書を探しに街へ出よう! 本を通じて、ここでしか味わえない体験ができる、ちょっと特別な東京の本屋さんをご紹介。今回は、焼きたてパンの香りが漂う「町の本屋さん」と、雑貨や古着も一緒に陳列しているアートな書店をピックアップ。
焼きたてパンの香りが漂う憩いの場所【パン屋の本屋】
「ひぐらしガーデン」は、下町のフェルト製造工場跡地を再開発した小さな商業施設。芝生の中庭を挟んで、書店「パン屋の本屋」とベーカリーカフェ「ひぐらしベーカリー」が向かい合い、ゆったりとした空気が漂う。「町のみんなに愛され、毎日訪れたくなるような場所を目指しました」と店長の近藤裕子さんが言うとおり、パンの袋を抱えて訪れる地元の人や、絵本を選びながら庭で遊ぶ親子連れの姿も多い。ここ日暮里は、古くからの風情漂う谷根千エリアからもほど近い。文学散歩の途中、美味しいパンと一冊の本を手に、カフェでひと休みしてはいかが?
こぢんまりとした「町の本屋さん」だけど、間口が広く開放感がある。向かいのパン屋さんからは焼きたてのおいしい匂いが
「ひぐらしガーデン」は建築家・谷尻誠率いるSUPPOSE DESIGNが設計。芝生の庭にはシンボルツリーの周りにベンチが並ぶ
書棚のテーマを示すサインが食パンの形に! この店ならではの「パンの本」コーナーには料理本や子どもの本に交じって、パンダの本も(笑)
『パン屋の本屋』
東京都荒川区西日暮里2の6の7ひぐらしガーデン内
営業時間:10時〜17時
定休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌火曜)
☎03(6806)6444
http://higurashi-garden.co.jp
好奇心を刺激する本と雑貨のおもちゃ箱【SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS本店】
センスのいいショップが並ぶ奥渋谷で、カルチャーのランドマーク的存在。個性豊かな書棚にジャンルを横断した本やコミックス、雑誌が並び、洒落た装丁の本や珍しいリトルプレスの本も充実。また出版物に交じって、陶器やアクセサリーなどのポップアップも展開している。広報の丸美月さんは「オープンして14年、“入り口の本屋”をテーマにだんだんと本との暮らしを彩る雑貨類も取り扱うようになりました。古着のコーナーでは“本屋好きのための古着”をテーマにセレクトしているんです」と語る。感性のアンテナを刺激する出会いがありそう!
思わず“ジャケ買い”したくなるアートブックを中心とした棚。スタッフによる手書きのコメントも読みごたえあり!
服のラックにはトートバッグや帽子なども
「出版する本屋」と呼ばれるとおり、ブックショップの奥には企画編集・出版を行う「SPBS編集部」のオフィスがある
『SHIBUYA PUBLISHING&BOOKSELLERS本店』
東京都渋谷区神山町17の3テラス神山1F
営業時間:11時〜21時(短縮営業中、イベントなどにより変更あり)
不定休
☎03(5465)0588
https://www.shibuyabooks.co.jp
(上)ジャケット¥92400・スカート¥59400/J&M デヴィッドソン 青山店(J&M デヴィッドソン) ニット¥15400/レリアン(ランバン オン ブルー) バッグ¥18700/ヤーキ オンラインストア(ヤーキ) 靴¥105600/ロンハーマン(トッズ) タイツ/スタイリスト私物
(下)シャツ¥31900/エイトン青山(エイトン) ネックレス¥39600/ソワリー
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/河嶋 希〈io〉 スタイリスト/佐藤佳菜子 モデル/山本美月 取材・原文/久保田梓美 ※BAILA2022年11月号掲載