こんにちは。さわこです。
学生時代、我ながらいわゆる本の虫で明治文学を読みあさっていた時期があるのですが、中でも中学生のときに読んで人生最大級の衝撃を受けたのが、樋口一葉の「たけくらべ」でした。

こちらは河出文庫さんのもの。忠実な現代語訳
舞台は明治の吉原遊郭、将来は遊女になることが決まっている14歳の主人公・美登利(みどり)の「大人になりたくない」という気持ちが、当時思春期まっただ中にいた自分に強烈にシンクロしたからなのだと思います。
たけくらべは古典的な「雅文」と日常的な「俗語」が融合した「雅俗折衷体」で記されており、当時の私には難解で現代語訳で読んだのですが、ふとしたきっかけで、人生で最大のインスピレーションをくれた本を今度は原文で読みたい…!と思いたったところ、

青空文庫さんが無料で公開されてらっしゃいました。
句点とカギがほとんど使われていない、独特のリズム感で踊りながら流れているかのような文章…!
樋口一葉の真骨頂です。
美しすぎて翻訳が難しい、と評されるのもうなずけます。
「廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火ともしびうつる三階の騷ぎも手に取る如く…」の書き出しはあまりに有名。
吉原の入り口から町の風景、人々の様子を一気に描写していて、うなってしまいます…。

美登利は美しく成長。
淡い恋心を抱いた相手は僧侶の息子の藤本信如 (ふじもとのぶゆき、しんにょ) で、本人たちも恋とは気がついておらず…
ある朝、家の門に差し入れられた水仙の造花を美登利はなぜか懐かしく思い、一輪ざしに飾って眺めるのですが、その花が置かれたのは信如が僧侶の学校に入るために町を去る前の日のことでした。
「聞くともなしに傳へ聞く其明けの日は信如が何がしの學林がくりんに袖の色かへぬべき當日なりしとぞ。」
この終わり方が美しすぎて…!傑作…!
聞くともなしに…のこの伝え聞いた感、そっけなさ感が遊女と僧侶になる運命の2人のクロスしなさを際立たせているみたいで、胸が締め付けられます。
今読み返すと、こんな時代もあったなという去就と、それさえも美しい日本語の調べとなって胸に沈む一方で、大人になったからこそ恋心の定義が難しくなった途方のなさにもまた苦笑してしまいました。
名作とは、読むたびに新しい切なさを連れてくるものですね。














































































