社員それぞれ必要なタイミングでの学び直しを支援する企業が増えています。「キリンホールディングス株式会社」ではオンラインセミナー受講の支援や女性社員向けのカレッジを設けるなど、様々なリスキリングを展開。今回は、社内の経営スクールを受講した女性社員にインタビュー。
どんなリスキリングをしているの?
リスキリングとは、今後必要となる仕事上のスキルや技術を企業が再教育し、社員に身につけさせること。キリンホールディングスでは、オンラインセミナー受講の支援や女性社員向けのカレッジなど、多彩なリスキリングの施策を実施。経営スクールでは、経営リテラシーの修得と読書会、社内外の経営者との対話を通した学びの機会が提供されている。
昨年の経営スクールには、選抜された社員26名が参加
キリンってこんな会社
キリンビールをはじめとする酒類・飲料などの食領域を中核として、発酵・バイオテクノロジーを活用した医領域、ヘルスサイエンス領域へとグローバルに事業を拡大している。
異動し、より責任が増した昨年、社内の経営スクールに参加しました
![勢村祐美さん](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/3f/3f8ecd8c-e17d-466e-8d45-ac67c2a55bb9.jpg)
ヘルスサイエンス事業部 免疫領域事業グループ 主査 勢村祐美さん 40歳
事業の成長に向かって、自分とミッションとの差を学びで補う
新卒入社後、マーケティングを担当していた勢村さん。30代前半にも社内のリスキリングプログラムを受講した過去が。
「社内の女性社員が一緒に経営を体系的に学ぶ場だったのですが、『私、経営のことを全然知らない!』と気づきました」
そこで出会った先生にさらに経営学を教わりたいと私費でビジネススクールへ通い、MBAを取得。その頃、キリンビバレッジのプラズマ乳酸菌を使った健康領域の飲料、イミューズのブランドマネージャーに異動した。
「会社が『ブランドマネージャー=ブランドを経営する人』と規定していてできるか不安でしたが、やってみようと思えたのはそれまでに勉強していたから。勉強してなかったら素養が足りませんでした」
昨年、免疫領域の事業全体を統括するブランドマネージャーに異動したタイミングで、経営スクールを受講。
「会社の経営陣と直接対話しながら会社の歴史や経営哲学を教えてもらう貴重な機会でした。今、CSV(社会と共有できる価値の創造)が会社の事業の核となっているのですが、これまで会社が脈々と事業活動を続けてきた延長に社会課題を解決しながら事業を成立させる今の考え方があって、私が担当しているのがまさにその商品なんです。免疫機能の維持をサポートするかたちで世の中の健康課題を解決できるこの事業を成功させたいとより強く思うようになりました」
学びが自分を見つめ直す機会にも。
「勉強を通して『自分が何のために仕事をしているのか』を自分に問い、『人や社会の役に立つ仕事がしたい』という自分の仕事観と会社の方向性が一致していると気づくことができました。これまで二つの社内プログラムに気づきをもらえてありがたいですね。自分と与えられたミッションの差を補うために今後も学び続けていきたいです」
半年間、月に2日、就業時間を濃密な学びの時間にあてられた!
![グラフ](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/95/9581e295-8709-4754-bf23-2ca1108cc942.jpg)
会社の経営陣との対話で経営を学ぶ
終日開催される充実のプログラム。じかに話して会社の役員が身近になったと勢村さん。課題が多く、出社前の朝2時間を勉強に。ともに乗り越え刺激を受けた仲間とのつながりは深く、社内の人脈も広がったそう
![学びの相棒](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/44/448c5f5d-0795-4d52-b912-c9c419788fa2.jpg)
学びの相棒
経営スクールの教材と、教養を身につけることを目的とした読書会で出会った本たち。これまで手に取らなかった文化や宗教など幅広い分野の本を読み視野が広がる機会に
Q 学び直しをして得たものは?
自分自身を見つめ直し、自己実現につながる仕事観にたどりついた
撮影/木村 敦 取材・原文/佐久間知子 ※BAILA2022年2月号掲載