勉強や仕事は努力した分だけ結果が出るのに、恋愛だけはどうしてこんなに難しいのか!? 恋愛迷走ぎみな女子に、精神科医の樺沢紫苑先生がアドバイス。必要なのは、“頑張って勝ち取る”ことではなく末永く安定した関係を育む努力!
精神科医から見ると…
精神科医
樺沢紫苑先生
かばさわ しおん●北海道出身。作家、YouTuberとしても活躍。著書に『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』(飛鳥新社)など多数。
愛を勝ち取るための努力ではなく、末永く安定した関係を育む努力を
人は幸せだと感じたときに、セロトニン、オキシトシン、そしてドーパミンの3種類の脳内物質を分泌します。いわゆる「幸福物質」と呼ばれるものですね。その中でも愛に関する脳内物質は2パターン。ドキドキした高揚感の「ドーパミン的愛情」と、居心地のよさや安らぎを感じる「オキシトシン的愛情」があります。恋愛がいつもうまくいかない、結婚までたどり着かない、そういった方はだいたいドーパミン的な愛を求めがち。ですがこれには、2~3年という賞味期限があるんです。
また、相手を条件で見ることになる婚活や、“彼氏をつくること”を目標にしている場合、どうしても“頑張って勝ち取る”ことがゴールになりがち。安定した関係性を得たいのであれば、「オキシトシン的愛情」を持てる人をパートナーにする、もしくは「ドーパミン的愛情」を「オキシトシン的愛情」へと軌道修正する努力は必要だと思います。「オキシトシン的愛情」を持てる人は、好き!というより気疲れしないような相手ですから、会社の同僚やお友達など、意外とすぐ近くにいる可能性だって高いと思います。趣味のサークルなどコミュニティを広げる活動をしてみるのもひとつの手。
ポイントは結婚や恋人を探そうとしてかまえないことです。すぐに「あり」か「なし」かで判断するのではなくニュートラルに人間観察することで、今まで意識してこなかった相手のいい面が見えるようになりますよ。また、この「オキシトシン的愛情」は恋愛や結婚だけのものでもありません。友達やペット、趣味のコミュニティでも得ることができます。恋人をつくる、結婚することだけが幸せのかたちでないことも念頭に置くといいかもしれませんね。
イラスト/五月女ケイ子 取材・原文/谷口絵美 ※BAILA2022年2月号掲載