BAILAエディターズが愛用品やおすすめカルチャーをリレー形式でご紹介するコラム、第155回目は、伊勢丹新宿店で11月30日(月)まで開催されている超人気現代アーティスト、トム・サックス(Tom Sachs)さんのエキシビジョン「Tom Sachs : Retail Experience(トム・サックス:店舗体験)」と、そこで買える魅惑のアートプロダクツのご紹介です。
アート作品を大体的にフィーチャーするのは、伊勢丹新宿店初の試み!
10月13日(火)までの期間限定で、伊勢丹新宿店にある11のショーウィンドウはトムさんのアート・家具・プロダクツ三昧に! いつも最新のトレンドファッションで華やかに飾られる伊勢丹新宿店のウィンドウが、大体的にアート作品をフィーチャーするのは今回が初めてなのだそう。
立体造形アーティストのトム・サックス(Tom Sachs)さんは、身近な素材を使って製作するオブジェやプロダクトを得意とします。ロンドンで建築を学び、LAのフランク・ゲーリー事務所で家具制作に携わったのち、1990年代、NYにトム・サックス・スタジオを設立。その作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、同じくNYのメトロポリタン美術館、パリのポンピドゥー・センター、ミラノのプラダ財団など、多くの有名美術館に所蔵されています。トムさんのアーティストとしての最初の仕事がアメリカのデパート「バーニーズ ニューヨーク(BERNEY'S NEW YORK)」のウィンドウディスプレイ製作だったそうで、同じデパートでリンクしている伊勢丹新宿店でのエキシビジョンは特別なものだったそうです…新型コロナ禍下じゃなければ来日されたのだろうになぁ…お会いしたかった(; "q')残念。ちなみにサーフィンの腕前がプロ級だそうで、彼の魂はきっと地球とダイレクトに繋がっているに違いない。
©︎Tom Sachs
トムさんが“小売り体験=RETAIL EXPERIENCE”すべてをフルデザイン!
展覧会の会場は、伊勢丹が運営する実験的ポップアップスペース「ISETAN THE SPACE(イセタン・ザ・スペース)」。2Fコスメゾーン前に突如として現れるトムさんのアートワークウォール(これももれなく作品)に圧倒されます。
「Tom Sachs : Retail Experience」は、トムさんが手がけたアート、家具、プロダクトが一堂に展示され、それらをほぼすべて購入(=小売り体験/Retail Experience)できるという、トムさん自身も初の試みとなるユニークな展覧会。トムさんのアイコンともいえる合板(Plywood)を使用した空間デザインもすべて彼自身が手がけ、展覧会場そのものがトム・サックス・ワールドになっています。
椅子も照明も、展示されているアートはほぼすべて購入可能!
会場内に展示されているアート作品は、一部を除きほぼすべて購入できます。こちら(↑)はウィンドウディスプレイでもいちばん目立っていた「Shop Chair」。スタッフさんにお願いすれば、試しに腰掛けてみることができます! 座面が広く、もたれかかると背当てがグーンと背中にフィットし、安定感があってなかなか快適な座り心地…これぞ“Experience”♡ ちなみに梱包材であるダンボールのアートワークもめちゃくちゃ可愛く、うっかりカード決済しそうになる勢い(* "q')。魂の高揚ってこういうことだな!
椅子「Shop Chair」¥418000(税込)/伊勢丹新宿店(Tom Sachs) ※伊勢丹先行販売 ©Tom Sachs
報道陣の人気を集めていたのはやっぱり家具。手前の照明は、なんとイサム・ノグチさんが1951年から35年をかけて制作した「光の彫刻」AKARIシリーズと、トム・サックス・スタジオとのコラボデザインなのだそうな。トムさんのグラフィックとシグネチャーがランプシェードに描かれています。左の“NASA”ロゴがあしらわれたパイプチェアは取材当時お値段がついていませんでしたが、購入可能になる可能性もじゅうぶんあるそうなので、みなさんもスタッフさんに積極的に訴えましょう(沖島は、トムさんの作品を扱うギャラリーを運営する小山登美夫さんに直接訴えてきちゃいました)♡
(右上)ランプ「Akari Lamp Shade」¥200000・(右下)サイドテーブル「Side Table」¥330000(税込)/伊勢丹新宿店(Tom Sachs) ※伊勢丹先行販売 ©Tom Sachs
こちらは、“月面”をテーマに、2000年代に製作されたチェスセット。トムさんは「ここであなたが目にするモノは、made by hand in USAです。チェア、テーブル、ランプ、キャップ、ノート、シャツなどは日用品です。しかし、それらはまた”アート”でもあるのです。慎ましやかなオブジェたちは、スタジオのエネルギーがもたらす大胆さと、細部へのこだわりを表現しています」とコメントを寄せています。
「Chess Set」 ©Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery
また「ISETAN THE SPACE」公式サイトから予約すると、トム・サックス・スタジオが製作した2つの映像作品「Indoctrination Center」を鑑賞できます。事前に「www.tenbullets.com」で予習してから、会場で映像を観て、あとから出される設問すべてに正解すると、一度つけるとどう頑張っても一生取り外せない(笑)スーパー激レアな限定ドックタグがもらえます。つけないと会場から帰してもらえないので(笑笑)キーホルダーやベルトループつきのボトム、ストラップつきのバッグなど、タグをつけられるものを持ってお出かけくださいね(沖島はバッグにくくりつけてもらいました^^)。
買う“Experience”、スーベニアプロダクツが大充実!
我々一般人でも無理なくウキウキお持ち帰りできるお値段の“Experience”もバッチリそろっています! 一見ノートのように見えるこちら、実はトムさんのジン(ZINE: 作品集)になっていて、ただの本らしからぬ味わい深いムードがなんとも魅力的です。
(左から順に)アートブック「caprice Owner's Manual ZINE」¥3080(税込)・アートブック「Pradox Bullets Zine」¥2970(税込)・伊勢丹展覧会カタログ「Tom Sachs : Retail Experience ZINE」¥7590(税込)・アートブック「How To Learn How To Surf ZINE」¥2970(税込)/伊勢丹新宿店(Tom Sachs) ©️Tom Sachs
トムさんのスタジオで、スタッフのみなさんが実際に使用しているバッグをモチーフにしたウエスト&ショルダー2Wayバッグも! 丈夫で耐久性の高い高強力ポリエチレン繊維のダイニーマという素材を使っており、軽量で防水加工もばっちり◎。トムさんの代表的なグラフィックでもある「Ten Bullets」のワッペンがあしらってあります。
バッグ「Fanny Packs」¥55000(税込)/伊勢丹新宿店(Tom Sachs) ※伊勢丹先行発売 ©️Tom Sachs
トムさんのアートを着る“Experience”として、味わいあふれる手描きフォント満載のTシャツも4モデルがラインナップ。ちなみにディスプレイされているハンガースタンドももれなくトムさんの作品です。エディター沖島はTシャツに決めました◎。
着ればトム・サックス・スタジオメンバー気分に! 伊勢丹限定Tシャツを購入
というわけで、伊勢丹限定アイテムのTシャツを連れて帰りました。右袖には左右逆転した星条旗風のプリント、左袖には手描きの伊勢丹ロゴ、そして背中にはイベント情報のプリントを施してあります。ちなみに“JULY 2020”と描いてあるのは、本来ならこの展覧会は2020年7月に予定されていたものだったからです…そんなところもなんだかご愛嬌♡
Tom Sachs x Isetan(Japan Exclusive)T-Shirts ¥7950(税込)/伊勢丹新宿店 ※伊勢丹限定発売 ©Tom Sachs
いちばんのお気に入りポイントは、左袖にあしらわれたトムさん直筆の“○伊”アートワーク。日本語のカタカナをゴシック体でストレートに表現しているところも好きです。アートを着る“Experience”ができて、圧倒的お出かけ不足でストレスフルな心もかなりリフレッシュ♡ トムさん、スタジオのみなさん、次の機会にぜひ日本にいらしてくださいね(エディター沖島)。
【Tom Sachs: Retail Experience】
期間/開催中〜2020年11月30日(月) ※2020年7月4日(土)~8月2日(日)の開催予定を延期
会場/伊勢丹新宿店本館 2階「ISETAN THE SPACE」(東京都新宿区新宿3-14-1)
企画協力/小山登美夫ギャラリー
※イベント詳細や販売方法などは「ISETAN THE SPACE」公式サイトやInstagramアカウントで公開。