30代の便秘悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は、気になる便秘の原因について取り上げます。
何が原因で便秘になるの?
30代女性のお悩み&疑問
・「昔から便秘体質で、1週間以上出なくて薬に頼ることも。母には『あんたは腸が長いから便秘になる』と言われ、体質ならしょうがないと諦めてる(泣)。便秘のせいで肌荒れしたりダルかったりとしんどい……」
・「学生時代は習い事や部活動でスポーツをやっていたけど、社会人になってからまったくやらなくなり、便秘にも悩むように。やっぱり運動不足が便秘の原因なの??」
30代女性で悩む人が多い便秘。その原因について確認しましょう。
医師のお答え!
【監修】神山剛一先生 「寺田病院」外科・肛門科・胃腸科医師、「日暮里健診プラザ」・予防医学管理センター 副センター長
<プロフィール>1992年昭和大学医学部卒業。1999年イギリスSt.Mark’s Hospital、2003年昭和大学消化器一般外科講師、2009年高野会くるめ病院排泄リハビリステーションセンターセンター長、2012年亀田総合病院ウロギネコロジー副センター長、2013年亀田京橋クリニック診療部長、2014年さいたま新開橋クリニックペルビックフロアセンター長を経て現職。日本外科学会専門医。日本消化器外科学会会員、日本消化器内視鏡学会会員、日本大腸肛門病学会会員、日本老年泌尿器科学会評議員、日本リハビリテーション学会会員、日本ストーマ排泄リハビリテーション学会会員。医学監修をつとめた書籍『うんトレー誰にも言えないうんこのトラブル「スッキリ解消! 」ブック』(方丈社)も好評。
便秘の主な原因は大きく分けると4タイプ!
一定量の便をスムーズに排出できないことを便秘と定義して、原因を挙げてみましょう。
1:食事をしっかりとれていない
スルスル出るかどうかは、元となる食べたものにかかっています。きちんと便の材料を摂取できているかが大事。食物繊維は最低でも1食あたり5gはとるように心がけたいところ。
2:消化やぜんどう運動がスムーズに行われていない
食べたものが胃と十二指腸で消化され、約9リットルの液体となって小腸に届いて栄養が吸収され、約2リットルの液体が大腸に届く。そして腸の中を移動して肛門に到達するまでに固形便に変わるのですが、その速度がゆっくりなのか、高速なのかによって、便の状態が変わります。ゆっくりだと水分少なめ、高速だと水分多め。遅くも速くもない普通のスピードの場合、いわゆるスルスルバナナの状態でスムーズに出る排便となります。
3:直腸肛門機能が低下し、便意を感知して排出できない
肛門あたりに便が移動してくると、ガスなのか便なのかを感知して排便につながるのですが、直腸肛門機能が低下している場合、便が溜まって降りてきているのに気付けない人もいます。直腸でうまく便を押し出せる人であれば問題ありません。
4:その他(持病、内服など)
その他にも、持病や内服などが原因で理想的な排便が起こらない場合もあります。
不調=便秘のせいではない。不調があるから便秘になる!
よく便秘のせいで病気になったり、体の不調が起こったりすると思っている人がいるのですが、これは間違い。体調不良になるような生活を送っているから、結果として排便の不調を感じるようになるだけ。逆なのです。健康的な生活習慣は便秘改善に繋がります。
便秘の問題=大腸の問題と思ってしまいがちですが、原因はさまざま。専門医にみてもらい、診断を受けた上で適切な治療を受けるのがベストの選択と言えそうです。
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉