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【銀色夏生さんのエッセイを読む】日々の営みの中から生まれる名言に救われる

銀色夏生著「つれづれノート」シリーズ

こんにちは。スーパーバイラーズのMomokoです。

日々過ごしている中で、何となく「このままでよいのだろうか…」 「この毎日って一体何につながっているのだろう…」というような、"漠然とした不安"に襲われることってありませんか?
私は普段の生活の中で、急にそのような気持ちになることがあるのですが、そんな時に読むのが”エッセイ”です。

今回は、私が普段から愛読している銀色夏生さんのエッセイを紹介します!

銀色夏生さんについて

銀色夏生(ぎんいろ なつお)さんは、1960年生まれの詩人です。
1983年に沢田研二さんの「晴れのちBLUE BOY」で作詞家としてデビュー、その後は小泉今日子さんや松田聖子さんなど、数多くの著名な歌手に詞を提供しています。

作詞の他にエッセイ本や小説も多く出しており、今回ご紹介する「つれづれノート」シリーズを代表として約150冊を超えるそう。日常の中に潜む美しさや感情が繊細に描写されており、読者に温かさや勇気を与えてくれます。

「つれづれノート」私の好きな3冊

銀色夏生さんのエッセイシリーズ「つれづれノート」。畑仕事をしたり、将棋の試合を見たり、直売所や温泉へ行ったり、寝る前に映画を見たり…と、夏生さんの日々の暮らしの日記が素直な言葉で綴られています。

その中でも、私が手元に置いているお気に入りの3冊と、その中に登場する夏生さんの明言をご紹介します。

つれづれノート44 「きれいな気分、軽い感情。」


つれづれノート44 綺麗な気分、軽い感情。

『つれづれノート44 綺麗な気分、軽い感情。』
 銀色夏生 著/角川文庫(税別¥740)

表紙の「きれいな気分、軽い感情。」という言葉に誘われて、思わず手に取った1冊。
この題名のもとになったエピソードに、名言が隠れていました。

考えたことが未来をつくるという言葉はよく聞いて知っていたが、昨日、改めて本の中に見て、ハッとした。私はよく、失敗した出来事を反省して原因を解明するために自分のどこがいけなかったのか、次への対策は?など、何日も何か月も何年も真剣に考え続けていたが、それはよくなかったのではないか。
反省も解明も悪いことではないけど、それほど長く考え込むべきではない。そんなことを考えていたから未来が悶々とし続けていたのだ。
パッと切り替えて明るい気分で過ごしていたら、次の日は明るい気分になっていたかもしれない。何十年も、断続的に暗い気分を作り出していた私だった。

で、昨日から、たとえ研究や探求であっても暗いことを考えるのをやめることにした。
透明で明るいドロップの色のような気分、しっとりと落ち着いたやさしい色の感情、できれば輝く金や銀のひらめきや展望など、とにかく気分の色をきれいにすることにする。忘れていても、気づいたら、そうする。手帳にもそう書いた。
暗い反省や妄想をし始めたら、ハッ、ダメ!と思って、きれいな気分、軽い感情。きれいな気分、軽い感情、だよ。
今日考えた明るさと暗さの配分がそのまま明日に適用されるとしたら、明日のために明るいことを考えていたいと思う。

私も、普段自分の心にしこりが残るような出来事があったとき、気づけばそのことばかり考えてしまって「じゃあ、どうすればよかったんだろう…」とループに入ってしまことがあります。周りに愚痴を言ってしまったり…

気持ちの切り替えって大事ですよね。未来の自分が明るい気分でいられますように!何事も、自分の心持ち次第ですよね。

つれづれノート46 「ひとつの小さな楽園を作る」


つれづれノート46 ひとつの小さな楽園を作る

『つれづれノート46 ひとつの小さな楽園を作る』
 銀色夏生 著/角川文庫(税別¥740)

夏生さんが、日々の生活の中で自分と向き合い、自分の考え方や行動を振り返り…そして夏生さんなりの自分の生き方について、素直な言葉で綴られます。

昼すぎ。雨の中。
昼食のスパゲティ用にブロッコリーを畑に採りに行きながら考えていて、私が何を目的として今回の生を受けたか、何をしようとして生まれた人生なのかがわかったような気がした。
それは、「誰にもお伺いを立てなくていい人生」、「100パーセント自分の決断で、自分のやり方で生きる人生」だ。
自分の思いに忠実にひとつひとつの物事を選択して生きたらどうなるか、それを知りたい。
…いろいろ考えていて、生まれてきた目的はそれではないかと思った。
~~(省略)
結局どうやっても今のこの形なんだ。
そう思うと、今後の身の振り方というか、無理や無駄のないやり方、生き方、考え方がおのずとわかるというもの。
迷いもなくなるよね。うん。なくなる。
なにかあったらまず、このことを思い出して、それに照らし合わせて決断すればいい。その線にそって物事を把握し、判断すればいい。
それでもなお違う点が生じたら、考えて、修正すればいい。修正しながら進めばいい。

人は夢を見たがるものだし
力のあるものに吸い寄せられたいと思うものだけど
そこで踏ん張って
現実の地面に足をつけていなければいけない
本当の充実感は地に着いた足の底からじわじわと上がってくるものだから

と、今朝のひらめき。
雨が降っている音がする。

思わずドキッとする言葉。「なるほど…私はどうなんだろう?」と、振り返るきっかけに。私も自分なりの生き方について、自分の暮らしの中でゆっくりと考えていけたらいいな…

つれづれノート47 「日々、実験中。そして、「すごくなくていい」。」


つれづれノート47 日々、実験中。そして、「すごくなくていい」。

『つれづれノート47 日々、実験中。そして、「すごくなくていい」。』
 銀色夏生 著/角川文庫(税別¥780)

夏生さんの言葉を読んでいて、夏生さんは日記の中で自分と自問自答していたりするのだけれど、私にも語りかけてきているような、そんな気持ちになることがあります。「あれ、どうしてわかるの?」と。まるで代弁してもらっているような…。

やろう、やりたいと思っていることなのに、どうしてもやる気が出ない。
どうしてやる気にならないのだろう。難しいことだからか。確かに、簡単そうで難しい…。なんか手が出せない。とっかかりが見えない。
でもやらなきゃと思う。
こういう気持ち、前にも何度かあったなと思った。
こういう時はまだ機が熟していないのかも。無理にやろうとしている時にこうなる。気ばかり焦って…。
そうだなあ。もうすこし様子をみようか。
やらなくてもいいかな…と考えるとふと気が楽になるということは、やはり今はまだその時じゃない。急ぎすぎているのかもしれない。

幸せとは、やりたいことを実行できること。
やりがいは、そこへ向かって動いているという実感。

温泉から家に戻ったこの瞬間が1日の中でいちばん好き。
なぜだかすごく幸せを感じる。
1日を、まるで一生を過ごすように生きている。

すごく当たり前に聞こえるかもしれないけど、気が付いたら忘れてしまっているようなこと。夏生さんの言葉は、そういったことを丁寧に拾い上げてくれるような気がします。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

私は、自分以外の人たちが、日常の生活の中でどのようなことを考え、行動しているのか?エッセイなどを通して知ることで、ハッとする発見があったり、何となく「私も一人じゃない!」 「きっと大丈夫!」という、"漠然とした安心感"に包まれます。

みなさんには愛読しているエッセイはありますか?ぜひ教えていただきたいです♡

銀色夏生著「つれづれノート」シリーズ
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