30代の便秘悩み&疑問に、医師がお答え! 今回は、便秘解消に繋がる食事について取り上げます。
脱・便秘するにはどんな食事をとればいいの?
30代女性のお悩み&疑問
・「便秘には食物繊維っていうけど、なかなか野菜がとれなくて……。具体的には何を食べたらいいの?」
・「毎日水を2リットル飲んで便秘解消を目指してます。続けたら効果あるのかな?」
30代女性で悩む人が多い便秘。便秘にいい食生活について確認しましょう。
医師のお答え!
【監修】神山剛一先生 「寺田病院」外科・肛門科・胃腸科医師、「日暮里健診プラザ」・予防医学管理センター 副センター長
<プロフィール>1992年昭和大学医学部卒業。1999年イギリスSt.Mark’s Hospital、2003年昭和大学消化器一般外科講師、2009年高野会くるめ病院排泄リハビリステーションセンターセンター長、2012年亀田総合病院ウロギネコロジー副センター長、2013年亀田京橋クリニック診療部長、2014年さいたま新開橋クリニックペルビックフロアセンター長を経て現職。日本外科学会専門医。日本消化器外科学会会員、日本消化器内視鏡学会会員、日本大腸肛門病学会会員、日本老年泌尿器科学会評議員、日本リハビリテーション学会会員、日本ストーマ排泄リハビリテーション学会会員。医学監修をつとめた書籍『うんトレー誰にも言えないうんこのトラブル「スッキリ解消! 」ブック』(方丈社)も好評。
Q:いい排便のために必要な食材は?
A:まずは食物繊維を
肉や炭水化物は吸収されてしまうので、たくさんとっても便のカサ増しにならず、スムーズな排便へと繋がりません。葉物や根菜など、食物繊維が含まれる食べ物をしっかりとることが大切です。
1日にとりたい食物繊維の量は、成人男性20g、成人女性は18g以上ですが、現代の日本の食生活では足りていない人がほとんど。患者さんの食事内容を確認しても、多くて15g程度です。食物繊維の含有量が多い食材を積極的に食べるのもよいでしょう。
野菜では、トマトやレタスだとなかなかカサがとれませんが、ゴボウや豆、きのこはとりやすいのでおすすめです。食物繊維が豊富なイメージがあるバナナも1本1.7gしか含まれていないので注意。キウイは1個につき4〜5g含まれますので、効率がいい食材と言えるでしょう。
A:発酵食品も忘れずに
便の構成は、水8割、固形物2割。固形物の1/3を占めているのは腸内細菌なので、善玉菌が多く含まれる発酵食品は積極的にとりましょう。具体的には、ヨーグルト、チーズ、納豆、ぬか漬けやキムチなどの漬け物、味噌など。便の成分を増やすことで、排便に繋がります。
便秘改善には水! は間違い
水分は基本的に関係ありません。たくさん水を飲めば、その分たくさん尿が出るだけです。食べ物で改善を目指しましょう。また、オリーブオイルや青汁など、便秘によいと言われる食材はさまざまですが、効果があるかどうかは個人差があります。「この食材だけ!」と決めてとるのではなく、バランスよく摂取しましょう。
食生活を見直して、目指せ! 理想の排便!
取材・文/櫻木えみ 企画/斉藤壮一郎〈BAILA〉