パフェとはフランス語で“完璧”の意。コントラストのある食感や温度差、甘みや酸味……グラスの中に多彩なエレメントを集約するゆえ、広がりや奥行きのある味わいを体感できる。2023年秋の注目トピックと絡めた逸品は、どんな解と出る?
【マロンなグラス】東京會舘 オールデイダイニング「ロッシニテラス」
笠間新栗のモンブランと秋のフルーツのパフェ ラ・フランスソースを添えて
栗が秋の果実とダンス。味もルックスも息をのむほど美しい
大正11年に創業し、“本物の味とおもてなし”を追求し続ける「東京會舘」。開放的な雰囲気のダイニングで出会える秋のパフェは、収穫直後に加工した笠間産の新栗のモンブランに、繊細さを引き立てる洋梨やシャインマスカットを合わせて。さらにフロマージュブランやワインゼリーを絡めれば、爽やかさも演出。ほうじ茶のかりんとうやパートドゥフリュイ、チョコレートのライスパフ……。ディテールにまで製菓スタッフの匠の技とアイディアが宿る。柚子が香る洋梨のソースで味変が楽しめるのも◎。¥3740
東京會舘 オールデイダイニング「ロッシニテラス」
東京都千代田区丸の内3の2の1 東京會舘本舘1F
☎050-3134-4890(予約専用)
営業時間:11時30分〜22時(土・日・祝日11時〜)
無休
※ご注文は14時〜、販売期間は11月30日まで
【マロンなグラス】資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ
熊本県産和栗のモンブランパフェ
マロン、アールグレイ、フランス菓子のパーツ……“秋色”が奏でるハーモニー
創業は1902年。当時はまだ珍しかった特別製造による伝統のアイスクリームを使ったパフェは、日々発展を遂げる逸品。本店限定の味は、大粒で濃厚な熊本県産和栗が主役。力強い味わいの渋皮煮、モンブランのクリームやアイスクリームに合わせるのは、魅力を際立たせるアールグレイのゼリーやサクサクのフィアンティーヌ。レンガ色の空間で、しゃんとした気分で味わいたい。¥3200
資生堂パーラー 銀座本店サロン・ド・カフェ
東京都中央区銀座8の8の3 東京銀座資生堂ビル3F
☎03(5537)6231
営業時間:11時〜21時(日曜・祝日〜20時)
定休日:月曜(祝日は営業)
※予約不可。販売期間は10月1日〜31日まで
【マロンなグラス】PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)
パルフェビジュー モンブラン
愛で、香って、味わって。秋景色の絶景マロンパフェ
無彩色のモダンな空間が魅力、スイーツ界を牽引するパティスリーではパフェも人気。新作のイメージソースは“秋の情景”。蒸し栗やパイ、ジェラート、水まんじゅう……変幻自在に変容する栗がイン。パイやチュイールなど落ち葉を想起させる自家製の焼き菓子に加え、金木犀のジュレやガナッシュもレイヤー。約20種が詰まった緻密なそれは、ただ甘いだけじゃない、五感に訴えるハイエンドパフェ。¥5000(参考価格)
PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)
東京都世田谷区等々力4の4の5
☎03(6432)3878
営業時間:11時〜18時
定休日:月・火曜
※販売期間は10月4日〜11月19日まで。予約はhttp://www.asakoiwayanagi.netで確認を
【マロンなグラス】和栗や
モンブランパフェ「洋」
栗農家が魂を込めて作る栗づくしのパフェ
茨城県の笠間市・岩間地区にある自社農園やその周辺で栽培された栗を使った専門店。着色料・乳化剤はもちろん洋酒も使わず、鮮度が命の栗の魅力をあるがままに伝える。とめどないコクと風味のモンブランの中には甘露煮、水を使わず生乳と生クリームで仕上げるソフトクリームなどが。栗の煮汁を使う栗みつ寒天など、栗農家だからこそかなう要素も。純度が高くよどみない美味しさ。¥1700(茎ほうじ茶つき)
和栗や
(谷中本店)東京都台東区谷中3の9の14
☎03(5834)2243
営業時間:11時〜18時(17時LO)
定休日:月曜(繁忙期は営業)
【ホテルのグラス】山の上ホテル コーヒーパーラー ヒルトップ
かぼちゃのプリンアラモード
パーツまで徹底的にこだわる。端正な姿と味に、身も心も骨抜き
数多くの文豪の定宿であり、アール・デコ建築を愛でられるホテル。“ここにしかない価値を磨く”“人の手を介する”ことに徹する姿勢はスイーツでも。名物のプリンアラモードの秋味は、極薄の飴細工の中にかぼちゃプリンがひそむ。コルトンディッシュ上でスワンのシュークリームや扇形にカットしたりんご、かぼちゃのモンブランなどが華麗に共演。安﨑正平シェフの技とこだわりが細部にまで宿る。¥2800
山の上ホテル コーヒーパーラー ヒルトップ
東京都千代田区神田駿河台1の1 山の上ホテル地階
☎03(3293)2834
営業時間:11時30分〜21時(20時LO)
無休
※一日数量限定、販売期間は11月30日まで
【ワインとグラス】kasiki
無花果のクープグラッセ
スパイスやハーブがパフェとワインの架け橋に
元料理人の藤田澄香さんが、アイスクリーム作りの魅力に目覚め、開業。四季折々、産地直送の素材を生かすために甘みを抑え、ハーブやスパイスを効かせて唯一無二の味を作り上げる。新鮮な無花果とそのアイスには、フレッシュなローズマリー入りのクランブルやカカオと魅惑的な八角入りのアイスクリームも。自然派ワイン(¥1000〜)とのペアリングで、とめどない余韻が口中に広がる。¥1200
kasiki(カシキ)
東京都渋谷区西原1の13の2
営業時間:13時〜21時(土・日・祝日12時〜)
定休日:水曜
※詳細はインスタグラム(@kasiki__)で確認を。販売期間は10月下旬頃まで
【ショコラなグラス】Minimal - Bean to Bar Chocolate - (ミニマル ビーン トゥ バー チョコレート)
「Bean to Bar チョコレートパフェ -CACAO JOURNEY-」
5カ国のカカオ豆と秋の味覚が手を取り合う
生産者の顔が見えるカカオ豆の輸入からチョコレートの製造までを一貫して行うビーントゥバーチョコレートの“その先”を追求するブランド。一日10食限定のパフェは、メレンゲやカスタード、フィナンシェ、ソース、アイスクリームなど、多彩なチョコレートスイーツで構築。ベースがカカオ豆と砂糖だけだから、後味はキリリ。さらに産地も種類も様々ゆえ、パーツごとにカカオ豆の個性がくっきりと際立つ。¥1650
Minimal - Bean to Bar Chocolate -(ミニマル ビーン トゥ バー チョコレート)
(富ヶ谷本店)東京都渋谷区富ヶ谷2の1の9
☎03(6322)9998
営11時30分〜19時(18時30分LO)
無休
※販売期間は10月1日〜12月末まで
【医食同源なグラス】甘露
夕陽潤肺芭菲
芭菲とは中国語でパフェ。体に優しいレメディスイーツ
「中国の喫茶文化を知ってほしい」思いから開店。オーナー夫婦が現地に足を運び、各地の多彩で奥深い食文化を伝える。季節ごとに食養生の切り口で食材が変わるパフェは、アイスクリームや生クリーム不使用。今なら芋、栗、かぼちゃの秋の味覚に生姜ゼリーや豆乳の杏仁ゼリーなどを合わせて。乾燥しがちな季節ゆえに潤いを与えるぷるぷるの白きくらげやはと麦など薬膳食材も。これぞ“美味しい美容液”!¥1320
甘露
東京都新宿区西早稲田3の14の11
☎03(6823)5484
営業時間:11時30分〜18時
定休日:木曜+不定休
※11時30分〜と12時〜は事前予約可。販売期間は12月中旬頃まで
【秋果実なグラス】ホットケーキパーラー Fru-Full(フルフル)
秋の味覚パフェ
秋の“推し果実”が共演。甘い幸せをかみしめたい
フルーツ愛と知識にあふれる老舗フルーツパーラー出身のスタッフが開く店。契約農家やごひいきの業者から仕入れる最上級の果物は、宝石のように美しく、大ぶりでジューシー。無花果や洋梨のとろり、和梨のシャクシャク、ぶどうのパリッと感……味も食感もバリエ豊かな秋の味覚をグラスにとじこめて。ブレンドしたクリームやラズベリーソース、アロエの果肉が名脇役となって引き立てる。¥2500
ホットケーキパーラー Fru-Full(フルフル)
(赤坂店)東京都港区赤坂2の17の52 パラッツオ赤坂1F
☎03(3583)2425
営業時間:11時〜19時(土・日・祝日〜18時)
定休日:月+火曜不定休
※販売期間は10月下旬頃まで
撮影/馬場晶子 取材・原文/広沢幸乃 構成/渡辺敦子 ※BAILA2023年11月号掲載