スタイルUPとは無縁と思われがちなスニーカーも、実は選び方や合わせ方次第ですらっと見えが可能!? 確かな審美眼を持つ、さとかなさんことスタイリスト佐藤佳菜子さんが選ぶ一足と、その着こなしテクをお届けします!
1.佐藤佳菜子さんが考えるスニーカー×スタイルUPとは?
「厚底だからってスタイルが盛れるっていう簡単な話じゃない!」
「むくっとしたスニーカーは着ぐるみの足みたい」
「スタイルUPを考えるのなら足もとにムダな違和感や存在感はいらない」
「天狗って下駄で盛っているけれど『背高っ』って思わないでしょ!?」
「本当は体を鍛えスタイルを磨くのがいちばん。だけど、世のサボりん坊さんたちのためにスタイルよく見える方法を考えてみました!」
――SATOKANA
『アディダス』が誇る名作、「サンバ」は、薄いアッパーによるスマートでモダンなフォルムが魅力。「Iラインスカートとのボリュームバランスもちょうどよく、すっきり履きこなせる一足。この靴の場合ソールが締め色なので、よりすらっと見えに貢献します」(佐藤さん)。靴「SAMBA OG W」¥15400/アディダスお客様窓口(アディダス) ニット¥45100/エンケル(シュタイン) スカート¥24970/ネイヴ バッグ¥39600/ロンハーマン(アローン) 靴下/スタイリスト私物
2. 選ぶべきスニーカーの5つの条件
全身を引きで見たときに、“ムダな違和感”にならない主張控えめなボリュームとコーディネートになじみやすいカラーなど、さりげない存在感が大事!
「SAMBA OG W」¥15400/アディダスお客様窓口(アディダス)
1.全体のフォルムはすっきり細め
「ぽってりボリュームのあるデザインだと、靴の存在感が強すぎて脚と分断されて見えてしまい、スタイルUPを狙うなら逆効果。流れを乱さない細みフォルムなら、なじみやすくすっきりします」
2.タンはボリュームがありすぎないもの
「甲の部分がふくらんでいると、わずかとは言えその分足首が隠され寸詰まって見える危険が。タンにクッションがなく、フラットなタイプのほうがひざ下が長く見え、横から見る全身バランスもスマート」
3.服に合わせやすくなじみやすいベーシックカラー
「スタイルUPを考えるのならコーディネートから浮かずなじむ色がベター。ポイント使いするときは、派手色でももちろんOK!」
4.ソールは薄め!
「『佐藤佳菜子さんが考えるスニーカー×スタイルUP』の“天狗理論”同様、厚底スニーカーを見て『脚が長いんだなぁ』と思う方はまれで、『底に厚みのある靴で盛っている』とひと目でバレるはず。逆に薄いソールのほうが足底までの流れを遮らず、すらっとスマートに見える効果が」
5.丸すぎないシュッとしたトゥ
「つま先に必要以上にボリュームや丸みがあるデザインは、着こなしの“引っ掛かり”に。先端はなるべくシャープなほうがバランスがきれいに見えると同時に、大人っぽさも高まります」
3. スニーカー×スタイルUP コーデテク4選
「足首に自信がないなら ベージュソックスで隠す」ーーーSATOKANA
よく言われる“足首を出し抜け感UP”のテクは、ムチッとした太めの足首だと、肌の色が目立ってしまい逆効果。そこで、肌より暗いベージュのソックスでカバーして引き締め効果に期待!
肌感を模倣するソックスでカモフラしつつ抜け感を添える
「ベージュソックスが影の役割を担い細見え」。靴「W NIKE PHOENIX WAFFLE」¥13530/ナイキ カスタマーサービス(ナイキ スポーツウェア) ジャケット¥79200/ギャルリー・ヴィー 丸の内店(ギャルリー・ヴィー) カットソー¥16500/エイトン青山(エイトン) パンツ¥35200/エイトンステイプルズ メガネ¥47300/モスコット トウキョウ(モスコット) シュシュ¥17600/ロンハーマン(ピエン スタジオ) バッグ¥14300/ヤーキ オンラインストア(ヤーキ) 靴下¥9240/真下商事(パンセレラ)
「W NIKE PHOENIX WAFFLE」¥13530/ナイキ カスタマーサービス(ナイキ スポーツウェア)
「いっそモノトーンで全身をまとめればOK!」――SATOKANA
引き締め効果絶大な黒スニーカーなら、難しいテクも不要。さらに、全身モノトーンでまとめることで、簡単にすらっと着映え。ただし、黒の分量が多すぎると重く見えるので、白を効果的に活用し緩急をつけて。
服も靴もスリムに見せる黒に全体的に頼りキリリと補整
「白の分量は上半身を多めに設定。下に黒を配置することで、ハリ感のあるジャカード素材のフレアスカートも膨張知らず」。ソックスとソールにほんのり白を効かせることで、重たくなりすぎる心配もなし。靴「M2002R」¥19800/アトモス ピンク フラッグシップ 原宿店(ニューバランス) カットソー¥17600/RHC ロンハ ーマン(RHC) スカート¥64900/リトルリーグ インク(エブール) 手に持ったブルゾン¥69300/デ・プレ バッグ¥88000/エストネーション(コラム) 靴下/スタイリスト私物
「M2002R」¥19800/アトモス ピンク フラッグシップ 原宿店(ニューバランス)
「パンツとスニーカーを色でつなげてまるで脚の一部のフリをしてもらいましょ」――SATOKANA
目の錯覚を利用するのも手。パンツとスニーカーを同系色でまとめ、つま先まで一体感を出すことで、すらっと脚長スタイルに。ブラウンやグレーなどニュアンスのある締め色でまとめれば、洒落感も同時に欲張れる!
同系色でつま先までの流れを意識し、脚と足もとの“つなぎ目”を隠す
「足もとをワントーンで統一し、脚のラインを引き伸ばすイメージ。スニーカーの3ストライプ&ソールの白によりのっぺりしないのも◎。トップスに同じ白を合わせることで、全体にリズムと調和が生まれスタイルUPに直結します」。シックなブラウンなら、カジュアルスタイルも上品にまとまる。靴「MUNDIAL TEAM RS」¥19800/アディダスお客様窓口(アディダス) スウェット¥31900/ギャルリー・ヴィー 丸の内店(ギャルリー・ヴィー) パンツ¥39600/アンセルム 帽子¥22000/リーミルズ エージェンシー(ジョン スメドレー) バッグ¥132000/エストネーション(コラム) 靴下/スタイリスト私物
「ボリュームスニーカーを履きたいなら受け止め役になるモコモコ素材と!!」――SATOKANA
存在感があるスニーカーは、足もとの迫力が悪目立ちしないよう、フェザーやジャカード、ニットなどスニーカーに負けないボリュームある素材感のボトムと合わせるのが正解!
スニーカーの色&ボリュームと対等に渡り合えるスカートを投入
「とにかく足もとが浮かないことが最重要事項なので、ボリューム(靴)にはボリューム(ボトム)で対処」。インパクトあるラベンダーカラーのボリュームスニーカーは、ふわもこ素材のニットスカートと合わせ、さらっと中和して。靴「X- ULTRA 360 Edge GORE-TEX W」¥18700/サロモン ジャケット¥44000/サードマガジン ニット¥45100/ユナイテッドアローズ 有楽町店(ケイル) スカート¥34100/ウィム ガゼット ルミネ新宿店(ウィム ガゼット) バッグ¥31900/イアクッチ 大丸東京店(イアクッチ)
4. スタイルアップスニーカー 本命5足
NIKEのW NIKE DUNK LOW NN OLY
「色のコントラストでメリハリ!」
「白面積が多いにもかかわらず、ネイビーのアクセントにより端正な印象。ネイビーのものを見つけると単純に買ってしまうという理由もあり、気に入っています」。靴¥15400/ナイキ カスタマーサービス(ナイキ スポーツウェア)
ASICSのGEL-KAYANO 14
「キュッと締められる素材感が◎」
「一見ボリュームがありますが、アッパーがやわらかなメッシュ素材ゆえ、足幅に合わせシューレースをギュンッ!と結ぶことでボリュームを微調整でき、どんなコーデにも意外となじむんです(笑)」。靴¥19800/アシックスジャパン(アシックス)
adidas OriginalsのSAMBA OG
「トゥのシャープなアーチが最高」
「ほっこり感のない洗練されたトゥといい、メリハリの出る3ストライプといい、シャープに見える要素が凝縮した逸品」。靴¥15400/アトモス ピンク フラッグシップ 原宿店(アディダスオリジナルス)
VANSのAUTHENTIC LOWPRO
「褒められ頻度が高すぎるシンプルさが秀逸」
「普段から愛用している『ヴァンズ』の新作、スウェード素材。以前インスタに掲載した写真にも『スニーカーはどこのですか?』と問い合わせが殺到したほど、小柄な私が履いてもきれいにバランスよく見える一足」。靴¥7150/VANS JAPANカスタマーサポート(ヴァンズ)
PELLICO SUNNYのGIOIA
「無駄のないシンプルなフォルムにほれぼれ」
「とにかくこの形のスリッポンが大好きなんです。手持ちの黒も履くたび、かなりの確率で褒められます。パイソン柄は一見難しそうに思われるかもしれませんが、シックなカラーで意外と合わせやすく膨張もせず。そしてほどよいアクセントにもなるなんて、かなり優秀」。靴¥52800/アマン(ペリーコ サニー)
スタイリスト
佐藤佳菜子さん
洗練を極めたベーシックさに、チャーミングな遊びを効かせた洒落たスタイリングは唯一無二! 身長156cmの小柄とは思えない、バランスのいい私服コーデも人気。
撮影/Junghyun Kim〈TRON〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/佐藤佳菜子 モデル/土屋巴瑞季 取材・原文/道端舞子 ※BAILA2024年11月号掲載