30代の婦人科系の悩み&疑問に、人気婦人科医がお答え! 今回は「妊娠しづらい生理前はセックスを楽しむ時期!と激しい仕方もするのですが、行為の後になんだかお腹が痛むことも」などの疑問に対し、 生理前のセックスで気をつけるべき点を、専門医が教えてくれました。
生理前のセックス、問題ない?
30代女性のお悩み&疑問
・「妊娠しづらい生理前はセックスを楽しむ時期!と激しい行為をすることもあるのですが、その後になんだかお腹が痛いことも……。生理を控えている時の激しいセックスは体によくなかったり……するの!?」
・「生理前、PMSの時期はイライラして情緒不安定に。彼と大喧嘩してからのセックスで安心感を得るのがお決まりのパターン。ただ、生理前に激しくすると子宮によくない気もしてちょっと心配」
30代が抱く生理前のセックスへの疑問。専門医にお話を伺いました!
医師がお答え! 生理前のセックスで気をつけること
東峯ラウンジクリニック(旧・いけした女性クリニック銀座)院長。ストレスや加齢などによって起きる女性の心身トラブルに向き合い、幅広い年代の女性たちの相談に乗る。
生理前は女性上位の激しいセックスに注意
ここ10年くらい、生理前のセックスによる卵巣出血が増えてます。
生理前に女性側の性欲が増す傾向で、激しいセックス、何度もするセックス、深い挿入を求める女性が増えたように感じています。この時期、女性上位等の奥まで挿入する激しいセックスをすることで、卵巣出血が起きる可能性があるのです。激しい痛みを我慢して翌日会社に行き、腹痛に耐えられなくなって病院に来る、といったケースが多いですね。
この痛みで婦人科を受診した場合、最終月経の時期や、最近いつセックスをしたかを聞いてすぐに状況が把握できるのですが、内科や外科、救急外来に行っても原因がすぐに分からない場合も。卵巣出血はセックスの24時間以内に起こることが多く、卵巣のまわりが出血しています。
卵巣出血が見られる場合、生理が来るまで安静にすることと、パンプスなどヒールのある靴を履いてコツコツ歩くとお腹に響くので、履かないようにお願いしています。他に激しい運動、腹圧のかけすぎ等でも起こることがあります。
排卵時にできたカサブタが、生理前に剥がれて出血
卵巣出血はまったく珍しいものではありません。排卵日には、卵子が卵巣を破って飛び出す時に卵巣出血を起こします。その時に激しいセックスをすると出血することもあるので、排卵前もできれば浅い挿入に。深い挿入をしてしまうと出血が多くなってしまいます。
排卵した後に黄体ができ、出血した部分もカサブタができて血が止まっているのですが、黄体期に激しいセックスをすることで、そのカサブタが剥がれて出血したり、卵巣が腫れたりしてしまう恐れがあります。
注意すべきは、卵巣出血を繰り返すと、卵巣の病気を引き起こすリスクも高まると言われていること。セックスで深い挿入を望む女性には、排卵を止めるピルを飲むことをすすめることも。あまり知られていませんが、ピルには、卵巣の周期におやすみを作るという、避妊以外のメリットもあるのです。
妊娠しづらい時期だから、と激しいセックスを行いがちな生理前。実はリスクもあることを知って、体を労わりましょう。
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉