妊娠初期、仕事で重いものを持つのが心配。会社に妊娠を伝えるべき時期とは？【医師が回答！30代・40代の妊娠悩み＆疑問】

30代・40代の妊娠のお悩みや疑問に医師が回答！　妊娠初期、仕事で重いものを持つのが心配というお悩みに、会社に妊娠を伝えるベストなタイミングをアンサー！

・「妊娠中ですが、職場で宅配業者からの荷物を受け取って分配したり、浄水器のウォーターボトルを付け替えたり……と重いものを持つ機会がけっこうあります。女性ばかりの職場で、当番制なのでできないと言いづらく……。産休に入るまでは頑張るつもりですが、重いものを持つことで流産や早産ってありえるのでしょうか？」

・「妊娠初期の40代。まだ流産の危険性もある時期なので会社には妊娠したことを言えずにいます。母子手帳がもらえたら伝えるつもりですが、職場で重い段ボールを運ぶのがめちゃくちゃしんどい！　まだ時期的に早いけれど、会社に報告すべきか悩む……」

「重いものはほかの人に持ってもらいましょう。お腹に力がぐっとかかるとお腹が張ってくることがあるのです。お腹が張ると切迫早産になる危険性があるので避けて。

元気だと、つい無理をしてしまう妊婦さんが多いのですが、お腹の赤ちゃんに何かあったときに、やめておけばよかった……と反省して自分を責める方が多い。身体に負担のかかることは最初からやらないほうがいいのです」

「妊娠初期（16週未満）は流産が多い時期だから……と、会社に妊娠したことを話せずにいる妊婦さんも多いのですが、これはよくないです。

赤ちゃんの心拍が確認できるまで待つ人が多いですが、その頃には悪阻が酷くなっているケースも多いですし、何より流産も多い時期。大出血したとき、周囲が驚いて会社に救急車を呼ぶ可能性もあるのです。

目安としては、子宮の中に胎嚢が見えたら会社に話すべきタイミング。時期でいうと妊娠5週くらい。月経予定日から1週間をすぎた頃には、胎嚢が確認できる場合が多いです。遅くとも6週には話しておきたいところです。

この時期の流産はけっこうな確率で起こりうるものですし、年齢が上がるほどその確率はもっと増えていきます。言いづらい職場では信頼できる人だけでもよいのでひとまず伝えて、何かあったときには配慮してもらえる環境づくりをしておきましょう」

重いものくらい大丈夫！と侮るなかれ。会社には妊娠のことをきちんと話して、重いものはほかの人にお願いしましょう。

取材・文／櫻木えみ