リモートワークの普及や働き方の多様性がうたわれる今、メジャーになりつつある「副業」。今回は、読者ライターとしても活躍するスーパーバイラーズ・渡邊りりあさんにインタビュー。記事を書くことの楽しさに気づき、「note」にエッセイを投稿したことで仕事のオファーが来るようになったという。
“副業の最大の利点は好きなことで成長しながらずっと好きでい続けられること”
渡邊りりあさん
【本業】レジャー・サービス企業 企画広報
【副業】ライター
埼玉県出身。本業では、主に漫画やアニメなどの展示会の企画&PRを担当する。副業の仕事は、ファッション誌の編集部や、趣味で執筆するnoteを通じて受けている。
本業9:副業1
渡邊さんの副業の日スケジュール
9:00 起床、朝食
11:00 記事のネタ集め
13:00 昼食
14:00 カフェや自宅で執筆
17:00 のんびり
19:00 夕食
20:00 ジムや野球観戦へ
22:30 入浴、校正作業
24:00 就寝
「最近は本業が忙しいため、執筆作業を行うのは休日のみ。途中でカフェや図書館に移動して、気分転換しています」
文章を書くことで頭も心も整理されてスッキリするんです
イベントの企画や広報として働きながら、スーパーバイラーズ、そして読者ライターとして活躍する渡邊さん。ウェブ記事を執筆するなかで、文章を書く楽しさに気づいたそう。
「好きなことについて自由に書いていいと聞き、面白そうだな、と感じてチャレンジしました。学生時代はコトバに関するゼミに所属しており書くことも好きでしたが、エンタメとして書くのは想像していたよりも難しかった。でも好きなことがテーマだからこそ、あきらめずに頑張れたような気がします。コツをつかんだら楽しめるようになって、趣味のスイーツ作り、書評、好きなアーティストなどを主なテーマに、週1本のペースで執筆。編集部から評価され、イベントのルポなども依頼していただけるようになりました」
うまく書けないと深夜までかかり、寝不足になることも。だが原稿を書き終わったときの達成感がとびきり気持ちよく、眠気も吹っ飛ぶのだとか。
「たとえるならば、テスト勉強をやり遂げたときの感覚! 普段の仕事とはひと味違った達成感が得られます。閲覧数が伸びたり、読んだ方がコメントしてくれたりすると、さらに嬉しさが倍増。ギャラは高くはありませんが、お金では得られない満足感があるので気にしていません。そう思えるのも、副業ならではですね」
ライターを続けて2年ほどたつと「これまでとは違う文章を書いてみたい」と思うように。メディアプラットフォーム「note」でエッセイを書き始める。
「何を書こうか模索しながらたどり着いたのがエッセイ。自分の考えや感情を反芻しながら書くことで、自然と頭も心も整理されてスッキリするんですよ。もっとうまく書けるようになりたくて、練習とモチベーションアップを兼ねて様々なコンテストに参加しています。これまで何度か入賞しましたが、いちばん嬉しかったのは、自分が書いた作品を含むエッセイ集が出版されたこと! 入賞すると多くの人の目に留まるため、コメントも増えましたし、なんと、お仕事の依頼もいただけるように。ハンドメイド作家さんのHPに掲載する紹介文など、様々なお仕事を経験し、文章の幅が広がりました」
noteで書いた記事を読んだ本業のクライアントから、担当するイベントへの寄稿を依頼されるなど、活躍の場を広げている渡邊さん。今後もずっとライター業は続けていきたいが、本職にするつもりはないとか。
「フリーのライターにならないかと声をかけていただいたこともあるのですが、副業だからこその楽しさを失いたくなくて、お断りしました。イベント企画の仕事も好きですし、今の働き方がいちばん、いいとこ取りなのかなと。いろんなことに挑戦できるゆとりを、絶やさず持っていたいので!」
[渡邊さんのHistory]
22歳 2014年 大学を卒業し損害保険会社に就職
24歳 2016年 現在の会社に転職。雑誌のブロガー組織に所属
26歳 2018年 副業スタート 読者ライターとしてウェブ記事を書き始める
28歳 2020年 noteのアカウントを開設。エッセイを書き始める
29歳 2021年 コンテストで入賞したエッセイが書籍に!
原稿を書く日は予定を入れずに集中!
渡邊さんにとって副業とは…
自分の可能性を知り、さらに成長するためのモチベーション源
撮影/千葉タイチ 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2022年12月号掲載