東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールでは5月22日(水)から7月15日(月・祝)まで、『Borrowed Landscapes フェイイ ウェン|パン カー 二人展』を開催。本展では、先駆的な作品で注目を集める中国出身のアーティスト、フェイイ ウェン(Feiyi Wen)とパン カー(Peng Ke)の新作を紹介します。
左:フェイイ ウェン ⒸFeiyi Wen 右:パン カー 2022年のTai Kwunでの展示、Photo : Kwan Sheung Chi
フェイイ ウェンはロンドン在住で、2020年にスレード美術学校で博士号を取得。大英図書館でデジタイザーとして書籍をデジタル化する仕事を行いながら、自然や風景を主題に自身の撮影したイメージと、ときにはファウンドフォトのイメージを混ぜ合わせ、章立てされたシリーズ作品に展開しています。また写真に映されたイメージと、見る者が見ようとするイメージとの関係に関心をもち、追求し続けています。例えば、彼女の写真の中には中国の山水画を想起させるような、あるいは日本で撮影されたように見える題材や構図がありますが、ほとんどは、イギリスとウェールズで撮影されたそう。写真表現を探求しながら、露出レベルや現像技術、用紙や印刷の手法などの試行錯誤を重ねてきたフェイイ ウェン。本展では、ゼラチンシルバープリントと ライスペーパーにジークレー印刷をした新作16点を発表予定です。
パン カーは2015年にロードアイランド・スクール・オブ・デザインを卒業後、カリフォルニアで数年を過ごし、現在は中国と北米を行き来しながら、アジアの近代化の過程、特に人口の多い都市で、集団から生み出された文化・歴史に長年関心を寄せてきました。創作を通して、急速な発展を遂げる地域で育まれる熱狂や嘆き、レジリエンス、そしてその土地と結びついた生活を検証しています。最近では2022年に、中国の出稼ぎ労働者の居住空間や、彼らの多くが住む「アーバン・ビレッジ(城中村)」(都市のなかに取り残された、労働者の密集居住エリア)を題材にした壁面のアッサンブラージュ《Bay Windows(出窓)》をタイクン・コンテンポラリーで発表しました。エキゾチックな美的感覚を模倣した装飾的な窓は、彼らの生活、その内面的な側面や、夢とその挫折を喚起させます。今回は、このシリーズの続編ともなる6点の新作を発表します。
両作家に共通しているのは、驚異的な経済成長を見せていた1990年代の中国で生まれ育ち、その後海外で学び、アーティストとしての活動を行っていること。どちらも写真に根ざした活動を展開しており、レンズを通した表現をベースにしながらも、さまざまなメディアや技法を探求し、表現の幅を広げています。
『Borrowed Landscapes フェイイ ウェン|パン カー 二人展』
会期 2024年5月22日(水)〜 7月15日(月・祝)
開館時間 11:00〜19:00(最終入場18:30)
入場無料・会期中無休・予約不要
会場 シャネル・ネクサス・ホール 中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
主催 シャネル合同会社