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映画で描かれる「女性の靴」の魅力とは? 映画評論家・ライター 今 祥枝さんに聞いた!

映画で描かれる「女性の靴」の魅力とは? 映画評論家・ライター 今 祥枝さんに聞いた!

私たちのファッションにおいて、靴はどんな役割を持ち、どんなきっかけを連れてきてくれるのか。今回は映画評論家・今 祥枝さんが、スクリーン内での靴の描かれ方から、女性靴の魅力について考えます。

女性靴のスクリーン内での描かれ方とは

今 祥枝さん

映画評論家・ライター

今 祥枝さん


映画&ドラマのレビューやコラム、特集記事を企画から編集、執筆までこなす敏腕ライター兼エディター。米ゴールデングローブ賞国際投票者や女性記者映画賞審査員として、また近年はForbesや日経などビジネス誌でも活躍の幅を広げている。読売家庭版で「今祥枝の映画ガイド」を連載中。

“単なるファッションアイテムを超えた強烈な「記号」”

「靴」をモチーフにした物語というのは、昔から多いんです。代表的な『シンデレラ』をはじめ、『赤い靴』『オズの魔法使い』『ウィキッド』――。そこで描かれる意味合いは「苦しみ」であったり、あるいは「成長」や「秘めた才能」であったり、と様々ですが、映画における靴は古くから、物語の転換点を象徴するアイテムとして効果的に登場していました。

映像作品では、基本的に画面に映るものすべてに意味が込められています。洋服や髪型がキャラクターを表すのはもちろんですが、その中でも「靴」が持つ意味はとりわけ特別。なぜなら、靴は洋服やバッグ以上に「身体的な感覚」に直結するものだから。自分の足にぴったり合っていないと痛みを感じますし、その苦痛はダイレクトに自分に返ってくる。

いちばんわかりやすく表現されているのが、映画『プラダを着た悪魔』(2006)ではないでしょうか。ダサいと見下されていた主人公・アンディが、「シャネル」のロングブーツを履いて出社するシーンは実に象徴的。彼女の仕事への決意や周囲からの認められ方が変わる、明快な記号になっています。

Collection Christophel/アフロ

Collection Christophel/アフロ

地味だった主人公・アンディが、ファッションへの偏見を捨て、変身を遂げる映画屈指の名シーン。両手に「マノロ ブラニク」や「シャネル」の靴を抱え、表情にも自信が宿り始める物語の鮮やかな転換点。

そして面白いのは、最後にその「認められるための靴」を必要としなくなる点。単純に高いヒールを履いて仕事ができる女性になることが成功なのか? 一周回って、自分にとって本当に必要なものは何かに気づく。靴の変化からその成長が表されているんです。

また、「セックス・アンド・ザ・シティ」の主人公・キャリーのシューズクローゼットも圧巻ですよね。「靴だけは裏切らない」という彼女の思想は、自立した女性が自分の稼ぎで好きな靴を選び、自分の足で人生を歩むという自由の象徴そのもの。

AFLO

AFLO

映画『セックス・アンド・ザ・シティ』(2008)にて、結婚式をすっぽかしたビッグが、キャリーに2度目のプロポーズをする場面。ひざまずいて「マノロ ブラニク」をプレゼントするシーンに誰もがときめく。

こうして見ると、靴は映画において強力な「記号」として機能していることがわかります。ヒールなのか、スニーカーなのかといった選択の違いが、洋服やバッグよりもアイコニックでわかりやすいので、描かれる女性の社会的地位や心理状態をダイレクトに浮かび上がらせるんです。あらためて靴に注目してみると、見慣れた映画もまたフレッシュな視点で楽しめるはずです。

※BAILA2026年4月号掲載

BAILA編集部

BAILA編集部


30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。

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