興味はあるけどハードルが高い…。そんな美容医療初心者が抱える不安や疑問を解決! 内科・皮膚科医の友利 新先生が本音で答えます。
内科・皮膚科医。美容クリニックに勤務。医師の視点から、役立つ美容情報や肌知識、コスメの魅力を発信。YouTube公式チャンネルで取り上げる情報は話題に。
「様々な肌悩みが露呈してくるバイラ世代は、進行させないためにも美容医療の力を借りると心強い。正しい知識を身につければ、怖くありません」
Q 1回でシミは消せる?また、施術後にシミが濃くなることもあると聞き不安です
A 基本的に無理です。また、自分のシミタイプに合った施術ならシミは濃くなりません
「1回のレーザーでまっさらな肌になれるか?と聞かれたら答えはNO。レーザーを当てる→かさぶたになる→取れる→ピンク色の肌になる→それが徐々に肌の色に変化する。この行程に3カ月〜半年はかかります。しかも、肌の奥には見えないシミが存在し、表面のシミを取ったところで、奥深くに眠っていたシミが浮き出てくる可能性も。さらに、レーザー直後の肌はとても敏感なので、いつも以上にUVケアなどを気をつけないと、シミを悪化させることもあるので気をつけましょう。シミには様々な種類があり、肌上で混在していることも多々。その人のシミ状態によって施術内容や内服・外用薬などの治療法は異なります。その選択は医師の腕の見せどころですね」
Q 繰り返されるニキビあとが悩みです
A 保険診療のニキビ治療も進んでいるのでまずは皮膚科へ
「ひと昔前までの皮膚科のニキビ治療は、抗菌剤での治療が一般的だったのですが、最近では毛穴詰まりを改善したり、ターンオーバーを促したりする保険診療のニキビ薬も進化しています。だから今もし進行中のニキビがあるならば、美容医療ではなくまずは皮膚科受診がおすすめ。だけど、それがニキビあととして悪化してしまった場合は美容医療の出番。上手に使い分けましょう」
Q 顔のたるみが悩み。でも、顔のタイプによって施術は変わる?
A 変わります。まずはカウンセリングを
「顔にお肉があるタイプは、サーマクールのような高周波で脂肪をギュッと縮める治療がおすすめ。でも顔にお肉がない人にはあまり効果はない。だから顔にお肉がない・こけてしまうタイプは、SMAS部分にしっかり当てられて、キュッと引き上げてくれるハイフが◎。皮膚が薄いタイプが糸治療をすると透けてしまう場合も。もし糸治療をするならば、ショッピングスレッドのように面で入れる治療を。たるみ治療はひとつではないし、顔のタイプで相性もある。しっかりカウンセリングしてもらい、見合った治療法を見つけましょう」
Q 毛穴におすすめな施術を教えて
A ひと言で毛穴と言っても、いくつも種類が!毛穴タイプに合った施術を
「毛穴にも様々なタイプがあるように、施術方法もソフトからハードまで多種多様。たとえば角栓や毛穴詰まりが気になる場合はピーリングやハイドラフェイシャルを。たるみや開き毛穴の場合は、小さな点状の穴をあけ、創傷治癒を図るフラクショナルレーザーやダーマペンがおすすめです。ただし、これらの施術は肌を傷つけて、肌がもとから持つ力で毛穴をふっくらさせていくので、肝斑があると悪化してしまう場合も。そんな肌の毛穴治療が可能になったのが、最新ポテンツァです」
Q シワはできる前に対処するのがいいというけど、疑問です
A 予防治療ならボトックス。シワができたらヒアルロン酸。でも、まず自分の表情のクセを見直して
「たとえば目を見開いたり、ついつい眉間にシワを寄せてしまうクセがある場合、そのクセが定着する前に予防としてボトックスを打つのは手。でも、そのクセが定着してシワが深く刻まれてしまった場合は、ヒアルロン酸治療に移行。ただし、ヒアルロン酸でシワをフラットにしたところで、表情のクセが直っていなかったら結局シワが生じるので、ボトックスの併用を。シワは長年の表情のクセが積み重なったもの。まずはそのクセを定着させないよう意識改革を!」
「知識を身につければ怖くありません」
撮影/ 押尾健太郎(人) ヘア&メイク/鈴木京子 イラスト/ユリコフ・カワヒロ 取材・原文/谷口絵美 構成/中島 彩 ※BAILA2023年6月号掲載