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プロが教えるモデルルーム見学で見るべきポイント
お話を伺ったのは住まい探しのプロTERASS代表取締役社長、江口亮介さん。
今回のテーマは、モデルルームを訪れた際の「チェックポイント」。
マンション購入について後悔している点があるという人の多くは、「モデルルーム見学では気づかなかった」とか「モデルルームではわからなかった」といいます。
そこで、モデルルーム見学でしっかり見ておきたいポイントと、モデルルームでは確認できない点で悩んだ際に、どうやって確認したらよいのか。モデルルーム以外での確認の仕方についても教えていただきました。
モデルルームと実際の物件は異なるものと心得る
Q.モデルルーム見学に行く場合。どんなところをチェックすればよいでしょうか?
江口さん:まず念頭においておきたいのは 「モデルルームと実際に買う部屋は違う」ということ。
もちろん、基本的なデザイン感や間取り(廊下のつくり方や部屋の配置など)は、マンションの各部屋に共通していることが多いので、モデルルームが参考になります。
ですが、モデルルームは基本的に広め(=価格高め)の間取りであることが多いので、モデルルームで見ている部屋がそれぞれ何畳(何㎡)なのか確認して、自分が購入予定の部屋と同じなのか、それより狭いのかを考えながら見る必要があります。
また、どこまでは基本設備で、どこからがオプションなのかも確認しましょう。
モデルルームの設備は多くの場合、オプション満載です。

中古物件を多く見ることで、新築を選ぶ目が磨かれる
江口さん:また、モデルルームではわからないことも多いものです。その場合、モデルルームを見に行く以外の、他の方法でその疑問を解消する必要があります。
そのひとつが「中古をたくさん見学すること」。
中古物件を数多く見ることで、見えてくるものがたくさんあるからです。
たとえば、モデルルームと自分が購入予定の物件のタイプが異なる場合は、他の中古マンションでよいので、同等の面積や間取りの物件を見に行けば、購入しようとしている物件のサイズ感や住み心地のイメージをつかめます。
また、モデルルームと同じ間取りの物件を購入しようとする場合も、階や方位によって日当たり・眺望・通風が全然違うものです。
その場合、そのエリア(近隣)の同じ階・方位の中古物件を見に行ってみてください。
そうすると、思ったより明るすぎる・暗すぎるといったことが分かることもあります。
大型マンションの場合ですと、第1期で販売された物件が中古で出ていることもあるので、その場合はぜひ見に行ってみてください。
さらに、「クオリティがよい」と言われている中古マンションを見に行ってみるのもよいでしょう。
実際に暮らすにあたってどういう点が住みやすさに直結しているのかということがわかりますし、売却の際に評価が高い物件にはどんな要素が必須なのかがわかってくるようになります。
中古を見学することで養ったこれらの視点が、新築を選ぶ際の判断基準を作るのに役立つと思います。
裏技!中古物件を案内してくれる仲介業者から新築の情報を入手
江口さん:中古物件も見てみることになった場合、不動産業者などの仲介業者に、新築物件の評判・見立てを聞いてみるという裏技もあります。
仲介業者は、世の中に流通するさまざまな物件の中から、その方にとってベストの物件を見出して提案するのが仕事。
お客様が納得してくれるようにさまざまなサポートをすることが仕事なので、こうした質問も快く受けてくれるはずです。
また、当面のそのエリアの建築計画、たとえば部屋のすぐ目の前に大型タワマンが建つ予定がないか、なども調べていると思いますので聞いてみるとよいでしょう。
もし、こうした質問をした際に、面倒くさそうにしたり、レスポンスがとても遅かったり、紹介した物件のこと以外は答えてくれない、などの対応であれば、他の業者をあたったほうがよいです。
マンション購入は大きな買い物。
モデルルーム見学以外にも、さまざまな方法を使って納得できる物件を探し出してください。
株式会社TERASS 創業者・代表取締役社長
慶應義塾大学経済学部卒。リクルートでSUUMOの営業・企画、McKinsey & Companyで経営コンサルティングを経験した後、2019年4月にTERASSを創業。不動産業界に対する革新的なアプローチを評され、「日本の今年の顔」Forbes100 2022選出。Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング 2026」TOP9。
2023年より不動産テック協会 理事、2025年より日本不動産エージェント協会 代表理事。
個人としては3回の不動産購入、2回のフルリノベーション、3回の不動産売却を経験。
取材/瀬戸由美子




















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