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【読書ログ】杉井光著「世界でいちばん透きとおった物語」を読んでみた

杉井光|世界でいちばん透きとおった物語

こんにちは。スーパーバイラーズのMomokoです。

さて、6月に入り梅雨の季節の幕開けですが、みなさんはどうお過ごしでしょうか?
私は、この季節になるとなぜか、読書が捗るのですが…(自宅でゆっくり過ごす時間が増えるからでしょうか)最近、数年前に流行ったある一冊の本を知人に貸してもらい、読んでみました。

今回は、その読書ログを綴ってみたいと思います。

CONTENTS

  1. 「世界でいちばん透きとおった物語」
  2. ①物語の構成と「読む体験」の面白さ
  3. ②文章から感じる透明感と静かな没入感
  4. ③読後に残る余韻とこんな人におすすめしたい!
  5. おわりに

「世界でいちばん透きとおった物語」

杉井光|世界でいちばん透きとおった物語

「世界でいちばん透きとおった物語」
杉井 光 著/新潮文庫(¥737)

今回ご紹介するのは、こちら「世界でいちばん透きとおった物語」。数年前に流行り、「絶対に予測不能な衝撃のラスト」と話題になった小説です。

帯にもあるように、「王様のブランチ」でも紹介されたそう。

普段からミステリー小説をよく読んでいる私は、「久しぶりに新しいミステリーが読める!」とわくわくしながらページをめくりました。

『世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光 | 新潮社
杉井光|世界でいちばん透きとおった物語

あらすじは、こちら。
大御所ミステリ作家が死去し、その隠し子である主人公である青年が、父の遺作「世界でいちばん透きとおった物語」の原稿探しに奔走する物語。出版関係者や父の愛人たちを訪ね歩く中で、父の意外な素顔、そして原稿に隠された"紙の書籍でしか味わえない"衝撃の真実が明らかになります。父が物語に隠したメッセージとは…?

ここからは、この小説を読み終えて私が感じた、この本ならではの魅力を綴ります。

①物語の構成と「読む体験」の面白さ

この小説の最大の特徴は、単なるストーリーの展開ではなく、「読む」という行為そのものに働きかけてくる構成にあります。

物語自体は、主人公の青年の冷静な語り口調も相まって比較的静かに進行していくのですが、読み進めるにつれて「これってどういう意味なんだろう?」という僅かな「違和感」「引っかかり」が少しずつ積み重なっていき…その感覚が、自然と読者の意識を物語の外側へまで広げ、「この作品はどのように作られているのだろうか?」という視点を呼び起こすのです。

内容を"知る"というより"体験する"タイプの、ある意味一つの芸術作品ともいえる構成になっています。(ネタバレにならないよう、匂わせる程度にしておきます笑)

②文章から感じる透明感と静かな没入感

文章自体は非常に読みやすく、無駄のないシンプルな表現で統一されているように感じました。一つひとつの言葉の選び方、そしてその配置には繊細さがあり、全体として「洗練された小説」という印象です。

全体的に読者の感情を強く揺さぶるような派手さはないのですが、静かに読み手の内側へ入り込んでくるような、ある意味、タイトルにもある「透きとおった」という表現が内容とリンクする、そんな小説だと感じました。

ページをめくる手が止まらない!というよりは、気づけば深く集中して読んでいる、そんなタイプの没入感で、私も気が付けば2時間とちょっと、他の作業を挟む間も入れずに一気に読み終えていました。

③読後に残る余韻とこんな人におすすめしたい!

読み終えた直後は、大きな驚きというよりかは、「静かな納得」「考え続けたくなる感覚」が残りました。物語の意味やタイトルの示すものについて、自然と自分の中で改めて整理したくなるような、そんな余白を与えてくれる結末です。

ちなみに私は、読み終えた後に「なるほどね…」「ミステリーというよりも小説に近い作品なのかな?」「何となく違和感が残るけど…この感覚は何?」という感想を持ったのですが、後日この本を貸してくれた知人に「実はね…」とこの本の仕掛けを教えてもらい、「これはある意味で体験型のミステリーだ!」と驚きました!それと同時に、この本を作り上げた著者である杉井さんの「作品に込める熱意」を強く感じました。(「あとがき」までぜひお読みください!)

そのため、私はこの作品を「読書体験そのものを楽しみたい人」「構造的な仕掛けのある作品に興味がある人」にぜひ読んでいただきたいと思います。また、「"本という媒体が持つ特性"に改めて目を向けたい人」にとっても、非常に印象に残る一冊になると思います。

おわりに

杉井光|世界でいちばん透きとおった物語

いかがでしたでしょうか?

「世界でいちばん透きとおった物語」は、静けさの中に独自の仕掛けと深みを持った"作品"であり、私は久しぶりに新しい読書体験をすることができました。

みなさんも、ぜひこの梅雨の季節を「本との出会い」に使ってみてください☔✨たまには、「自分で選ばないような本」を知人に教えてもらうのも楽しいですよ!

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