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映画 『約束の宇宙(そら)』をレビュー!ひとり親の母と幼い娘のロケット打ち上げまでの日々【30代のシネマナビ】

海外エンタメ好きなライター・今 祥枝が、30代女性におすすめの最新映画をピックアップ! 今回は、宇宙飛行士でひとり親の母と、幼い娘のロケット打ち上げまでの日々を描いた物語『約束の宇宙(そら)』をご紹介。本作を通して、女性が働きやすい社会について考えるヒントを見つけることができるかもしれない。

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今 祥枝

今 祥枝


海外エンタメが大好きなライター。一年365日、映画&ドラマざんまいの日々。

『約束の宇宙』

©Carole BETHUEL ©DHARAMSALA & DARIUS FILMS

『約束の宇宙(そら)』

男女平等を実現しようという議論が、日本でも高まっている昨今。世界各国で調査した、ジェンダー・ギャップ指数や女性の働きやすさなどの日本の順位を知って、あらためてジェンダー不平等に疑問や憤りを感じた人も多いのではないだろうか。

一方で、仕事や結婚、出産といった人生設計について考えるとき、ジェンダーの違いをどのようにとらえるべきなのか、迷うところもあるかもしれない。そんなもやもやする気持ちに、ひとつの視点を与えてくれるのが『約束の宇宙(そら)』だ。

宇宙飛行士でひとり親の母と、幼い娘のロケット打ち上げまでの日々を描いた物語は、詩的な映像美と坂本龍一の音楽がマッチして感動的なまでに美しい。同時に、人生を懸けたキャリアを歩み続けることが、女性にとっていかに困難であるか。そして母親であるからこその、身を切られるような自責の念についても伝えている。

フランス人宇宙飛行士サラは、ドイツの欧州宇宙機関で長年の夢だった宇宙へ行くことを目指して、訓練に励む日々。そんななか、ミッションのクルーに選ばれる。喜びの一方で7歳の娘ステラと約1年間、会えなくなるまでには2カ月しかない。高揚する気持ちと不安で心乱れる等身大の女性を、エヴァ・グリーンが繊細に演じて胸が締めつけられるよう。

劇中、サラが女性だから差別されていると思わせるシーンはほぼない。それでも元夫や同僚の男性たちに、女性であり、母親であることを“心配”されるたびに、いらだちを感じるサラ。宇宙飛行士としての覚悟は当然だが、現実的なサポートも必要なのだ。女性が働きやすい社会、女性が生きやすい社会について考えるヒントが、そこにあるのかもしれない。

脚本&監督/アリス・ウィンクール
出演/エヴァ・グリーン、マット・ディロン
公開/TOHOシネマズシャンテほかにて4/16より

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©2019 BEACH BUM FILM HOLDINGS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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©2020 The British Film Institute, British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited

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公開/TOHOシネマズ シャンテほかにて上映中

イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2021年5月号掲載

【BAILA 5月号はこちらから!】

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