【美容家・神崎恵さんの「30代、これやるといいよ」】スキンケアからストレス軽減、仕事のお悩みまで神崎さんがアドバイス！

生活にも肌にも様々な変化が起きるバイラ世代は、迷ったり、悩んだり、立ち止まってしまうことも多いはず。美容家、神崎恵さんの人生をプレイバックしながら、人生のセンパイとしてアドバイスをいただきます。

決して順風満帆ではなかったという、神崎恵さんの美容家としての道。様々な壁を乗り越え、第一線で活躍するまでの軌跡をプレイバック！

2000~2005【20代後半】

結婚、出産を経て“自立”するために模索
16歳で芸能界デビューをするが、23歳で結婚を機に引退。アスリートの夫を支えるため、専業主婦に。二人の男児の母になり、29歳でシングルマザーになる決心をする。「結婚してからずっと働いていない、お金を生み出していない自分にどこか引け目を感じていました。自分の力だけでも子どもを育てていけるよう、宅建やブライダル関係の資格も取ろうと勉強をスタート」（神崎さん・以下同）

2006~2010【30代前半】

“美容を仕事に”と決意。キャリアを積むことに必死

美容関連のスクールに通い、様々な資格を取得。母の助言もあり、30歳で子育てとの両立もできる自宅でのアイラッシュ＆アイブロウサロンをオープン。そして34歳で離婚が成立。「ある日、息子から“ママの夢は何？”と聞かれ、大人になっても夢を持っていいんだと気づかされたんです。“私”として、ちゃんと生きられていると思える仕事がしたいと、美容家になる決意をしました」

2011~2014【30代後半】

著書がヒットし、美容誌で連載がスタート
セミナーなどを開催し、徐々に名前が売れていく。書籍発売の声もかかり、3冊目の著書『読むだけで思わず二度見される 美人になれる』（KADOKAWA）はユニークな表現の美容本として話題に。「この本を発売して少したった頃、『MAQUIA』（集英社）をはじめ、美容誌で連載のお話をいただくように。30代は本当にがむしゃらに、必死に美容の仕事をして駆け抜けた時期。すぐ何者かになろうとして小手先で何かするのではなく、しっかり踏ん張って耕しました。バイラ読者の皆さんも30代で焦りすぎずに、決めた道を“オタク”になって追究していく気持ちで、結果を急がず進んでいってほしいですね」

2015~2019【40代前半】

腹を決めて“美容家”と名乗るように
美容家として本格的に花咲きだしたのはこの頃からだったそう。「当時“美容家”という肩書を持つのはレジェンドの方ばかりで。肩を並べるのは恐れ多いし、ライフスタイルも提案していきたいなと、最初は“ビューティーブラッシュアップコンサルタント”と名乗っていました。40歳を機に、ここでやっていくぞとあらためて腹を決め、“美容家”と名乗るように。美容誌だけでなくファッション誌からも声をかけてもらえるようになったりして、やっと、30代でやってきたことが実になってきた時期」

2020~2024【40代後半】

次世代へ広めていくために美容をもっと身近に
神崎美容塾の塾長として後進の育成にも尽力。さらにYouTubeやTikTok、Podcastsなどのコンテンツを自ら作り、新たな美容発信をスタート。「私は基本、10年単位で物事を考えています。種をまき、ちょっとずつ耕し、花を咲かせたいというスタンスで。YouTubeを始めたのも、小学生などの若い世代に美容を伝えたいから。美容の力を次世代にまで広めていきたいです」

2025~【これから】

現状維持のために新たなチャレンジを忘れない
今後の目標は「現状維持をすること」と断言する神崎さん。その心は……？　「現状維持といっても、何もしないことではないんです。時代の流れは早いので、そこにフィットしていくためには、体力や気力、知識は必要。だからトレーニングや勉強はしなきゃいけないんですよね。そしてフットワーク軽く、新しいことにはどんどんチャレンジしてみる。それが私にとっての現状維持なんですよ」

ガクッと急激な衰えを感じているわけではないけれど、20代とは明らかに違う肌の変化とどう向き合う？　今から取り入れるべきエイジングケアをナビ。

30代からはしっかり頭を使ってスキンケアコスメを組み立ててほしい

保湿や角質ケア、日焼け止めなど基本的なスキンケアを続けることは、30代も20代と同じく大事。正しい知識を持っていれば、基本的なスキンケアを続けるだけでも美しさを育むことはできます。

でも30代はもっと賢くスキンケアを組み立てていく必要が。自分はどんな肌になりたいのか、そのためには何が足りないのか。そして、自分の推しどころ、守りどころは何なのか。情報があふれ、選択肢もいっぱいある時代だからこそ、そこを理解し、取捨選択していく力を磨くべき。

そのために、必要となってくるのがデータ。自分の肌状態への知識はもちろん、スキンケアとの相性。どんなテクスチャーが好きなのか。使うスキンケアにはどんな成分が入っていて、どんなテクノロジーが使われているのか。自分の肌でどんな変化が起きるのか……。これらを把握することで、お金のかけどころも理解できるし、自分が何を選ぶべきか、どう組み立てていけばいいのかもおのずと見えてくると思いますよ

自分の肌を知る

「自分の肌の特性やウィークポイントを知るためにも、DNA検査やアレルギー検査を取り入れるのがおすすめ。自分に何が必要で何が不要かが見えてくれば、肌悩みの根本解決につながるし、お手入れも無駄なく最短ルートに。初期投資はかかりますが、結果コスパはいいんです」

資生堂のDNA検査＆カウンセリングサービス

アレルギー検査はここで

お金のかけどころを見極める

「消え物だからと、高価なものは買うのに抵抗がある方も多いはず。すべて高価なものをそろえる必要はありませんが肌を変えたいと思っているなら、肌を育む美容液と多機能クリームに投資を。価格の理由を理解して納得して使うと、より効果を感じられるはず」

バズったコスメに流されないセンスを育てる

「バズっているものって、実は声が大きいだけという場合も。本当に良質なものか、自分の肌に合うのかは、ある程度使ってみないと判断はできません。だからこそ、流されない知識を持ち、コスメを見極める“センス”を育てて」

心の余裕に合わせて選択肢を持っておく

「スキンケアの最低限のラインはあるけど、毎日完璧にする必要はありません。忙しくて気力がなかったり心に余裕がないときは、時短アイテムに頼るのも手。たとえばフォームタイプの洗顔で、即座に弾力泡を作れるだけでもラクになるはずですよ」

賢くテクスチャーを選ぶ

「クリームが重い、日焼け止めがベタつくと敬遠している方、まずそのイメージを取っ払ってほしい。自分の固定観念にしばられて、手放してしまうのはもったいない。今はテクスチャーも選べる時代なので、頼もしく保湿し、守るコスメは取り入れて」

初めて触るコスメはここをCHECK！

・テクスチャー
・香り
・心地よさ
・テクノロジー
・成分の質 etc.…

「気持ちよさ、好きか嫌いかという“感覚”と、テクノロジーやサイエンス、成分の質、製産背景という“頭”の両軸で判断していくと、コスメ選びのセンスが身につきます」

タンクトップ￥9900／フィルム（ダブルスタンダードクロージング）

【導入ケア】

「肌リズムや保湿の受け入れ態勢を整えるプレ美容液」

【リップケア】

「30代は唇も曲がり角！リップセラムでエイジングケアを」

【頭皮ケア】

「白髪やヘアロス予防だけじゃない。たるみケアにも一手！」

【目もとケア】

「アイケアこそ先手必勝！全方位的アプローチで濁りのない瞳を目指す」

目

目もと

トップス￥55000／デ・プレ

“日本一忙しい美容家”の異名を持ちながらも、いつでもご機嫌な神崎さん。ある一日のスケジュールをもとに、ストレスマネジメント法をひもとく。

「ストレスケアというと、香りものだったり、環境を整える何かだったりと“与える”ほうに目を向けがちですが、まずするべきは、ストレスの種になることをいかに“そぐ”か。少しでも不快に感じたら、ファッションも美容も、人間関係も環境も距離をとっていいんです。

だから私の一日のスケジュールって、けっこうシンプル。それこそ決まった時間に稼働して、戻っていくルンバみたいと言われたこともあるぐらい（笑）。

それでも3人の息子には、それぞれの帰宅時間に合わせて食事を準備。作り置きにすることもできるけれど、できたてを美味しそうに食べる姿を見たら、それが私にとって幸せにつながる。

ストレスになること・ならないことは人それぞれ違う。毎回自分の中でてんびんにかけてみると、取捨選択もしやすくなりますよ」

5:00
起床
スキンケア朝ごはん
三男朝ごはん→身支度

8:00
三男を送りに行き、一度帰ってきて自分の身支度

9:00
家を出て撮影へ

16:00
撮影終了後、三男のお迎えとスーパーへ買い物に。
帰って夕食を作り、三男に食べさせてお風呂に入れる

20:30
次男帰宅。
ごはんを食べさせる間で原稿チェックなどの仕事を

22:00
長男帰宅。ごはんを食べさせる。
部屋の片づけ

23:00
お風呂
仕事

24:00〜25:00
就寝

ストライプシャツ￥39600・ショートパンツ￥36300／ハルミ ショールーム（ヴェニット）　メガネ￥49500／モスコット トウキョウ（モスコット）　ピアス￥60500／フォーティーン ショールーム（モニス）

自分自身の生き方や将来へ不安を感じる“クォーターライフクライシス”真っただ中のバイラ世代。理想と現実のギャップに悩んだときは、まずゴールを決めてみよう。

私はよく自分自身に“どんな肌になりたい？”ってインタビューをするんです。そうすれば、理想を実現するための具体的なステップを逆算し、計画を立てられるから。それは、キャリアや人生においても同じこと。漠然とした不安や迷いを感じるのであれば、まずは自分の＂こうありたい＂を突き詰めてほしい。そうすれば、現状の課題が見えてくるし、効率的に動きやすくもなる。失敗するのが怖くて、行動できないこともあるかもしれません。でも、失敗を失敗と思わず、すべては通過点と思えば、フットワーク軽く前に進めるはず！

ジャケット￥61600・パンツ￥42900／エスストア（SEA）　ボディスーツ￥14300／TW　バッグ￥182600／ピエール アルディ 東京（ピエール アルディ）　カチューシャ￥31900／エスケーパーズ アナザーワールド（ソフィー ブハイ）　パールネックレス￥16500／ラベルエチュード　パンプス￥125400／クリスチャン ルブタン ジャパン（クリスチャン ルブタン）

自分の“好き”を可視化するのも理想へと近づく一歩。神崎さんは、どんなものに心ときめかせる？

写真／Getty Images、Aflo

A.たくさんいます！
「『SATC』キャリーの破天荒ファッションは、今でも色あせず好き♡　オルセン姉妹が手がけるTHE ROWのファンなので、彼女たちももちろんチェック。アルゼンチン出身のモデル、ミカ・アルガナラズのヘアはいつかやってみたいなぁとひそかに憧れ。毎シーズンチェックしているクロエは、クリエイティブ・ディレクターのシェミナ・カマリのスタイルも魅力的。島田順子さんは生き方がかっこいい！　韓国の俳優やアーティストもチェックしていて、G-DRAGONのファッションを自由に楽しむマインドはヒントになるし、チョン・ドヨンのきれい・可愛い・ハンサムの絶妙なバランス感と雰囲気がとても好き」

A.シャネルのジャケット
「シルエットはもちろん、裏地やボタンひとつにしても芸術的。一緒に育っていきたいなとコツコツ集めています」

A.花
「一日バタバタしていると立ち止まったり、深呼吸する時間がないので、花を愛でながら呼吸を整えます」

A.パリとハワイ
「先日コレクションで訪れたパリはやっぱり素敵でした。あと子どもと一緒となるとハワイが定番。街中が鮮やかなメキシコも好き」

A.『プラダを着た悪魔』
「定番だけどやっぱり好き♡　以前はアン・ハサウェイに感情移入していたけど、今はメリル・ストリープだよね〜（笑）」

A.しゃぶしゃぶ
「おうちではしゃぶしゃぶばっかり食べてます。ごまだれにラー油を垂らしたつけだれが好き♡」

ライフステージでの変化も多く、あらゆる選択に迫られるバイラ世代。多種多様な悩みに、人生のセンパイとして神崎恵さんがアドバイス。

A.「まじめに頑張っている自分を認めてあげて」

「ずる賢く生きるすべも知っているけど、私はやらないかな。やっぱり自分にも周りにも誠実に生きたい。まずはまじめに頑張っている自分を認めてあげて。つど自分の中に達成したいハードルをつくって、越える楽しさを味わうのもいいですよ」

A.媚びる必要も機嫌をとる必要もありません。飄々とかわして

「その人との関係値にもよりますが、こちらから無理に機嫌をとる必要はないと思うんです。色々な気持ちや体のコンディションはあって当たり前。でも自分で感情のコントロールをすべきだと感じます。そんな人を目の前にしたときはフラットな態度で」

A.「経済力を身につけること。一人でも生きていける力は自分に自信をくれます」

「その人との関係値にもよりますが、こちらから無理に機嫌をとる必要はないと思うんです。色々な気持ちや体のコンディションはあって当たり前。でも自分で感情のコントロールをすべきだと感じます。そんな人を目の前にしたときはフラットな態度で」

A.「今の自分を豊かにすることに心と時間を使いましょう♡」

「余計なことで足踏みしたり、削られたりする時間がもったいない！　一日一日、自分の心をしおらせない、不安にさせない回路にすることが大切なんです。だから、考えたって解決しない悩みはね、考えなくていいの。心の外にポイッと置いていきましょう」

A.「時間は限られているもの。優先順位を決めて着手し、やりとげるクセづけを」

「まずは、仕事において妥協をしない完璧主義なことはとてもよいことだと思う。でも、バランスは大切です。それぞれのペースがあるからこそ、周りとすり合わせていけるようになれば、もっと成長できると思いますよ」

A.「自分が何をしたいのか見極めて行動をするのみ！」

「恋愛だけが人生のすべてではないと思うし、バイラ世代はキャリア形成において大事なターニングポイント。そんな時期に仕事に全力を注げるって、ものすごく有益なことなのでは。それでもパートナーが欲しいと考えるなら、人と出会う場に行くなど行動に移すことから。何事も自分がどうしたいのか見極めて、それに伴った行動をしましょ！」

A.「しっかり仕事をして結果で見せるのがいちばんの答え」

「わかります！　これは、結果で納得させるのがいちばん。私も相手から“なんぼのもんじゃい”とこられると、がぜんやる気が出ます（笑）。なめられたからといって、感情的になっても不利なので、結果を出せば相手も見方を変えるのでは？と感じています」

A.「打ち込めることがあればそれで充分」

「私もこれといった趣味もないし、人生の楽しみを問われても、たまの外食に“イェイ”と感じるぐらい（笑）。仕事は生きがいですが、趣味ではない。でも、何か打ち込めることとか、やりがいがあれば、趣味がなくてもいいなと感じています」

A.「気力がそがれるものは省く！　いっそ全ブロックしてみては？」

「執着は時間がもったいない！　どうにもならないことに気力も時間も奪われないように。仕事に集中したり、何か楽しめることを見つけるなどして、気をそらすのがいちばん。それでも気になるなら、全ブロックして存在をなかったことにするのはどう？　その人より『今の自分は幸せ』と思えるように動くと、執着から解放されます」

ジレ￥104500／ハルミ ショールーム（AKIRANAKA）　ボウタイブラウス￥33000・デニムパンツ￥39600／サードマガジン　メガネ￥50600／モスコット トウキョウ（モスコット）　イヤリング￥12100／フーブス（IRIS 47）　バングル￥58300／フォーティーン ショールーム（モニス）

撮影／三瓶康友　ヘア／赤羽麻希〈Un ami omotesando〉　メイク／北原 果〈KiKi inc.〉　スタイリスト／石関靖子　プロップスタイリスト／山本瑶奈　取材・原文／谷口絵美　※BAILA2025年7月号掲載