映画『夏の砂の上』出演 #髙石あかり さんインタビュー「22歳の現在地」

今秋のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロインに抜擢され、今最も熱い注目を集める俳優の髙石あかりさん。オダギリジョーさんと共演した映画『夏の砂の上』での学びや、日々のセルフケアについて語ってくれました。

「誰もが共演を夢見る方々とご一緒できることに、心の底からワクワクしました。自分でも不思議なくらい、緊張しなかったんです（笑）」

錚々たる名優が集結した映画『夏の砂の上』で髙石あかりさんが演じるのは、阿佐子（満島ひかり）の娘・優子。息子を亡くした喪失感から抜け出せず、妻（松たか子）に見限られた小浦治（オダギリジョー）と共同生活を送る姪という役どころだ。

「現場は年齢もキャリアも上の方ばかりで、ダメ出しされるのを覚悟していたのですが、一切なかったです。撮影後にみんなで食事をしているときも、誰も撮影やお芝居について話さない。全員がお互いの仕事を尊敬し、尊重し合っているのを感じられて、そのおかげでリラックスして臨めました。実は私、オーディションのときから、優子の人物像を理解できずにいて。答えが見つからぬままロケ地の長崎に入ったら、自然と優子になじんでいったんです。それまでは、演じる役の言葉や反応を鎖のように感じながら演じていたのですが、今作は役と自分の境界がまったくなかった。自分のままで演じることを初めて体験し、あらゆる価値観が変わりました。これ以降に撮った作品には、確実に影響していると思います」

秋には、ヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」がスタート。多忙を極める髙石さんのセルフケア方法は？

「日々の癒しは“食”。健康のためにバランスを重視して、できる限り自炊しています。体に気をつかうことで、潤いを感じられるんです。エネルギーをチャージしたいときは、少し遠出して緑が豊かな場所へ。宮崎の山奥で育ったからか、自然が大好きなんです。以前、『初志貫徹という言葉が似合うね』と言っていただき、すごく素敵な言葉だな、と思いました。目標に向かって頑張り続けるためにも、心と体を大切にすることを心がけています」

映画『夏の砂の上』
出演／オダギリジョー、髙石あかり、松たか子ほか
監督・脚本／玉田真也
7月4日（金）全国公開
息子を亡くし人生の時間が止まったように暮らす小浦治（オダギリジョー）、そんな夫に静かな怒りを秘める妻の恵子（松たか子）、父親の愛を知らずに育った姪の優子（髙石あかり）。それぞれが心の痛みと向き合いながら、小さな希望の芽を見つけていく様子を描く。

ドレス￥137500／seya.　イヤリング￥18700（SAFON）・ネックレス￥1500（YArKA）・ブレスレット￥18700（four seven nine）・リング￥39600（O-KI）／ロードス

撮影／nae.　ヘア＆メイク／住本 彩　スタイリスト／金田健志　取材・原文／中西彩乃　※BAILA2025年８・9月合併号掲載