2024年の新制度開始からスタートした人も多い新NISAでの資産運用。株価が変動したときはどうすればいい? 投資信託の含み益がマイナスになった場合の対処方法を、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんがアドバイス!
ファイナンシャルプランナー
高山一恵さん
Money&You取締役。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha』やYouTube「Money&You TV」の運営、女性にお金の知識を伝えるための講演や執筆など幅広く活躍。24万部のヒット作『はじめてのNISA&iDeCo』(頼藤太希氏との共著・成美堂出版)のほか著書多数。
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編集T
数々のマネーテーマ企画を経て、’24年からNISAで積み立て投資を開始。資産の上下変動に一喜一憂している。
新NISAを始めたが投資信託の含み益がマイナスに!どうしよう!?
《Advice》2024年8月初旬の暴落はアメリカ経済のネガティブなムードがカギになった
「今年8月の暴落には複合的な理由があるのですが、中でも大きかったのが、月始めにアメリカで発表された経済指標。数値が思わしくなかったことを受けて経済悪化の不安が高まり、世界中で株の売却が加速。それにつられて日本株も売られてしまい、一気に株価が暴落しました」
【キホンのキ】 S&P500やオール・カントリーなどの世界の株式市場に投資する商品はつまり「円を売って外貨を買う」ということ
「S&P500はアメリカの主要企業500社、オール・カントリーはアメリカを含む全世界の株式市場の値動きに連動した投資信託です。私たちはこれらの商品を日本円で購入しますが、投資先は日本以外の国がメイン。証券会社を通じ、円を売り外貨を買っているので、ある程度は世界経済の流れを把握しておくといいでしょう」
【たとえば投資先が海外(アメリカ)だったら】
つまり
手持ちの円を売って→ドルを買って投資をする
外貨(ドル)の需要が増加! 円安・ドル高に
ちなみに、逆のことが起きると
円を買って投資をする←手持ちのドルを売って
円の需要が増加! 円高・ドル安に
《Advice》下がっているからといって慌てて手放すのはNG!現金化の軸は「自分が必要なとき」
「8月の株価暴落と金利動向の影響で円安から円高となり、マイナスに驚いた人は多いはず。でも急に下がったからと焦って手放すのは損。長い目で見れば復活しない市場はめったにないので、値動きに一喜一憂するのではなく、売りどきは“まとまったお金が必要になったとき”など、自分軸で運用を続けましょう」
【キホンのキ】積み立て投資で慌てないために「ドル・コスト平均法」を理解せよ!
「毎月決まった金額で購入し続ける積み立て投資は、ドル・コスト平均法という仕組みが当てはまります。株価が下がったとき、評価損益が下がったことばかり注目しがちですが、実は1株の金額が安くなったことにより、その月は同じ金額で多くの口数を買いつけすることができているのです。また一定額の買いつけをコツコツと続けることで平均取得単価を下げる効果があり、上昇局で利益を出しやすくなります」
【りんごで考えるドル・コスト平均法】
たとえば…価格が変動するりんごを毎日1000円出して買えるだけ買う
価格が100円のまま毎月10個ずつ購入していた場合、100×40個で4000円。下がったときに多くのりんごが買えているので、結果的に910円の利益に!
イラスト/サレンダー橋本 取材・原文/石井絵里 ※本文に記載されている金額、数字、データ等は2024年9月末時点のものです ※BAILA2024年12月号掲載