スーパーバイラーズが得意な部活動に分かれて、毎月活動報告をしていく連載。今回は、読書部がおすすめの本をご紹介。秋の夜長は、ふと本が読みたくなる。読書部2人が選んだ寝る前に手に取りたい一冊をお楽しみあれ。
野口瑠菜さん(教育関係・27歳)
大切な想いが、温まる─『木曜日にはココアを』
秋の夜長、ふと心細くなったり、まるで自分が独りぼっちのような気持ちになること、ありませんか? そんな寂しさをそっと温め、優しい眠りに導いてくれる一冊です。
悩みや不安を抱える人々がふと足を止める、桜並木沿いにひっそりたたずむ「マーブル・カフェ」。それぞれがカフェで自分と向き合い、癒され励まされることで、思い思いの道へ一歩踏み出していきます。カフェの店主、新婚旅行先で出会った老夫婦、様々な人の言葉がまるでホットココアのようにじんわりとしみ渡ります。自分の芯を育てたくなったり、大切な人や愛する人がより愛しく感じるはず。温まった優しい気持ちが眠りにいざなってくれます。
『木曜日にはココアを』青山美智子著 宝島社
なにげない出来事が大きな変化を起こす。小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集
渡邊りりあさん(企画広報・30歳)
言葉から音が伝わってくる物語『蜜蜂と遠雷』
第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞をダブル受賞し、映画化やコミック化もされた人気作。「芳ヶ江国際ピアノコンクール」を舞台に、世界から集まるコンテスタントたちが繰り広げる競争と自己との闘いが描かれた音楽エンターテインメントです。
なんといっても、この物語の素敵なところは言葉からキラキラと“音色”が聴こえてくるところ。本格的にピアノを弾いたこともなく、クラシックにあまり詳しくない私でさえ、一音一音聴き逃したくない気持ちになります。文字を読むのではなく、音を楽しむ、まさに“聴く小説”。一曲ごとに思わず目をつむって、会場に響き渡る音楽を堪能する……そんな読書体験をしてみませんか。
『蜜蜂と遠雷』恩田陸著 幻冬舎
世界最高峰への登竜門といわれているコンクールで、様々な思いを抱えた若き才能たちがぶつかり合う様子を描く