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タレント・俳優 野呂佳代さん「失敗に学ぶ人生が自信につながる」【仕事の景色が変わった日】

バラエティとお芝居、異ジャンルでの仕事を「頑張りが2倍になる」と笑顔で語る野呂佳代さん。道はすぐに開けなくても、停滞を感じて焦る時期があっても培った経験は、新しい景色を見せてくれる。

一難去ってまた一難の繰り返し。失敗に学ぶ人生が自信につながる

タレント・俳優 野呂佳代さん-1

思いどおりにならなかったその先でどう生きるか

22歳のときにアイドル活動をスタートさせ、近年はバラエティ番組に加え俳優としても話題作に次々と出演している野呂佳代さん。キャリアや年齢を重ねるごとに存在感と魅力を増す上り調子の人生は、計画的に将来設計を練った末に手にしたものではない。「一難去ってまた一難、一難去ってまた一難の繰り返しだった」と振り返る。

「20代前半にはすでに、思い描いていた理想はくずれていました(笑)。たどり着いた先でどう生きるか、その都度、必死に対応してきた気がします」

歌って踊ることが大好きで、10代からオーディションに応募してきたものの、ことごとく不合格。年齢を2歳ごまかして応募したAKB48のオーディションに合格し、ようやく夢をかなえた。ところが選抜メンバーになかなか選ばれず、握手会でも野呂さんの列に並ぶファンの数はまばら。現実の厳しさを突きつけられたという。

「しかも周りは全員私より年下だったので、『お姉さんとしてこう立ち回らなきゃ』など、いろんなことをぐるぐる考えていました。頑張ってもしっかりできないから、(大島)優子や(秋元)才加に助けてもらってばかりでした」

さらに大きな試練が訪れたのは、グループ卒業後。ミュージカル『アニー』への出演を足がかりに俳優としてのキャリアを模索したものの、仕事は広がっていかない。忙しかったアイドル時代とは違う日々で、今思えば仕事に真剣に取り組めずにいたという。

「努力が足りないのに自信過剰なところがあって……。歌も本格的に習っていないから、だんだんと仕事が先細っていきました。30歳手前は48グループで活動したプライドも捨てきれなくて、どうしたら自分がやりたい仕事ができるのか、そもそもどうやってお金を生み出していけばいいのか、2年くらい本当に悩みました。それに芸能界という特殊な場所にいると、ブスとかデブとかめっちゃ言われるし、意味わかんないなって思ってました(笑)」

転機となったのは、『ロンドンハーツ』の「有吉先生のタレントマジ進路相談」という企画のオーディションに挑戦したこと。日頃の鬱憤や将来への不安を包み隠さず打ち明けると、有吉弘行さんから「目の前にある仕事を全力でやれよ!」とお叱りを受けた。

「ハッとしましたね。それをきっかけに前向きに仕事に取り組むようになったし、バラエティ番組に呼んでいただく機会も増えました。ただ、自分がバラエティに向いているとはまったく思えなくて。無理をして空回りすることもあったし、毎回毎回が試行錯誤でした。それでも、先輩の芸人さんたちが見捨てずにつっこんでくれたからこそ、ここまで生き残れたと思います」

バラエティのおかげで俳優への夢の扉が開いた

アイドルを目指すよりももっと前、野呂さんが最初に芸能界に憧れたのは幼稚園の頃。ドラマ『101回目のプロポーズ』や『パパはニュースキャスター』に出演していた浅野温子さんに憧れ、俳優になる夢を抱いたのだ。バラエティ番組に全力で取り組めたのも、「有名になったらドラマのオファーがくるかも」という希望があったから。

「俳優のお仕事が増えたのは、確実にバラエティのおかげです。それまでは本当の意味で“何かになりきる”という覚悟ができていなかったけれど、『ゴッドタン』であらゆる人のモノマネに挑戦したら、恥ずかしさやプライドを捨てられたんです。ハリウッドザコシショウさんのモノマネなんて、恥ずかしさを捨てないとできないですから(笑)。本番で決まったときの気持ちよさは何にも代えられないし、演じることが本当に楽しいと思えました。『ゴッドタン』がきっかけで、ドラマ『科捜研の女』への出演オファーをいただくことができたし、マジで感謝しています!」

ドラマ『ナイト・ドクター』『ザ・トラベルナース』『ブラッシュアップライフ』など、ここ2〜3年は俳優としてのオファーが相次いでいる。

「お芝居はまだまだだし、自信があるわけではありません。でも一生懸命頑張れていること自体が自信につながるし、バラエティもさらに全力で楽しめるようになりました。頑張りが2倍になっていく感じがするし、どっちもできて幸せだなって、最近、心から思うんです。私にとっていいバランスを、ようやく見つけられた気がします」

楽しく仕事ができるかは自分の気持ち次第

タレント・俳優 野呂佳代さん-2

インタビュー中、野呂さんがことあるごとに口にしたのは「人に助けられてきた」という言葉。彼女自身も、アイドル時代の仲間はもちろん、バラエティ番組やお芝居の現場で知り合った人など、たくさんの友人に囲まれ、関係を大切に育んでいるイメージが。

「これに関してはすごく意識しています。実は以前、ある友達との約束を2度ドタキャンしてしまったことがあるんです。私は悪気がなくうっかり、という感覚だったけど、友達からは『二度と遊びたくない』と言われてしまって。今は仲直りをしましたが、その大失敗をきっかけに、自分がいかに無自覚に人を傷つけていたのかを知りました。周りの人を大切にしようと意識するようになってから、どの現場に行っても『こんにちは!』と挨拶できる人が増えたし、友達も増えたと思います」

振り返ると遠回りにも見える人生だけど、「失敗しなきゃいろんなことに気づけないタイプだった」と笑う。

「調子に乗ったり、傷つけたり、失敗したり……。要領はよくないけれど、そのすべてを経験しないと身にならなかったと思うんです。結果的に、こうじゃなきゃいけない人生だったと思います。初めましての人とたくさん出会う練習ができたアイドルの経験も、今に確実に生きています。主戦場ではないお芝居の現場に飛び込むときも、明るく振る舞ったり、皆さんと積極的にお話しすることで、自分の緊張をほぐすことができました。もちろん仕事は楽しいことばかりではないけれど、その場を明るく乗り越えられるかは自分次第。そう考えたら、全力で楽しめるように頑張ろうって思えるんです」

HISTORY

18歳 高校卒業後、海外系のアパレルブランド店に勤務
22歳 AKB48のメンバーオーディションに合格、チームKとして活動。25歳からはSDN48を兼任、キャプテンを務める
26歳 AKB48卒業。現在も所属する太田プロダクションへ移籍
28歳 SDN48卒業
29歳 『ロンドンハーツ』のコーナー「タレント進路相談」に出演
31歳 『la farfa』の表紙を務める。プラスサイズモデルとしての活動をスタート
32歳 『ゴッドタン』に初出演

野呂佳代

タレント・俳優

野呂佳代


のろ かよ●1983年10月28日生まれ、東京都出身。2015年からはプラスサイズモデルとしても活動している。「体型をいじられることも多いけど、私自身は昔から骨格の大きい黒人女性に憧れてきたし、ぽっちゃりであることを個性だと思ってきました。22歳までアパレル店員として働いていたのですが、職場には帰国子女や外国人も多く、体型に自信を持っている人ばかりで。初めての職場でポジティブな刺激をもらえたことは大きかったです。そのマインドは今も絶対的にブレていません」

ニット¥33000/ジャーナル スタンダード レサージュ 銀座店(ウーア) スカート¥20900/ル フィル ニュウマン新宿店(LE PHIL)  ピアス¥71500・バングル¥93500・リング¥484000/マリハ

撮影/峠 雄三 ヘア&メイク/北川 恵〈Kurarasystem〉 スタイリスト/MaiKo yoshida 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2023年12月号掲載

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