より自分らしく輝くために、働き方を選択できる時代。連載第2回は、ロート製薬株式会社のHB事業企画部で、マーケティングと営業の架け橋となる業務を行っている蓮池ちひろさんをクローズアップ。
「社員を応援する会社」でつかんだ、仕事と家庭の最適バランス
ロート製薬株式会社 HB事業企画部 企画・データMグループ
蓮池ちひろさん
東京都出身。36歳。学生時代はラクロス部に所属。アスリート就職セミナーでロート製薬の営業担当の話を聞いたことをきっかけに「これしかない」と思い、営業職を志す。
「産休後の時短勤務を経て、フルタイム勤務にシフトしてから2年。
お客さまに商品をお届けするための営業戦略を立案する今の仕事は、課題も責任も多く難しいと感じることもあります。
一方で、営業の商談をサポートしたことで結果につながるのは嬉しいですし、大きなやりがいになっています。
何より、お客さまが店頭で商品を手に取ってくれている姿を見ることはいちばんのモチベーションになっています。
異動した頃は仕事を家に持ち込んでしまうこともありましたが、今ではパソコンを持って帰らない日をつくるなど、家庭とのバランスも意識しています。 将来的な副業も視野に入れ、2020年には産前産後の女性を支援する、産後サポートの資格も取得。
今ある仕事に取り組みながらも、さらなる成長を目指していきたいです」
HISTORY
2009年 ロート製薬入社。営業部に配属。小売店に対し、商品の提案や売場の提案などを行う。担当したのは「オバジ」などスキンケア製品
2014年 Eコマースやネット販売に力を入れるEC事業部に異動。社内理解を深めるため、上司とともに奮闘した
2018年 産休・育休を経て復帰。ディスプレイや販促物を作る部門へ異動。
2020年 コロナ禍のリモート勤務で通勤時間がなくなり時間に余裕ができ、資格の勉強を開始。産後サポートの資格を取得した
2021年 HB事業企画部に異動。営業が商談に行く際に必要な情報を準備するなど、マーケティングと営業の架け橋となる業務を行っている
この会社にいたら、なんでもチャレンジできる気がする
目指したいと思えるロールモデルに出会えた
今回、取材のためロート製薬の東京支社を訪れると、入り口で右往左往していたバイラのスタッフに対し、出社してきた人たちが次々と「どちらへ行かれますか?」と声をかけてくれた。壁のないワンフロアにすべての部署がある開放的なオフィスは、社内の風通しのよさを象徴しているよう。
「私たちとしては全然、普通のことなんですけどね(笑)。役割で区切らず、気づいた人が行動するという文化が根づいています。社員それぞれに“ロートネーム”と呼ばれるあだ名があり、役職で名前を呼ぶこともありません。横のつながりが強いことが特徴かもしれません」
そう語る蓮池ちひろさんは、産休と育休を経て2018年に現場に復帰した一児の母。育休後に配属されたチームは、8割が先輩ママという環境だったそう。
「子どもがまだ小さいときは、急に熱を出して保育園に迎えに行かなければいけないことも多くて。チームに迷惑をかけてしまうという申し訳なさがありましたが、『よくあることだよね』と理解し、共感してくれたことは嬉しかったです。社内にはあらゆる年代の子どもを育てるママがいますし、家庭によって環境も様々。いろんなタイプの先輩がいることは心強いですし、私もできる限り後輩の力になりたいと思っています」
子育てをしながら自分自身のキャリアアップも目指す、蓮池さんの今の働き方に大きな影響を与えたのは、かつての上司である高野愛子さんだ。
「入社5年目で配属されたEC事業部は、高野さんと二人でスタートした小さなチームでした。当時はまだEC(通販)に対する営業の取り組みを始めたばかりで。まずは勉強会を企画して社内理解を深めました。様々な壁に直面しながらもパワフルに突破していく、高野さんの決断力と行動力に刺激を受けましたし、バリバリと働きながらも子育てやプライベートを充実させている姿を見て、目指したいと思うロールモデルができたんです」
いつかは資格を生かして副業ができたら
もともとは「自信も責任感も薄いタイプだった」と振り返るけれど、「戦略に携わりたい」という意欲がわき現職に。将来的には「商品の魅力を外部に直接伝える仕事にも興味がある」と、向上心が尽きることはない。2020年には、働きながら勉強して資格も取得した。
「出産前に立て続けに自分の母と義理の母を亡くしたこともあり、産後は身近に頼る女性がいないことにとても苦労しました。そこで興味を持ったのが産後サポートの資格。産前産後の母親に寄り添い支える環境をつくる仕事はとても意義があると思い、勉強を始めました。まだ資格を生かしてはいませんが、『社外チャレンジワーク制度』という副業を認める制度があるので、いつか両立できたらと思います」
ロート製薬には、ほかにも部を超えた兼業を認める「社内ダブルジョブ制度」などユニークな取り組みが。「この会社にいたら、自分次第でなんでもチャレンジできそうな気がするんです」と語る蓮池さんの言葉どおり、多様な働き方を認める環境は、ポジティブな空気に満ちていた。
(左)高野愛子さん(右)蓮池ちひろさん
ある日のスケジュール
6:30 | 家を出発 |
7:30 | 会社に到着し朝食をとる |
8:00 | 始業 |
16:55 | 終業 |
18:30 | 子どものお迎えへ |
23:00 | 就寝 |
朝、保育園に子どもを送る担当は夫にお任せ。子どもが起床する前の6時半に家を出て、8時から仕事スタート。フルタイムで働きながら子どものお迎えにも間に合うよう、就業時間を定時より1時間早めている。忙しい時期は週1〜2回のリモート勤務で家で集中して仕事をすすめる
ON
営業が取引先と商談する際に、サポート役として参加することも。電話やメールで連絡するよりも直接話すほうが伝わるとの思いから、同じフロアの関係部署には直接足を運びコミュニケーションをとっている
OFF
3年前にBTSにハマって以来、韓国のライブに参戦するなど推し活に夢中! 2年前からは、毎週火曜日にK-POPダンスの教室に通っている。趣味が多い夫とは、お互いの予定をすり合わせながら育児を分担
仕事のマストアイテム
1 SEVENTEENのジョンハンを眺めて日々の癒しに
2 仕事の合間に「デオコ」のスカルプドライケアシャンプーでリフレッシュ
3 「メンソレータム」の薬用リップと「フラッシュティントリップ」をポーチにIN。唇ケア商品を担当しており、自身のリップも常にケア
ロート製薬の「社外チャレンジワーク制度」とは?
本業を大切にしながらも、就業後と土・日・祝日に社外で業務を行うことを認める制度。2016年2月からスタートした。企業の枠を超えて社外の人とともに働くことにより、知見や人脈を得て、社員一人ひとりが成長することを目指している。大学の非常勤講師、薬剤師の資格を生かした調剤薬局での勤務など、2022年度は49人が制度を活用した。
撮影/花村克彦 ヘア&メイク/小澤 桜〈MAKEUPBOX〉 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2024年2・3月合併号掲載