素敵なあの人を形づくったさまざまなコンテンツをたどるカルチャー連載。今回ご登場いただくのは、作家の凪良ゆうさん。今の自分につながっている大切な作品について語っていただきました。

作家
凪良ゆう先生
なぎら ゆう●2007年に小説家デビュー。『流浪の月』『星を編む』など代表作多数。最新刊『多類婚姻譚』は、直木賞候補にもノミネートされた。
愛と選択を描いた『汝、星のごとく』。人間の細かい心の揺れを感じてください!
瀬戸内の島で育った高校生・暁海(あきみ)と、島に転校してきた少年・櫂(かい)の、15年にわたる愛のゆく末を描いた小説『汝、星のごとく』。10/9に映画公開し、私の中でも大事な作品のひとつになっています。この物語を書くときもそうで、私はいつも「あらすじ」って綿密に決めていないんです。内面から湧き上がってくるものを書き上げるので、こんなストーリーになったのかとあとから思うこともしばしば。何かからインスピレーションを受けたり、メモを取ることもない。『汝~』も、主人公たちが出会った瀬戸内の風景を、心の中で大事に思い浮かべていました。登場人物たちの“心情”に焦点をあてて書くようにもしています。特に暁海の人生は、自分でも書いていてしんどくなる瞬間がたくさんありました。櫂役を演じてくださった俳優・横浜流星さんは、彼の古風できまじめなところ、不器用な部分も含めて、演じてみたいと言ってくださり、その想いも嬉しかったです。小説、映像作品ともに、人間が持っている細かい心の揺れを感じてもらえると嬉しいです。
『汝、星のごとく』

瀬戸内のとある島で育った暁海と母親の恋愛に振り回されて転校してきた櫂。15年にわたる愛と選択を描いた傑作。映画は、10月9日より全国東宝系で公開。
『汝、星のごとく』
凪良ゆう著 講談社文庫 ¥990
凪良ゆうさんをつくった推しコンテンツ
01 林真理子さんがセレブを描いた小説

お坊ちゃん男性たちの上品さと俗っぽさに、惹き込まれます!
多くの女性作家の方に影響を受けていますが、林真理子さんの作品は昔から大好きです。とくに上流階級の男性たちの恋愛を描いた『愉楽にて』が面白かったですね。恐らくこういう毛並みのいい人たちってどこかにはいて、林さんだからこそ、絢爛豪華な中にある俗っぽさを嫌味なく、でもリアルに描けるのかなあと思いながら読みました。
『愉楽にて』
林真理子著
新潮文庫 ¥1155
02 作品全体に漂う、何とも言えない空気感がいい!

岩井俊二監督の個性が際立つ映画
映画も好きで、いわゆるアート系作品からコメディまでなんでも観ます。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、物語のセンスや空気感を味わう作品。「この話はどこに着地するの?」と思わされる部分が多いんです。作り手の自由な感性をのぞかせてもらっているみたいで、刺激を受けますね。主演・黒木華さんのたたずまい、ラストシーンの雰囲気も好きです。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』
プレミアムボックスBlu-ray¥14300・Blu-ray¥5170・DVD¥4180
発売・販売元:ポニーキャニオン
©RVWフィルムパートナーズ
03 初読は小学生。電子版を大人買い!

里中満智子さんの歴史&愛の漫画
少女漫画もたくさんの作品を読んで育ってきました。大島弓子さんの『つるばら つるばら』、山岸凉子さんの『舞姫 テレプシコーラ』、そしてとっても恐ろしい『わたしの人形は良い人形』……。好きな作品を挙げ始めたらキリがないほど。その中でも里中満智子さんの『天上の虹』も、推せますね〜。飛鳥時代の女帝・持統天皇をヒロインにした、歴史と愛と人生の大河ロマンですが、執筆開始から完結までに32年(!)かかっているという大作です。私が最初に読んだのは小学生のときでした(笑)。2015年に完結していますが、最近、電子版で買えることに気がついたんです。「これが本当の大人買いだな〜」と思いながら、全巻買いそろえてしまいました!
『天上の虹』
里中満智子著
講談社 ¥704
取材・原文/石井絵里 ※BAILA2026年11月号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。





















































