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映画『ミーツ・ザ・ワールド』主演・杉咲花、原作者・金原ひとみに一問一答!「周囲からの期待に息苦しさを感じた経験は?」

映画『ミーツ・ザ・ワールド』主演・杉咲花、原作者・金原ひとみに一問一答!「周囲からの期待に息苦しさを感じた経験は?」

価値観を変える出会いは、大人にだって訪れる。映画『ミーツ・ザ・ワールド』で主演を務めた杉咲花さんと原作者の金原ひとみさん。今回はお二人に一問一答! 最近興味を抱いていること、周囲からの期待に息苦しさを感じた経験などを聞きました。

杉咲花、金原ひとみ対談「大人の世界の広げ方」はこちら
映画『ミーツ・ザ・ワールド』主演・杉咲花、原作者・金原ひとみに一問一答!「周囲からの期待に息苦しさを感じた経験は?」_1

Q 最近、興味を抱いている新しい世界は?

金原 先日、初めてタイに旅行に行ったらめちゃくちゃ楽しくて。小さなことを気にしない大らかな空気感に解き放たれた気がして、帰りたくないくらい大好きになりました。
杉咲 肌に合う場所だったんですね。私は今、登山に興味があります。自分が素敵だと思う人たちは自然と溶け合っている印象があるので、憧れがあるんです。 
金原 私も登山好きな人にフォローしてもらって、金時山に登ったことがあります。 
杉咲 え、すごい! 私は初心者なので高尾山からかな。まずは登山グッズを買いに行きます!

Q 周囲からの期待に息苦しさを感じた経験は?

金原 期待に応えようと思ったことはあまりないんですが、世間の物差しによって自分を責める思考になってしまうことは理解できます。
杉咲 私は最近、周囲にライフステージが変化する人が増えてきたんです。とても嬉しいことですが、それと比較するように自分自身も問いかけられる機会が増えてきたように感じています。人生のペースや幸せは、その人だけのもの。だからこそ、そういうものを誰かにジャッジされたり催促されたりせずに、互いを尊重していけるようになったらいいですよね。

Q ご飯好きの二人がハマっている料理は?

杉咲 最近は麹にハマっていて、ヨーグルトメーカーで塩麹やキムチ麹、甘酒など色々作っています。豚肉を塩麹に漬けておいて焼くだけでも美味しいんです。 
金原 私はぬか漬けに初めて挑戦してみました。結構楽しくて、色々試している段階。ただ、変わり種を漬けるのはまだ勇気が出なくて。 
杉咲 知り合いの料理家の方から、ぬかの健康のために青梅を漬けるといいと教えてもらいました。しばらく漬けて食べたらめっちゃ美味しくて。カリカリ梅みたいになるのでおすすめです。

Q 一日の中で大切にしている時間は?

金原 食事をする時間ですね。ご飯を食べながら人と会話をすることが、大事なアウトプットの時間になっています。
杉咲 ご飯を食べるとなんで本音が出るんでしょうね。私は昨年末から生活を見直しました。以前は家を出る20分前に起きていましたが、今は約2時間前に起きてぬか床を混ぜ、朝ご飯を食べるのがルーティン。夜はキッチンと洗面所のシンクをピカピカにして寝るようにしています。毎日の習慣にしたら自分の心も整理整頓されるし、大事なセルフケアになっています。

杉咲花

仕事上、たくさんの人と関わる中で気づいたのは「自分の心地よさが必ずしも正解というわけではない」ということ。
相手との共通点を見つけるだけでなく、違いを面白がれたらいいなと思っています。
自分にとって理解できない言動に触れたときつい違和感を感じてしまうけれどそういうときこそ、ひと呼吸おいてなるべく感情的にならずに、相手の苦しみや望んでいることをできる限り想像するように心がけています。
そう考えるようになったのは、自分のこり固まった考えによって空回りをする経験をしてきたから。
他者を想像しながら演じる仕事をしている自分が、目の前にいる人に優しくできないのはやだなと思ったんです。
忘れちゃう瞬間もいっぱいあるんですけどね。
反省を込めて、意識し続けたいと思っています。
――杉咲花

杉咲 花

杉咲 花


すぎさき はな●1997年10月2日生まれ、東京都出身。『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、『市子』で同賞優秀主演女優賞を受賞。主な出演作はドラマ「おちょやん」「アンメット ある脳外科医の日記」「海に眠るダイヤモンド」、映画『片思い世界』など。

金原ひとみ

若い頃は自分のペースや世界を壊されたくなかったのでなるべく周りと「つるみたくない」と思っていたんです。
でも今は最大限誘いを断らないようにしています。
年齢を重ねて無理に武装する必要がなくなったし、むき出しのつきあいができることが楽しくて。
「きっと楽しいことがあるだろうな」って気持ちで何にでも挑んでいけるようになったのは、大きな変化です。
おかげで最近は作家の朝吹真理子さんや漫画家の鳥飼茜さんなど、仲よしの女友達が増えました。
この前はパリピの女友達らとご飯からのクラブ、最後にラブホテルに行き、朝まで飲み明かしました。大人になってあらためて、友達と遊ぶ楽しさを享受しているところです。
――金原ひとみ

金原ひとみ

金原ひとみ


かねはら ひとみ●1983年8月8日生まれ、東京都出身。『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。同作で芥川賞を受賞。主な作品に『TRIP TRAP』『マザーズ』『アタラクシア』『アンソーシャル ディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『ナチュラルボーンチキン』『YABUNONAKAーヤブノナカー』などがある。

©金原ひとみ/集英社・映画 「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会

©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会

映画 『ミーツ・ザ・ワールド』
出演/杉咲花、南琴奈、板垣李光人ほか 原作/金原ひとみ 監督/松居大悟
10月24日(金)全国公開
擬人化焼肉漫画をこよなく愛する27歳の由嘉里(杉咲花)は、周囲が結婚・出産をしていくことに不安を感じ、婚活をスタート。ところが参加した合コンで酔い潰れ、歌舞伎町の道端で美しいキャバ嬢のライ(南琴奈)に助けられる……。

(杉咲さん)チョーカー¥49500/ザ・ウォール ショールーム(ジュスティーヌ クランケ) その他/スタイリスト私物
(金原さん)ドレス¥34100/エンメ(オペラスポーツ) リング¥13750/ソワリー 靴¥48400/ヴィヴィアーノ その他/本人私物

撮影/野田若葉〈TRON〉 ヘア&メイク/宮本 愛〈yosine.〉(杉咲さん)、小澤 桜〈MAKEUPBOX〉(金原さん) スタイリスト/池田ミレイ 取材・原文/松山 梢 撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー ※BAILA2025年11月号掲載

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