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【明日海りおの現在地】「365日、舞台のために生きていた」ストイックな自分が変わり始めた瞬間は? スペシャルインタビュー!

宝塚歌劇団を退団してから約3年、明日海りおさんが@BAILAに登場! 迷い悩みながら出会った“新しい自分”そして“変わらない自分”。新しい経験を積み重ね歩みながらたどり着いた、明日海りおさんの現在地とは。

明日海りおさんのスカートコーデ

「宝塚時代のように、ガシガシと歩いていけない日々に、気持ちが焦ってしまいそうな時期もありました」

――約5年半、花組のトップスターとして活躍。多くのファンに惜しまれながら、宝塚歌劇団の舞台をあとにしたのは約3年前の出来事。退団したばかりの頃は「自分は何をしたいのか、何を求められているのか、未来はわからないことだらけ。これから、時間をかけてそれを探していきたい」と語っていた明日海りおさん。

「宝塚歌劇団を退団してからの約3年はいろんなお仕事をさせていただきました。そこでの経験は本当に“初めて”だらけで。映像のお仕事はもちろん、舞台は舞台でも、宝塚とはまた違い、座組みごとにそれも変わったり。目の前にはあらゆる方向にいくつもの道が伸びていて、試行錯誤しながらその道を一歩、また一歩と進んでいく……。自分の歩むぺースが落ちてしまったように感じることも多く、宝塚時代のようにガシガシと歩いていけない日々に、実は気持ちが焦ってしまいそうな時期もあったんです」

――そんな明日海さんが何より戸惑ったのが “隙間時間”だ。

「これもまた、宝塚時代の名残なのでしょうか。隙間時間があれば“もったいない”と、休みの日はジムに行って、ボイストレーニングに行って、メンテナンスして…‥って、ギュウギュウにスケジュールを詰めたがってしまう自分がいたのですが。このままじゃダメだなと。ちゃんと隙間を作り慣れていかなきゃいけないなと。そこで、以前は無音人間だった私が音楽を聴き始めたり、やったこともないSNSに挑戦してみたりして」

美しい明日海りおさん

「以前は苦手だった“昼寝”ができるようになりました」

――最近は趣味を通じてSNS上に何人ものお友達が。

「私は相手がどこで何をしている人なのか知らないし、相手ももちろん私のことを知らないのですが、住んでいる場所や年齢や世代も超えて趣味という共通の話題で繋がれる、それが面白くて楽しくて」と微笑む。

宝塚時代は、24時間365日、“舞台のため”に生きていた。明日海さんは今、“自分のため”の人生を少しずつ歩み始めている。

「実は最近、昼寝や二度寝ができるようになったんです。気持ちが常に張り詰めていたのでしょうか、以前は“空いた時間にふっと寝る”のが苦手で。母が来てくれたとき、そして、実家に帰ったときくらいしかできなかったんです。でも、今はそれがわりと得意に(笑)。そんなリラックス状況を自分で作れるようになったのは我ながら進歩かなって思っていて」

――新しい日々の中で、明日海さんが大切にしているのが“何もしない時間”だ。

「家に帰った瞬間、料理して、洗濯して、掃除してって、次々と一日のタスクをクリアできる人もいると思うのですが、私はそれが本当にできなくて。一旦、心を落ち着ける時間を必要としてしまうんです。自分では“ちょっと休憩”くらいの気持ちなのですが、その休憩がまた長くて……。気づいたら、3時間経っていることもあったりして(笑)。自分では新生活にもだいぶ慣れたような気持ちでいるのですが、やっぱり、まだまだ慣れていないことも多いんでしょうね。

例えば、人間関係ひとつにしても、知らず知らずのうちにエネルギーを使っているというか。やはり外の世界は家族のような仲間たちとともに過ごしてきた宝塚とは違い、初めてお会いする人も多ければ、どの現場にも気遣いの素晴らしい方々がいらっしゃって。

自分も失礼のないように、皆さんに気持ちよく過ごしていただけるようにと、どこかでアンテナを張っているんだと思うんです。帰宅後の私は、そのアンテナをしまっているのかもしれないですね。ぼーっとしながらゆっくりと、3時間という時間をかけて(笑)」

「とことん作品に集中する“変わらない自分”もやっぱり好き」

明日海りおさん全身

――エネルギーを使うのは役作りもまた同じ。作品を深く掘り下げ、役を作り上げていく、明日海さんの真摯かつストイックなスタイルは宝塚時代も今も変わらない。

「作品に入るとぎゅっと集中してしまうんです。役柄の影響を受けてしまうことも多く、着る服やメイクやマインドまでもが左右されてしまう。役を生きることはできるけれど、相変わらず、自分があまりない……。

以前は、そんな自分を“このままでいいの?”と思うこともあったのですが、最近はもう“これが私なんだ”と思うようになりました。退団後は“自分はどんな人間なんだろう”と考えることも多かったのですが、それも、なるようになっていくんじゃないかなと。

今までの私は経験で作られてきたし、これからの私も同じで、経験を積み重ねた先に未来の私がきっといる。あまり考えすぎなくてもいいんじゃないかなと思うようになりました」

いい意味で“ゆるむこと”を覚えはじめている今の自分は好き。でも、周りが見えなくなるほど作品に集中する自分もやっぱり好き。「そのどちらも、自分の中にいていいんだと思えるようになった」と笑う、明日海さんはしなやかに、柔らかく、強く進化している。

「今までは、真正面から全力で向き合う姿勢を美徳として生きてきたけれど、それを少し逃すというか。穏やかに構える姿勢も作ってあげないといけないなって思うようにもなりました。結果、自分を甘やかすのも以前よりだいぶ上手になりました(笑)。

普段は食生活に気をつけていますが、たまには流行りの“チートデイ”を設けてみたりして。そこで私が真っ先に食べるのはラーメンですね。しかも普通の一人前じゃ足りなくていつも大盛り。私、びっくりするくらい食べるんです(笑)」

――今もまだ人生はよりよい自分になるための試行錯誤の真っ最中。「新しい挑戦や新しい現場はいつも怖いし緊張する」という明日海さん。最後に「そんな自分をどう奮い立たせているのか?」尋ねるとこんな答えが返ってきた。

「見てくださる方がいるから、受け取ってくださる方がいるから、私は今この場所に立てているわけで。皆さんに進化した自分を見てもらいたいし、期待にもちゃんとこたえたいので。臆病になっている余裕なんてないというか……。

だからこそ、そこはもうハッタリです(笑)。社交的な私、アグレッシブな私、緊張に負けない私、自分自身でそう思い込み鼓舞しながら現場に向かうんです。怖いときほど“やれる”“できる”と心の中で何度も何度も呟きながら」

【Q&A】明日海りおさんの「新生活」インタビュー! 音楽学校時代の貴重エピソードも
明日海りお

明日海りお


あすみりお●1985年6月26日生まれ、静岡県出身。2003年、宝塚歌劇団に入団。2012年、月組の準トップ、2014年、花組のトップスターに就任。2019年『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』『シャルム!』で東京千秋楽で退団。退団後は、NHK『おちょやん』、日本テレビ系『コントが始まる』、TBS『DCU』ほか話題のテレビドラマにも出演。現在は、日本テレビ系土曜ドラマ『大病院占拠』に出演中。

ニット¥217800・レザースカート¥3520000(参考価格)・ピアス¥178200・リング¥72600・靴¥126500/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン(ボッテガ・ヴェネタ)

撮影/河野翔大 スタイリング/渡邊 薫 ヘアメイク/宮本佳和 取材・文/石井美輪 構成/渋谷香菜子

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