スタジアムは夢の舞台です」とTHE 8が発音の難しい日本のスタジアム名を一生懸命読み上げる姿に、メンバーみんなが優しく見守り微笑む姿も。
JUN Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
DK Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
VERNON Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
さらには、今年は他にアルバムがもう一つローンチされ、秋からは欧米を含むワールドツアーを行うことも発表された。「アメリカ公演も2年ぶりですし、全世界のCARATの皆さんに会いに行きたいです」(JOSHUA)、「今年はデビューして以来、初めての大規模フェスにも参加します。CARATの皆さんに喜んでいただけるよう、毎瞬間一つひとつ最善を尽くすので期待していてください」(WONWOO)。
Photo:(P)&(C) PLEDIS Entertainment
会見の最後には「“SEVENTEENにとってCARATとは?”と聞かれたら、本当に欠かせない存在…僕たちの存在意義そのものです」(DINO)、「CARATの皆さんが本当に力になっていますし、皆さんのパワーもアップするように僕たちが指揮していきます」(DK)と新曲にちなんだ一言を混ぜつつCARATへの想いと、いつも支えてくれるスタッフへの感謝を述べたSEVENTEEN。併せて「月曜にお越しくださり本当にありがとうございます。これからも見守ってください」と記者団を自然に気づかう姿も。
9年の活動の中でベストシーンは?との質問に、「2023年のMAMA AWARDSで大賞を受賞したのがベストシーンです。2019年頃、僕たちは歌手生活が終わるまでの間に大賞を受賞する日があるのだろうかと話し合いました。思えばその頃は、いちばん大変な時期でした」(S.COUPS)と語っていたが、そこから大きな飛躍を遂げ、名実ともにトップアーティストになっても根底に流れる変わらない誠実さが、彼らが多くの人に愛される所以なのだと感じられた。
SEVENTEEN BEST ALBUM『17 IS RIGHT HERE』
取材・文/渡辺敦子