30代のお尻悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は、痔の種類についてお届けします。
知っているようで実はよく知らない痔。そもそも痔って何!?
![痔にはどんな種類があるの?](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/97/97ceff0b-dfc5-4d58-b8df-4a05424131ea.jpg)
30代女性のお悩み&疑問
・「便秘体質なので、力むときによく出血する……。痔=椅子に座る時にも痛いというイメージだけど、排便で出血するのも痔の症状?」
・「お尻がめちゃくちゃ痛くて、市販の痔の薬を使ってる。病院に行ったほうがいいのかも? と思うけれども、恥ずかしくてなかなか行けない……。自分の症状がなんなのかもよく分かってません!」
・「もともと切れ痔の自覚はあったんだけど、肛門まわりに何かできてきた気がする。これって何?? 痔が悪化した……??」
30代女性で悩む人も多い痔。とはいえ、場所が場所だけに、専門医に診てもらうことを避け、自己流で治そうとする人も多い疾患。まずは、その種類からチェックしてみましょう!
医師のお答え!
![【監修】寺田俊明先生 「寺田病院」理事長/院長/胃・大腸肛門病センター長](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/24/24764efc-1aaa-47c9-aaf5-9420ecd685ce.jpg)
【監修】寺田俊明先生 「寺田病院」理事長/院長/胃・大腸肛門病センター長
<プロフィール>東京医科大学卒業後、三井記念病院(千代田区)外科研修医を経て亀田総合病院(鴨川)消化器科にて内視鏡をはじめ多種にわたる検査を習得。その後、 大腸・肛門病の専門病院である東葛辻仲病院(我孫子)にて肛門疾患の手術全般を学んだ後、寺田病院 副院長、胃・大腸肛門病センター長として赴任。現在、理事長・院長、胃・大腸肛門病センター長を兼任。
お尻の痒み……それ、「痔」かもしれません!
痔とは、イボ痔、切れ痔、痔瘻(じろう)といった、すべて痛みがある疾患……と認識している人が多いのですが、コレ、実は大きな勘違い。
肛門の疾患をすべて「痔」と呼びます。
・肛門が痒くなる
・肛門周辺がかぶれる
といった疾患も、痔。
肛門まわりが汗でかぶれてしまう、掻きむしりたくなるような痒みがある……といった症状も、「痔」。
肛門まわりの皮膚に炎症が見られる痔の原因としては、度重なる肛門洗浄、アレルギー性疾患、真菌症(カンジダなど)、肛門疾患(痔核、裂肛、ポリープ、肛門皮垂)などが挙げられます。
実は、痔はさまざまな症状がある疾患なのです。
痔の3大疾患は痔核、裂肛、痔瘻
![痔の種類](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/97/976ad32d-55cd-4b83-85fa-4282598e577f.jpg)
痔と聞いて思い浮かべる人が多い、ポピュラーな言葉、「イボ痔」、「切れ痔」、「あな痔」は俗称です。
「イボ痔」の医学的名称は痔核(じかく)、「切れ痔」は裂肛(れっこう)、「あな痔」は痔瘻(じろう)。
痔核、裂肛、痔瘻の3つが、患者さんの多い痔の3大疾患です。
・痔核(いわゆる イボ痔)…肛門付近の血流が悪くなって鬱血し、さらに静脈がこぶ状に膨らんだもの。
・裂肛(いわゆる 切れ痔)…便秘や下痢で肛門上皮が切れ、痛みや出血を伴う状態。
・痔瘻(いわゆる あな痔)…肛門周囲膿瘍が自潰したり、切開排膿されたりして、瘻管(皮膚まで貫通するトンネルのようなもの)ができた状態。
実は身近な痔。「私は痔とは無縁!」と思っている人にも、痔の症状があるかもしれないのですね……。
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉