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リセールバリューの高い物件の見究めポイント4選
お話を伺ったのは住まい探しのプロTERASSアカデミー代表取締役社長、江口亮介さん。
今回のテーマは、将来住み替えをしたいと思ったときに、「ちゃんと売れる」リセールバリューの高いマンションの選び方について。見究めポイントを4つ教えていただきました。
見究めポイント① 今後の人口増加が見込めるエリアであること
Q. 将来は住み替えを考えています。リセールバリューの高い物件を見究めるためのポイントを教えてください。
江口さん:そうですね。投資目的の不動産購入とまではいかないとしても、不動産を買うなら「売りたいと思ったときに売れる物件」であることはとても大事です。
もちろん、現在の住みやすさとして「広さ」が優先という場合は別の選択肢になりますが、将来は売ることも視野に入れて「資産性」も重視するのであれば、エリア・立地・物件の状態に関して、以下のような見究めが重要になります。
(1)エリア
まずは、さきほどもお話しした「人口増加エリア」。通勤に便利な都市の中心エリアや子育て支援が手厚いことなどで人気のエリアは、今後人口増加が見込まれるので、資産性が高く保たれると予想されます。
なお、この場合の都心というのは山手線内か、山手線の外側であれば、環状八号線の内側の西側エリア。さらに、その中でも交通のアクセスがよい場所の物件であることが条件になります。
東京の場合ですと、「23区」であればよいと思う方もいるかもしれませんが、そういうわけではありません。
イメージの良い世田谷区や大田区、目黒区であっても、昔からお屋敷町として名を馳せている「ブランド」といわれるような住所でない限り、交通アクセスが悪い場所なら、今後20-30年スパンでは人口が減少するといわれており、資産性は下がると思われます。
また、東京郊外では駅前にタワマンが需要以上に乱立してしまい、価格維持が難しくなっているエリアがあります。再開発がストップしてしまう危険のあるエリアも要注意です。
見究めポイント② 「駅直結」「駅に近い」は最重要ポイント
(2)立地
リセールバリューの高い物件は、駅から近い(徒歩10分以内)ことが重要です。とくに駅直結のマンションはやはり人気が高いです。
また、眺望もマンションの資産性を決める大きなポイントです。
建物の周りに公園などがあり、将来高い建物が隣に建つ可能性が少ないというのは大きな安心ポイントになります。
その他、暮らしやすさの観点でいえば、周辺に急な坂が少ないというのもよい条件になります
見究めポイント➂日当たり、眺望、風通しの良さは高バリュー
(3)物件の状況・状態
物件をチェックする際に重要なのは、日当たり・眺望・通風です。というのも、内装は、後からいくらでもリフォームできるので価値にはあまり大きな影響はありません。
日当たり・眺望・通風、購入後は変更ができないこの3つをしっかりチェックしてください。
なお、日当たりというと以前は「南向きがよい」とされていましたが、タワマン上層階の場合、南向きは日差しが強すぎるので、北向きのほうが住み心地がよいこともあります。
リセールバリューの高いマンションの条件は他にもあります。
チェックすべき項目は以下になります。
・新耐震の物件(1981年6月以降)
※ただし、超都心(港区、千代田区、中央区など)は旧耐震でも資産性が高い。
・戸数が多い物件(目安は少なくとも30戸以上)
・3階以上の物件(特に地下階には注意)
また、中古物件であれば、管理状況がよいこと(日常のメンテナンスがよい、修繕が計画的にされている、資産価値を高める修繕が行われている、管理費・修繕積立金の滞納が少ない など)も重要なチェックポイントになります。
見究めポイント➃専有面積は「50㎡以上」がおすすめ
(4)専有面積・間取り
カップル・単身者でも余裕があれば、内法50㎡以上がおすすめ。
というのも、物件を売る際のターゲットが、単身・カップル・夫婦+乳児1人・シニアなど、広くなるからです。
また、内法50㎡以上の物件は購入する際に住宅ローン控除が使えるというのもメリット。購入する物件が内法50㎡以上かどうか事前にチェックしましょう。自分が購入する際はもちろん、売る際にも、買い手側が買いやすくなります。
そのほか、新築を選ぶ場合は、
・廊下やデッドスペースが少ない
・リビングを広く感じる
・開放感がある(窓がある、など)
・使いやすい間取り
であることも重要です。
なお、もしも中古マンションを購入してリノベーションする場合は、あまり自分好みのこだわりを詰め込み過ぎると、売却の際に万人受けせず、売りにくくなる可能性があるので要注意です。
「あったらいいかも」は「なくてもいいかも」の場合も。設備の優先度は低くてOK
江口さん:ディスポーザー、ウォークインクローゼットなどの設備は人気なので、あればもちろん、売却するときのプラスポイントにはなります。
ただし、中古物件の購入検討者にとって、それらの最終的な優先度は低めです。
またパーティスペースやキッズルームなどの共有施設があるかどうかも、人によって興味の有無がわかれるので、あまり考慮する必要はないでしょう。
先ほどご紹介した優先度の高い①~④(エリア・立地・状況・間取りなど)をしっかりチェックして。
株式会社TERASS 創業者・代表取締役社長
慶應義塾大学経済学部卒。リクルートでSUUMOの営業・企画、McKinsey & Companyで経営コンサルティングを経験した後、2019年4月にTERASSを創業。不動産業界に対する革新的なアプローチを評され、「日本の今年の顔」Forbes100 2022選出。Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング 2026」TOP9。
2023年より不動産テック協会 理事、2025年より日本不動産エージェント協会 代表理事。
個人としては3回の不動産購入、2回のフルリノベーション、3回の不動産売却を経験。
取材/瀬戸由美子



















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