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【婚姻届を出す前に】家事育児分担が夫:妻=10:0に至るまでの攻防【話したこと】

結婚前に、結婚後のことを決めるカップルが多数派なのか少数派なのかは分からない。

わたしは決めないで結婚なんてこわいと思っていたのと、そもそも結婚しないというオプションがあるのだから、するなら相応のこととして捉えようと思った。
 
夫がメインで家事育児をしているが、なんで?とはよく聞かれ、それでコンセンサス取れていたからと答えるほかないが、話すと長いし見苦しいので濁してきた。
 
7年くらい前か。当時彼は29歳、私27歳で結婚を前提に交際。交際約一年のうち、数ヶ月は再三再四、結婚後のライフスタイルについて話し合ってきた。そのかい?あってか、結婚後、子ども2人生まれた後もケンカなく過ごし、結婚前より仲良くなっている。

家事育児は独立した事象ではないので、以下の関連項目にも及んだ。

上の4つ以外は秒で終わった。
・仕事
・家計の負担
・家事育児の負担(外注した場合などの金銭的負担をも含む)
・夫婦感の感情労働
・子供にまつわるあれこれ(養育、教育、教育費、国籍&姓、性別)
・住まい
・収支、借金の考え方
・親とのつきあい

なお、理想が違うと険悪なムードになりがちなのでクロージングする自信がなければおすすめはしない。
 
二転三転するがスケジュール感としては
まず彼が本音を言うのに2か月。
彼の提示した条件、働くのを私が承諾するのに2か月。
彼の提案2:1を1:0にするのに2か月。
 

この手の話が出た時はたいてい口論になった。それでも粘り強く続けていたのは、結婚後出産後と後回しにしたところで、再燃は必至であり、それで不満を持ったりリラックスする場の家庭で荒波立てるのはナンセンスだと思ったからだ。
 
こんな話しないほうがすぐ結婚できるのは重々承知していたが、目の前のプロポーズや結婚式よりも、円満な結婚生活に重きを置いていた。
 
それにトータルでみれば、このほうが短時間で済む。時間にも気持ち的にも余裕があるので毎回コンセンサスに至らなくても2週間とか1か月後にほとぼりが冷めてからまた建設的な提案をすればいい。これが子どもが既に生まれた状態では難しいのではなかろうか。
 

彼にもなあ、イタリアに来てまでそんな話する?と呆れられた。彼は折衝をきらうわりに、男気があるタイプではなく、ごちゃごちゃ言ってないで俺についてこいという気概もないので、モデレーターは私が勤めた。
1ミリも引っ張ってくれないがかっているのは彼の遂行能力なので問題ない。
 
 
2人とも結婚に対しフラットな態度だった。結婚で人生が好転することはなく、好意的にいえば知足、持っている側だという認識だった。かくして二人して、何ものも拒まない。だから何も奪うな、状態だった。

婚前に話し合う必要のあること、ないことの区別は、排他性があるかどうかに尽きる。
 

婚姻において排他性が強いものには、金と性と、子どもがある。
とくに子どもに関しては、嫡出子をもつには配偶者の協力か黙認がいる。
 
子どもをどうするのか、生活を維持する費用及び労力を誰が担うのかが論点になった。
 
交渉の鉄則は、まず勝てるタイミングで、が定石だがこと婚前の話し合いにおいては上策とは思わなかった。

男性がスイッチ入った時は相手を異様に高く評価し何でもする勢いだが、往々にして気持ちを減価償却してないしあくまで現状子供のいないキャパオーバーしない範囲、とその想定が甘いことがある。

婚姻は勝ち負けではない。男性側の女性への矢印が大きい時機に承諾を引き出したとて、意味はないのだ。上方婚を目指す場合は別だが。
 

 

 
次に相場を知り、多めに投げてみることであるが、相手による。
 
隙あらば搾取しようとする相手なら拮抗してちょうどいいが、誠実で約束を守る相手に欲張ると見放されるのがオチである。彼は物事を盛るどころか割り引いくタイプで、下手に提案して地雷踏むのもあほらしいので出方を窺うことにした。
 
変な相手でなければ結婚だけでもスケールメリットはあるが、できれば、お互いの不作為を補うような、シナジーがある関係が望ましかった。たとえば働く夫と専業主婦がそうだ。
 
彼はそうではなかったようだが。
 
夫婦ともに同程度の収入を持ち、子どもが一人いて、外注しながら家事育児等はフィフティフィフティが理想らしい。

この一言を聞き出すのに、なんと2か月もかかった。前途多難である。
 
彼はビジネスライクというか否定的な物言いをしない習慣があり、何を望んでいるのかよくわからなかった。
 
思えば、調理中のムービーやふるさと納税で取り寄せた食材をやたら画像で送ってきたのは何らかのアピールだったのかもしれない。察してちゃんはきらいなので既読スルーしたが。
 

「働く女性ってかっこいいよね」
「へえ。なんで?そう思わないけど。専業主婦になりたい」
「妻には社会と関わってほしい」
「ボランティアとかしようか」
「そうじゃなくて」
「関わってるよね、社会に」
 
本音はどうも、男女関係なく有償労働をしない人が好きじゃない、妻とて例外ではない、らしい。
 
「わかった。じゃもっと低収入の仕事に就きたい」
「なんで?」
「キラキラ職種がいい」
「そうじゃなくて」
「有償労働だよね」
「君は金がかかる、養えない」
「じゃそれに合わせた生活をする」
「無理でしょ」
「できるよ」
「いやだ」
「え?」
 
つまり、自分の生活水準が下がるのがいや、ということか?
 
「貴方が倍稼げばよくない?」
「そういうことじゃない」
 
あ、これ単純に妻に金を渡すのがイヤってやつだ。理解理解。
 
「専業主婦になるのが幸せだと言っても幸せにする気はないと?」
「ない」

行き詰った。ただ、2人ともマジョリティのライフスタイルがいいというのは一致した。マジョリティ側は心地いいし余計な労力が少ない。  

彼は今後フルタイムの共働きが増え多数派になるという主張をしていたが、過去15年子どものいるフルタイムの有職女性は目立って増えてないし、日本の司法がより働かない方に親権を渡すかぎり同程度の収入の夫婦は増えないというのが私の見立てである。

予測は自由なので埒があかずこの話はしなくなった。まったく不毛なやり取りだった。

とはいえ、彼の希望はなんら難しくない。わたしは会社と同僚に恵まれており、彼の理想は今の生活の延長線上にある。
 

「妊娠出産は5050にできないから、DINKSか、子ども欲しいなら専業主婦か今より低収入ならいいよ」
 
「じゃ子どもはいらない」
 
そうくるか…!おそらく、本心ではない。
いや今一時は本心かもしれないが、こっちは将来の話をしているので今のお気持ちを聞きたいんじゃない。40超えてから子ども欲しいという男はよくいるのだ。
 
「DINKSなら、婚姻中はぱいぷかっとほしい。わたしも避妊する」
「いやだ」
「わたしとは子どもいないのに誰と?」
「そんなことしない」
「どこの女と?」
「やっぱり子どもは欲しい」
 
はやっ!ふむ、せやろな。だってこんな女(人間)に興味がなく、家◯画報とか中◯政七商店で売ってそうな意識高い厨房器具を揃え、山、六本木(勉強)、伊勢丹ループ独身貴族生活をしている男が子ども欲しい以外で結婚を望むとは考えにくい。
 
結婚に持ち込めばなし崩しに出来るという腹積もりだったのだろう。せこい。
 
子どもがいて同じくらいの経済力という相手女性に求める条件は一歩も引けないようだった。
 
「じゃそこはいったん呑むとして。貴方は妊娠出産において生物学的に一切担えないけど、そこはどうするの?」
「家事育児を多くやる。2:1くらいでどう?」
 
うーん。
 
これは、どうだろう。
こういう長期間に渡るが誰でもできる単純労働と、期間は短いが機会損失が大きく今や貴重な資源では、比べづらい。
 
しかし信頼できる人間が家の切り盛り、育児や教育をやるというのは得難い。外注できるのは瑣末な部分である。
 
となると、単純労働ではない。ドライヤー(いちばんきらいな作業)もやってくれるかもしれない。釣り合ってる気がしてきた。

「(意訳)わたしのほうが年下だし働くなら私のほうが婚活市場で需要ある。総合的に考えると、1:0で釣り合うと思う」
 
「それはおかしい」
 
「結婚できないと困るのそっちだよね」
 
「俺は一生結婚しなくてもかまわない。ひとりで生きていける」
 
「ウソだね、周りの似た属性の男性は既婚ばかりじゃない。どうせそのうち結婚したくなるくせに。私の属性のほうがむしろ独身多いんだが」
 
この男、このタイミングでマンションを購入した。一人暮らし用の。
 
そこまでする??いや別に私も購入はしたが結婚する気あるので関係、ない、、?でも一応短期間なら二人でも住める50平米である。40平米はやばい、他人を寄せ付けない広さ。とりあえず決意は伝わった。
 
「あ、あ、あのでもわたし3歳年下だし20代」
 
「別に女性の若さに魅力を感じていない。年齢は何歳でも関係ない」

「20歳と40歳って違わない?」

「違わない。20歳でも40歳でも同じ。君は年齢を気にし過ぎ」

「そっかあ」

へ?そ、そんな男いる?まあ物好きもいるか。

「あ、あ、あのでも、ほら、我々のこう、需要に、差があるよね」
 
「?」
 
「ん??」
 
「同レベルか君のほうが下では?」
 
??????
 
割愛するが、どうも、彼は女性の顔フィルターがかかってる環境に身を置きながら、その自覚がなかったらしい。仕事で会ったのちに雑誌のカバーモデルになった女性も普通の容姿だと思っていたらしい。
 
郊外のモールに連れ出して観察させたら自覚したらしい。
 
「女性いっぱい見たよね。ど、どうだった?」
 
「同期の女性がレベル高いのは理解した。でも女性の容姿に価値があるとは思えない」 
 
「ほ、ほう」

まあ女性に興味ないならそんなもんか。
 
「あ、さのさ。そもそも同類婚したい男性って同じ大学とかで彼女探すよね、なんでいなかったの?」
 
「大学は物理で女子学生が少ないので男子学生が群がっていた。ブスを取り合わなきゃいけないくらいなら一人でいいと思った(意訳)」
 
前言撤回。俗物だ。まごうことなき俗物、、!

おもむろに彼から切り出したのは、2:1でも多いという。
 
いわく、知り合いの男性たちは、奥さん同じくらいかもっと稼いでるし家のこともほとんどやってるらしい。
 東南アジアの知り合い?

「もう少し詳しく聞かせて」
 
4組の例を出したが、聞けばイケメンで実家太い勢が2人。奥さまは年下ではない。

「それ貴方と共通点ないじゃない。参考にならない」

あと2人はたしかに彼と同じようなスペックである。奥さまはひと回りくらい歳上らしい。
 
お、これだ。これこれ。
 
「じゃあ私もあなたの12歳上の42歳になったら子どもつくる。それなら5:5でいいよ」
 
「反対。確立低すぎる」
 
「じゃ40歳でいいよ。40歳は出来る人もまあまあいる。若さに価値がないなら妊娠は40歳からでもいいはず」
 
彼は結局20代の妊孕性が高いことを言葉でこそ認めなかったが、家事育児のすべてを請け負うことは了承した。
 
あとどさくさに紛れて彼が感情労働することを提案したがそれも了承してくれた。

何に対してのバーターかは分からないが自らの動機を社会的な言葉で粉飾するスキルは現代社会では必要なので分からなくていいのだろう。
 
7年も経つのにボキャブラリーが可愛いと好きと愛してるから増えないのは謎だがこういうのは質ではなく責務を果たそうとする姿勢が大事なので十分である。

 
結婚後の話題以外では、いたって平和だった。
平和すぎて重箱の隅をつっついてたら怒られた。

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