30代・40代の妊娠のお悩みや疑問に医師が回答! 妊娠したかもしれないという時期に、頭痛薬、便秘薬、風邪薬を飲んでもいい? 赤ちゃんへの影響は大丈夫?
Q:妊娠超初期・妊娠初期に薬を飲んでも大丈夫?
30代&40代女性の「リアルな妊娠悩み&疑問」!
・「生理中の生理痛、頭痛が酷い私。生理が来る直前にタイミングよく市販の痛み止めを飲んでおかないと、生理開始とともに激痛で吐いたりしてしまうことも。そろそろかな……と思ったら必ず薬を飲んでいます。ただ、今は妊活中。生理予定日直前に市販の痛み止めを飲むのは、赤ちゃんによくないのかも……?と不安です」
・「お通じがよくなくて、便秘薬や、センナ茶のように便秘解消に効果的といわれているお茶が手放せません。お腹が重くなったら飲んでいるのですが、妊婦になっても続けても大丈夫でしょうか?」
・「排卵後のベビ待ち期。不妊治療中なので毎月ドキドキしながら待っています。生理前の黄体期は、もし妊娠していたらネットで見かける“妊娠超初期”という時期に突入しているわけで……。この時期に風邪をひいた場合、風邪薬を飲んでも問題ないもの? 解熱剤を飲むのも心配で、つい我慢しがちです」
医師が回答!
通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を総合的に駆使した診療を行うコーチング医。認知行動療法をベースに、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを日常診療に取り入れ、健康管理だけではなく、育児の悩みや親子関係・夫婦関係の改善など、幅広い分野で同テクニックを活用する。
【ANSWER】妊娠希望の人は、市販の薬より病院の処方した薬を!
「妊活中や、妊娠したかもしれないという時期に風邪をひいてしまって、薬を服用したいときは病院へ。必ず『妊娠の可能性がある』と申告して、薬を処方してもらいましょう。
妊娠4週以降の時期に、市販薬を飲むのは避けましょう。便秘に酸化マグネシウム、頭痛にカロナール、風邪や肩こりに葛根湯程度であれば、妊婦さんでも服用可とされていますが、自己判断は控えて。成分や量を病院で相談してから飲むのが安心です。
この時期、自己判断で市販の風邪薬を飲んだとしても、医学的に問題となることはほとんどありません。ですが、その後、たとえば流産をしてしまったり、赤ちゃんに何か異常が見つかった場合に、『あのときの薬が原因では?』と紐付けて、気にしてしまうケースも多いのです。そういった意味でも、初期の市販薬の服用は避けたほうがよいでしょう。
妊娠4〜7週は薬をやめましょうとお伝えしても、健康上の問題で薬が継続的に必要な妊婦さんも一定数います。そういった人は、妊活を始めるタイミングで、薬の服用についてかかりつけ医に相談するのがベスト。薬の中には“継続作用”のあるものも多いですが、妊活を始めることを伝えておけば、妊娠した場合に備え、別の薬に変えるといった提案をしてもらえます。風邪や便秘が苦しくて病院に行った場合も、『妊娠希望』とあらかじめ伝えておけば、妊娠初期に飲んでも問題ない薬を処方してもらえるはず。
病院では、妊娠可能な年齢の女性に、妊婦さんに禁忌の薬を処方するときには『この薬を飲んでる間は避妊してください』と伝えることになっています。妊娠を考えている人は、自己判断で市販薬を飲むより、病院が処方した薬を服用するほうが安全と言えるでしょう」
【ADVICE】月経予定日直前から7週目までは、薬はできるだけ服用しないで!
「お悩みで使われていた“妊娠超初期”という言葉について補足でお話しします。
排卵日から月経予定日のことを指して、“妊娠超初期”や、妊娠2〜3週と呼ぶ方もいらっしゃいますが、実はコレ、医学用語ではありません。この時期はまだ妊娠が成立していないため、妊娠とは呼べない段階。とはいえ、インターネット等では普及している言葉。妊娠を希望している人の中には、排卵日後から妊娠判明までの時期の薬の服用について心配する方が多く、『“妊娠超初期”に薬を飲んでしまったのですが、着床は問題ないですか?』と質問に来る人が多いというのが実際のところです。
この“妊娠超初期”、つまり排卵日から1週間程度の期間における薬の服用は、まったく問題ないと言われています。もしこの時期に薬を服用したことで影響があるのであれば、その妊娠自体が成立していないのです。
とはいえ、この“妊娠超初期”のすぐ後、妊娠が成立する妊娠4週目(前回の月経開始日から4週間後くらい)からは、気をつけるべきとき。妊娠4〜7週は、もっとも敏感な時期と言われています。胎児の心臓、神経、消化器官、手足などの重要な器官が作られる大切な時期ですので、月経予定日の少し前から7週目までは、薬はできるだけ服用しないほうがよいでしょう」
「妊娠したかも……?」な時期に、安易に薬を飲むのは厳禁! 迷ったらすぐ病院へ行きましょう!
取材・文/櫻木えみ