叱り下手な上司からのつらいお叱りを受けると落ち込んでしまうもの。今回はコーチングのプロが「叱られたとき」の4つの向き合い方をご紹介。気分を前向きにして成長の糧にしましょう。
1.表情や態度で受け止めていることを見せる
「叱っていても、まったくリアクションがないと、叱る側は『大丈夫かな? ちゃんとわかってくれたのかな?』と不安になり、長時間叱ったり、同じことを繰り返し責めてきたり、さらなる豪速球を投げてきたりします。相槌を打ったり、謝ることで伝わっていることを示すと、相手も安心し、叱らなくなる場合も」
2.行動が叱られていると自分の中で整理する
「叱られると、つい人格や能力を否定されたような気分になり、落ち込んでしまう人も。本来、叱る=行動改善を促すための言動。人格を責められているわけではなく、行動改善を求められているだけ、と自分の中で理解することが大切。自分を『ダメな人間』と思う必要はまったくないのです」
3.「なぜダメか」ではなく「どうしたらよくなるか」を考える
「叱られて『私って“なんで”こんなにダメなんだろう』と自問自答するのは危険。原因を自分に問いかけると、日常生活でも無意識に自分の欠点を探し出すようになり、本当に“ダメ”になっていく……という負のループに陥る可能性が。『どうしたらもっとよくなれるかな?』とポジティブに考え、自己評価を下げないことがポイント」
4.改善を自分からも提案する
「叱り下手な上司に、あまりにもしつこく叱られる場合は、『アドバイスをちゃんと受け止めていますよ』という姿勢を見せて、安心させてあげることが大事。『こういう改善案をこれから実行します』など、具体的な行動案を提示すると、相手も安堵できるはず」
齋藤直美さん
株式会社ミュゼ代表取締役。企業や自治体のリーダー教育や組織活性化に携わる。著書は『部下がついてくる人、離れていく人の叱り方』(あさ出版)など多数。
イラスト/村澤綾香 取材・原文/櫻木えみ 構成/斉藤壮一郎〈BAILA〉 ※BAILA2021年1月号掲載