「落ちるの一秒、ハマると一生」と言われる歌舞伎沼。その深淵をのぞき、沼への入り方を指南するこの連載。今月ご紹介するのは、若手俳優のホープと称される実力派の女方・中村梅枝(ばいし)さん。古典的な優美さと確かな演技で、観客を釘付けにする天才っぷりは、「まさに歌舞伎界の北島マヤ!! 」とバイラ歌舞伎部もゾッコンです!! 現在、歌舞伎座で上演中の十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」にて、『祝成田櫓賑』(いわうなりたこびきのにぎわい)と『助六由縁江戸桜』(すけろくゆかりのえどざくら)に出演中です。舞台を控えた梅枝さんに、その真偽を確かめに行ってきました!!
↑11月の團十郎襲名披露公演に出演中の梅枝さん。「歌舞伎と言っても、今はスーパー歌舞伎があったり、それこそ『ファイナルファンタジー』の歌舞伎化があったりと、肩肘張らずに見ることができるコンテンツがたくさんあります。今回の襲名披露公演も歌舞伎を代表する華やかな作品がそろった、とても楽しい舞台です。ぜひ気軽に劇場に足を運んでください」
11月の襲名公演は「大向う」も復活して華やかに!!
まんぼう部長 梅枝さん、先日は手打式、お疲れ様でした!! 11月7日から歌舞伎座で始まった「十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」公演を前に、10月31日と11月1日の2日間、歌舞伎座で特別公演があって、そのときに歌舞伎俳優の方々が勢ぞろいしての「顔寄せ手打式」があったんですよね。
梅枝 そうですね。あれだけみんなが揃うのは、いつぶりだろう? 今の歌舞伎座が開場したとき(2013年)も手打式がありましたね。そのあと、京都南座がリニューアルして再開場したとき(2018年)も京都でパレードがあったりして、みんな揃ったけれど、それ以来かな。コロナ禍もあったし、僕も久しぶりにお会いした方もいらっしゃいました。ほぼ全員が集まったのは、「團十郎襲名」という歌舞伎界にとって、たいへん大きなイベントだからこそですね。
ばったり小僧 やっぱりテンションが上がりましたか。
梅枝 いや、実は「はい、○○さんは、そこに座ってください」ってスタッフに指示されてるうちに始まったんで…(笑)。僕は隣が坂東亀蔵さんで、10月に亀蔵さんが出演されていた『荒川十太夫』を観に行ったばかりだったので、「すごく良かったです」という話をしていたら、気づけば幕が開いて始まりました。
部長 私も運よく拝見できたのですが、幕が開いたときは、客席がどよめきました。舞台に100人以上の歌舞伎俳優の方々が並んだ景色は壮観でした!!
↑「襲名公演での口上は未経験ですが、地方巡業に行くと口上がついているときがあって、それはやったことがあります。その土地土地にあったことを言うので、毎回、考えて書きとめたりして。セリフを噛むことはほとんどないのに、口上だとなぜか噛みそうな気がして、すごく緊張するんですよね(笑)」
梅枝 俳優側から見てもあれだけ歌舞伎座の席が埋まっているのを見るのが久しぶりで、うれしかったです。それと何と言っても、11月から大向うが解禁になったのが大きいですね。
小僧 大向うというと、「成田屋!!」(なりたや)「萬屋!!」(よろずや)と、俳優さんの屋号を客席の人が叫ぶ掛け声ですね。歌舞伎には欠かせない演出のひとつですけれど、コロナ禍で、もう3年ほど禁止になっていました。それがいよいよ解禁になったんですよね。
梅枝 はい。大向うがあると、やっぱり盛り上がるし、劇場に一体感が生まれますよね。ただ、今はまだ制限があって、4階の下手の一番後ろにボックスを設けて、その中に大向うさんが二人だけ入って掛け声をかけるという決まりになっているんです。でも、二人でやるのって、すごい大変だろうなと思うんですよ。とくに今月の『助六』なんか、すごくたくさん人が出るので、みんなのぶんの大向うをたった二人でかけるのは重労働だろうなと。
小僧 それは大向うさん、大忙しじゃないですか!(笑)
梅枝 今月をきっかけに徐々に通常通りに戻していけるといいですね。
↑女方のホープとして、どんどん存在感を増している梅枝さん。でも、普段は、舞台での堂々たる女方っぷりが想像できないくらい、いい意味で「普通」で、 むしろ大人の男性の色気が漂うタイプ。いったいどこでどう豹変するのか……小僧は興味津々です。
なかなか登場しない助六にジラされまくって1時間!?
部長 さて、そんな華やかな襲名の舞台で、梅枝さんは、まず昼の部では『祝成田櫓賑』にご出演されますね。
梅枝 『祝成田櫓賑』は、お祭りで賑わう江戸の街に、鳶頭や芸者たちが繰り出して、入れ替わり立ち替わりで踊るというものです。単純に観て楽しめる演目ですし、昼の部のひとつめの演目なので、成田屋さんの襲名披露興行のお祝いムードを盛り上げる感じでできればと思います。
小僧 夜の部は『助六由縁江戸桜』にご出演されます。『助六』は、歌舞伎を代表する演目のひとつですが、どんなお話なんですか。
梅枝 簡単に言うと、吉原を舞台に、江戸で一番の色男・助六が活躍する話です。助六はすごくケンカっ早いんだけれど、親の仇をみつけるためにケンカを吹っかけて、相手に刀を抜かせていたという話で、とにかく助六がかっこよくなるように、すべての演出ができているんですね。たとえば助六は、主人公なのに、幕が開いて、1時間くらい出てこないんですよ。
小僧 ええっ、1時間も!? それはまたジラしますね。
↑『助六』で勤める白玉は、玉三郎さんとダブルキャスト。「玉三郎さんが舞台稽古をなさるタイミングがあると思うので、それはぜひ拝見して、いろいろ学べたらと思います。玉三郎さんが白玉をやることは、きっともうないだろうと思うので、しっかり見ておきたいですね」
梅枝 それまでの間、吉原の遊女たちが、「助六さんは粋でかっこいい」「素敵だわ~」ってずーっと言っていて、お客様が「いったいどれだけ素敵な人なんだろう?」って期待するように盛り上げて盛り上げて、やっと1時間後に出てきます(笑)。それに対して、髭の意休(いきゅう)という敵役は、年寄りで、意地汚くて、遊女からも嫌われていて、と対照的に描かれてるんですね。
部長 そうなると助六のかっこよさが、ものすごく大事ってことですね。
梅枝 そう、助六がかっこよくないと成立しない芝居です。今月は、その助六を新・團十郎さんが演じますけれど、團十郎さんはまさに「助六役者」だと思いますね。僕は兄さんが海老蔵時代にも『助六』でご一緒していますが、そのときは、やんちゃで、破天荒で、若いエネルギーに満ちた助六だと感じました。 一方、亡くなった先代の團十郎さんの助六は、華やかで、おおらかで、包容力のある助六という印象があります。兄さんが今回はどんな助六をなさるのか、すごく楽しみです。
↑撮影は、歌舞伎座ギャラリーにて。麗しい☆彡 そしてこの角度、お父さまの中村時蔵さんにそっくりです!!
小僧 そして『助六』で梅枝さんは、傾城・白玉を坂東玉三郎さんとダブルキャストで演じられますね。(梅枝さんは11月7〜20日。玉三郎さんは11月22〜28日出演)。豪華に着飾った梅枝さんが楽しみです!!
梅枝 白玉は、助六の恋人の花魁・揚巻の次の役ですし、揚巻に唯一、意見できる妹分。揚巻と張り合えるような大きさが求められると思います。 白玉って、実は「おまえはいいよな」とみんなに言われる役なんですよ。というのは、『助六』って、座っている時間が、みんなすごく長いんです。意休とか、1時間20分くらい座り続けてるし。その点、白玉は、ちょっと座ったら、セリフ言って、すぐ引っ込んじゃうので、羨ましがられるという(笑)。
小僧 それはなかなか辛いものがありますね。
梅枝 とにかく今月は、襲名披露公演ということで、普段と比べると派手な演目が並んでいますし、普段見られない顔合わせがあるのも襲名ならではです。また、「口上」といって、俳優が舞台でお客様にご挨拶しますが、これも襲名の楽しみのひとつ。11月、12月と歌舞伎座では襲名公演が続きますので、ぜひみなさんにご覧いただければと思います。
↑「久しぶりに会った親戚だと思って微笑んでください」とカメラマンのつゆっきーのむちゃぶりに、梅枝さんも思わず爆笑。やさしげな笑顔に小僧は胸キュンでっす♪
僕は北島マヤタイプではないですね(笑)。
小僧 それにしても最近の梅枝さんのご活躍は、すごいですよね。昨年8月歌舞伎座『義賢最期』の小万役、毅然としていて、高潔な感じでシビレました!! 今年10月、国立劇場『義経千本桜』の典侍の局も知性と品格、そして深い愛情が垣間見えて泣きました~!! 梅枝さんは存在感が際立っているというか、場を支配する力があるというか。一挙手一投足に目がクギづけになってしまうんです。これはまさに天才だわ!! 歌舞伎界の北島マヤだと私は思っておりまして……。
梅枝 すみません、その北島マヤを僕、知らなくて(笑)。
小僧 それは失礼いたしました。北島マヤは、少女漫画の金字塔『ガラスの仮面』の主人公です。千の仮面を持つ天才少女で、どんな役にもなりきってしまうんですね。ライバルの意地悪で、すり替えられた小道具の泥まんじゅうを「おら こんなうめえものくったことねえ」って舞台で全部食べちゃうくらい、役に入りこむという。
梅枝 なるほど(失笑)。
↑じつはK-POP通。「TWICEはずっと好きなんですけれど、第四世代の勢いがすごくて、次々と若い子たちが出てきていますね。女性グループで、今一番勢いがあると思うのはIVEかな。最近デビューするグループには、たいていひとりは日本人がいますね。IVEにもいるし、aespaいうグループにも日本人がいて、なんかうれしいですね」。詳しい!! IVEは紅白内定。お目が高い!
小僧 梅枝さんは、7月国立劇場で『紅葉狩』に出演されていましたよね。美しく舞い踊っていた更科姫が、一転して鬼の本性をあらわして襲いかかってくるという舞踊劇ですが、まるで鬼女がのりうつったかのような梅枝さんの踊りは、すごい迫力で、見入ってしまいました。あの入り込み方は、まさにマヤだなと。
梅枝 あ、でもそれを言うなら、僕は北島マヤではないですね。憑依型ではないですから。
小僧 そそそうなんですか!?
梅枝 いきなりパーっと憑依しちゃうのは誰だろう……。僕の中では、(中村)七之助さんは憑依型ですね。
僕は、どっちかと言うとロジックタイプで、細かく組み立てていくタイプなんです。役によって、常に「この人みたいにやりたい」というモデルがあるので、その映像を観て頭の中でイメージしたり、自分のセリフの音源と聞き比べて、「なんでこの人みたいに聞こえないんだろう」と考えたり。僕の場合、その積み重ねかな。
部長 そうすると『紅葉狩』はどなたのイメージだったんですか。
↑スーツがよく似合っていて、落ち着いた大人の雰囲気がセクスィ~。「佇まいに品があるわね~」と深く頷く部長でした。
梅枝 実は6月に博多座で上演した『積恋雪関扉』(つもるこいゆきのせきのと)という演目で、小野小町姫をさせていただいたんですけれど、これがすごく古風な踊り方を求められる役だったんですね。それで7月の『紅葉狩』もやはり古風な踊りだったので、いい機会だと思って、この際、古風な踊り方を1から勉強しようと思ったんです。これができるようになれば、絶対力になりますから。
僕の中で、古風な踊りをする人って、六代目の中村歌右衛門さんと、先代の(四代目)中村雀右衛門さんなんです。それでとにかく二人の映像を観て、古風に踊るってどういうことなのか、どういうふうに音にアプローチしていくのか、どれくらいの間を使うのか、逆にどこを抜くのか、っていうのをずっーと見て、研究して。実際にそれができたかどうかわからないですけれど、勉強になりました。
小僧 その「古風な踊り」って、どんな踊りなんでしょうか。
梅枝 説明が難しいですねぇ……。一番の違いは体の使い方で、イメージで言うと、日本舞踊が古風な踊り方だとすると、バレエの踊り方が現代的な踊り方かな。だからどこか窮屈そうなのが古風な踊り方で、現代風はしなやかで、伸びていくイメージがあると思います。
作品には、それぞれそれができた時代背景とかあって、作品の作風に絶対かかわってきます。古い時代にできた作品は、お芝居もおおらかで、幻想的なところがあるので、その世界観とマッチするのは、やはり古風な踊り方だと、僕は思うんですね。
部長 すごいです。この飽くなき探求心!! 梅枝さんは天賦の才があるだけでなく、努力の人でもあったんですね。
↑高校時代、ゴルフ部だったという梅枝さん。「最近、全然行ってないんですけれど、今年の夏は何回か行きました。博多座に出ていたときも休演日に行きましたね。練習もまったくしてないので、ぶっつけ本番でコースに出る感じです」。踊り同様、ゴルフのスイングもキレがありそう!
2023年は『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』に出演!!
部長 梅枝さんは、先輩の俳優さんたちからの信頼も厚いですが、後輩からもすごく慕われていますよね。この連載では、若い歌舞伎俳優さんの取材が多いんですけれど、「あの梅枝さんでも……」とか、「梅枝さんでさえ……」など、よく話がでてきます。
梅枝 いや、それはかいかぶりだと思うけれど、僕が後輩を愛していますからね。それが伝わってるのかな。何より、彼らが育ってくれないと、歌舞伎の未来は明るくないので。
部長 若い歌舞伎俳優さん、みんな個性豊かで、たのもしいですよね。
梅枝 まだまだだと僕は思います。今は、かわいいとか、きれい、かっこいいっていうだけで、乗り越えられるけれど、若さだけで乗り切れる時期って長くないし。もっと深くものごとを見てほしいと思うんですね。セリフひとつを注意されたとき、そこだけしか直さない人、他の場面まで考えて直す人、それで差がでます。ひとつのことをすべてにつなげて考えられるようにならないと、なかなか向上していかないのではないかと思います。
小僧 いや~、それはどの世界も同じですね。耳が痛いです。
梅枝 いや、僕自身、そうだったんですよ。歌舞伎の家に生まれて、18歳くらいで大人の役をさせていただけるようになって、甘い気持ちで舞台に立っていた時期がありました。でも、それで壁にぶつかって。
↑7歳の長男・大晴(ひろはる)くんは、最近、ポケモンにハマッているそう。 「10月が誕生日だったので、ポケモンカードをあげようとしたんですけれど、なかなか手に入らなくて、探してやっと手に入れました。僕も小学校の頃、集めていたんですけれど、全部捨てちゃったんですよね。あれが今も残っていたら、すごい値段がついていたのになぁ。残念!」
部長 壁にぶつかった...それは何歳くらいのときですか。
梅枝 2012年の大阪松竹座の『寺子屋』です。松王丸が松緑の兄さんで、源蔵が海老蔵時代の團十郎の兄さんで、僕は源蔵の女房戸浪をさせていただいたんですが、もう全然できなくて。みんなは「大丈夫だよ」っておっしゃってくださったけれど、父や母に「こんなにできないとは思わなかった」と厳しく言われましたし、自分でも「全然できてない」と痛感しました。 本気で歌舞伎に向き合うようになったのはそこから。「自分はできていない」と自覚できたことが自分にとってはターニングポイントになりました。
小僧 自分に厳しいところも素敵です♪ 来年は、春には尾上菊之助さん主演の『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』にもご出演されますね。不朽の名作ゲームの歌舞伎化ですから、一大ムーブメントとなりそうです!
梅枝 実は当初、僕は出る予定じゃなかったんです。でも、去年、博多座に菊之助兄さんと一緒に出ていたとき、新作歌舞伎の話になって、「『ファイナルファンタジー』やるんですね。どんな感じになるんですか?」「どのあたりをやるんですか? ああ、あの場面ですね」なんて話していたら、お兄さんが「詳しいね」って。「それはもうリアルタイムでやっていたし、大好きなゲームだから、コロナ禍で暇だったときに、もう一回やり直したんですよ」って話したんです。 そうした翌日、お兄さんが「ちょっと出てくれないか」って(笑)。「あんなに詳しいと思わなかった」って言われまして。これはもう断れないですよね(笑)。
小僧 出演が決まって、「やった!!」っていう感じでしたか。
↑趣味はゲーム! !「この前、妻と息子が1週間くらい京都の実家に帰っていたときは、 コンビニでポテチとコーラを買ってきて、1日中ゲームをしてました(笑)」。舞台のあの凛とした姿からは想像できましぇ~ん!!
梅枝 もちろん出演させていただけるのは光栄ですけれど、原作ファンなだけに、逆にこれは困ったことになったなと。『ファイナルファンタジー』っていうコンテンツがどれだけ大きくて、どれだけ熱心なファンがいるかっていうのもよく知っているから、僕なんかがやるのは恐れ多くて。
とくに今は、女優さんも出演される2.5次元の舞台がたくさんあるので、世間一般の方々からしたら、「なんで女の役を男がやるんだ?」って思われても仕方ないので、どうしたものかなって思っています。
小僧 でも、梅枝さんが演じるルールーというお役は、中村米吉さん演じるヒロインのユウナのお姉さん的存在で、ユウナのガード役として旅に同行するんですよね。冷静で強くて、一目置かれる存在……って、まさに梅枝さんのことじゃないですか!?
部長 ほんとほんと。米吉さんのことも見守らないといけないし(笑)。 歌舞伎初心者にも「歌舞伎って、すごい!!」「女方って、かっこいい!!」って思ってもらえるルールーに絶対なるはず。楽しみにしています!!
梅枝 ありがとうございます。頑張ります。まずは11月歌舞伎座にぜひお越しください。12月の襲名公演も引き続き出演しますので、そちらもぜひ。
部長 はい、世紀の襲名、この目に焼き付けたいと思います!!
小僧 チケット、まだありますように!!
■ 市川海老蔵改め
十三代目 市川團十郎白猿襲名披露
「十一月吉例顔見世大歌舞伎」
八代目 市川新之助初舞台
劇場:歌舞伎座
日程: 2022年11月7日(月)~28日(月)
【休演】14日(月)、21日(月)
【貸切】昼の部:26日(土)、夜の部:12日(土)
【昼の部】 午前11時~
一、『祝成田櫓賑』(いわうなりたこびきのにぎわい)
出演
鳶頭梅吉:中村梅玉
鳶頭智吉:中村鴈治郎
鳶頭信吉:中村錦之助
芸者松葉:片岡孝太郎
芸者梅香:中村梅枝
鳶の者萬吉:中村萬太郎
同曉吉:中村種之助
同鷹吉:中村鷹之資
手古舞おたき:市川男寅
同おたか:中村莟玉
同おふじ:中村玉太郎
若い者虎造:市川青虎
頭取松蔵:片岡松之助
町役人寿兵衛:市川寿猿
頭取錦兵衛:松本錦吾
女伊達沢潟おえみ:市川笑三郎
男伊達久住の良蔵:市川猿弥
女伊達明石のお廣:大谷廣松
男伊達滝野屋男女蔵:市川男女蔵
男伊達高嶋右團次:市川右團次
女伊達四ツ紅葉のお門:市川門之助
女伊達四ツ花菱のお高:市川高麗蔵
男伊達山崎屋権十郎:河原崎権十郎
芝居茶屋女房お栄:中村福助
芝居茶屋亭主輝右衛門:坂東楽善
芸者時乃:中村時蔵
二、歌舞伎十八番の内『外郎売』(ういろううり)
八代目市川新之助初舞台相勤め申し候
改訂:野口達二
出演
外郎売実は曽我五郎:市川新之助
大磯の虎:中村魁春
小林妹舞鶴:中村雀右衛門
化粧坂少将:片岡孝太郎
遊君喜瀬川:中村児太郎
遊君亀菊:大谷廣松
梶原平次景高:中村鷹之資
茶道珍斎:片岡市蔵
梶原平三景時:市村家橘
小林朝比奈:市川左團次
工藤祐経:尾上菊五郎
三、歌舞伎十八番の内『勧進帳』(かんじんちょう)
出演
武蔵坊弁慶:市川團十郎白猿
源義経:市川猿之助
亀井六郎:坂東巳之助
片岡八郎:市川染五郎
駿河次郎:尾上左近
常陸坊海尊:片岡市蔵
富樫左衛門:松本幸四郎
後見:市川齊入
[夜の部]午後4時~
一、歌舞伎十八番の内『矢の根』(やのね)
出演
曽我五郎:松本幸四郎
曽我十郎:坂東巳之助
馬士畑右衛門:中村吉之丞
大薩摩文太夫:大谷友右衛門
二、十三代目市川團十郎白猿
八代目市川新之助
襲名披露『口上』(こうじょう)
出演
海老蔵改め 市川團十郎白猿
初舞台 市川新之助
松本白鸚
片岡仁左衛門
坂東玉三郎(22日から28日まで)
市川左團次
中村梅玉
尾上菊五郎
三、歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』(すけろくゆかりのえどざくら)
河東節十寸見会御連中
出演
花川戸助六:市川團十郎白猿
三浦屋揚巻:尾上菊之助
髭の意休:尾上松緑
三浦屋白玉:中村梅枝(7日から20日まで)、坂東玉三郎(22日から28日まで)
朝顔仙平:中村又五郎
福山かつぎ:市川新之助
男伊達山谷弥吉:坂東彦三郎
同田甫富松:坂東亀蔵
同竹門虎蔵:中村萬太郎
同砂利場石造:大谷廣太郎
同石浜浪七:市川青虎
傾城八重衣:中村児太郎
同浮橋:大谷廣松
同胡蝶:中村莟玉
同愛染:市川團子
同誰ヶ袖:市川笑三郎
茶屋廻り:市川男寅
同:中村玉太郎
奴奈良平:市川九團次
国侍利金太:市川男女蔵
お辰:市川齊入
通人里暁:中村鴈治郎
三浦屋女房:中村東蔵
曽我満江:中村魁春
白酒売新兵衛:中村梅玉
くわんぺら門兵衛:片岡仁左衛門
口上:松本幸四郎
後見:市川右團次
◆「十一月吉例顔見世大歌舞伎」
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/769
◆公演チケット情報
https://www.kabuki-bito.jp/ticket.html
※沢瀉の「瀉」は正しくはわかんむりです。
撮影/露木聡子
取材・構成/バイラ歌舞伎部
まんぼう部長……ある日突然、歌舞伎沼に落ちたバイラ歌舞伎部部長。遅咲きゆえ猛スピードで沸点に達し、熱量高く歌舞伎を語る。
ばったり小僧……歌舞伎歴2年。やる気はあるが知識は乏しい新入部員。若いイケメン俳優だけでなく、オーバー40歳の熟年俳優も大好き。